インフルエンザの予防接種はいつ行くべき?卵アレルギーの場合は?目安となる接種回数について
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そろそろ寒い季節がやってきますね。そんな時期に猛威を振るうのがインフルエンザウイルス。
ここ数年は、新型コロナウイルスの流行で手洗い・うがい・アルコール消毒などといった感染予防対策が強化されたことにより、インフルエンザの感染者は著しく減少していますが、今年は同時流行の兆しがあるという情報も…。
ところで皆さん、インフルエンザワクチンは接種されていますか?
今年は検討されている方も多いのではないでしょうか?
☑いつ接種すればいいの?接種回数は?
☑新型コロナウイルスのワクチンと同時に接種してもいい?
☑接種後の副反応は?
今回は、上記のような疑問にお答えしながらインフルエンザワクチンについて詳しく解説していきます。
目次
インフルエンザの予防接種の適切な時期と回数
インフルエンザの流行時期
日本では例年12〜4月頃に流行し、1月末〜3月上旬に流行のピークを迎えることから、12月中旬までにワクチンを接種するのが望ましいとされています。
インフルエンザの接種回数
①13歳以上の方:原則1回接種(1回0.5ml)
※ただし、基礎疾患があり免疫が低下している方などで、医師が2回接種を必要と判断した場合はその限りではありません。
②13歳未満の方:2回接種
ワクチンの接種量および接種回数は次のように定められています。
●6カ月以上3歳未満:1回0.25mL 2回接種
●3歳以上13歳未満:1回0.5mL 2回接種
※なお、1回目の接種時では12歳でも2回目の接種時に13歳になっていた場合は、12歳とみなして2回目の接種を受けていただいて問題ありません。
インフルエンザ予防接種はなぜ子供は2回を受けるべきなのか?
インフルエンザの予防接種を二回受けることで、「ブースター効果」といって、1回接種後よりも2回接種後の方がより高い抗体価(抗原と反応できる抗体の量)の上昇が得られるからです。
なお、13歳以上は1回の接種で2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるとの報告があります。
また、通常2〜4週間の間隔をあければ2回目の接種が可能ですが、3〜4週間の間隔をあける方がより高い免疫の獲得が期待できるとされています。
インフルエンザの予防接種を控えるべき人は?
下記に当てはまる方は、インフルエンザワクチンの添付文書では「接種不適当者」に該当します。
ご不明・ご不安な点があれば、接種前に医師とご相談ください。
- 37.5℃以上の発熱がある方
- 重篤な急性疾患にかかっている方
- ワクチンの成分によってアナフィラキシーを呈したことがある方
- 上記以外に接種を行うことが不適当な状態にある方
卵アレルギーの場合でもインフルエンザ予防接種を受けていい?
アレルギーの程度にもよりますが、卵アレルギーの方でも多くの場合、問題なく接種できます。
インフルエンザワクチンはその製造過程で鶏卵を使用するため、ごくわずかに鶏卵由来成分がワクチンの中に残り、それによってアレルギー症状が引き起こされる可能性が否定できません。
しかし、近年では精製が進み、ワクチンの中に鶏卵成分はほとんど残っておらず、軽い卵アレルギーであればほとんど問題はありません。
重い卵アレルギーのある方(ひどいじんましんやアナフィラキシーショックを起こしたことがある方)に関しては、
①接種を控える
もしくは
②インフルエンザに感染した際のリスクとワクチン接種に伴う副反応のリスクを十分に考慮して、医師とよく相談のうえ接種するか否かを決めていただくことをおすすめします。
新型コロナワクチンとの同時接種はできる?
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンとの同時接種は可能です。
以前は、2週間の間隔を空けて接種するよう定められていましたが、同時接種でも有効性および安全性に問題がないとの報告があり、今年から可能となりました。
なお、新型コロナワクチン以外のワクチンも同時接種が可能となっています。
◆コロナとインフルの同時感染(フルロナ)とは?症状やワクチン予防について解説
インフルエンザ予防接種の副反応は?
比較的多くみられる副反応
接種した部分の赤みや腫れ、痛みなどがあります。
接種を受けた方の10~20%に起こりますが、通常2~3日で自然に消失します。
全身性の副反応
発熱、頭痛、悪寒、倦怠感(だるさ)などがあります。
接種を受けた方の5~10%に起こりますが、こちらも通常2~3日で自然に消失します。
また、まれにショックやアナフィラキシー様症状(発疹、じんましん、赤み、かゆみ、呼吸困難など)が出現することもあります。
ショックやアナフィラキシー様症状は、接種後比較的すぐに起こることが多いため、接種後30分間は接種した医療機関内で安静にしてください。
また、帰宅後に異常が認められた場合には、速やかに医師に連絡してください。
重篤な副反応
急性脳症や脊髄炎、けいれん、ギラン・バレー症候群、肝機能障害、ネフローゼ症候群、喘息発作、間質性肺炎、血小板減少性紫斑病、皮膚粘膜眼症候群(薬疹)などが報告されていますが、いずれもごくまれです。
副反応が出た場合の対処法は?
接種部位の赤みや腫れに対してはまず冷やしてください。
赤みや腫れを悪化させますので、過度な運動や飲酒、長時間の入浴は、血行が良くなることは控えましょう。
また、入浴時には接種部位を強くこすらないようにしてください。赤みや腫れがひどい場合は入浴そのものを控えた方が良いでしょう。
発熱、頭痛、悪寒、倦怠感などの全身症状がある場合は、水分をしっかり摂取し十分な休息を取ってください。
インフルエンザワクチンと解熱鎮痛剤との併用は特に問題ありませんが、インフルエンザワクチンの副反応は一般的に軽度であり、解熱鎮痛剤が必要となるケースはまれです。
服用する場合、現在治療中の疾患がある方や妊娠中・授乳中の方、薬でアレルギー反応を起こしたことのある方などは、服用前に医師にご相談下さい。
症状が重い場合や、数日経過しても軽快しない場合は医師にご相談ください。
◆【医師監修】解熱剤が効かない?解熱剤の種類と使うタイミング、効果や副作用について
子供がインフルエンザ予防接種の注射を嫌がるときの対応
子どもが注射を怖がり嫌がるのは当然のことです。
黙って病院へ連れて行きいきなり接種させる!という保護者の方もおられるかもしれませんが、接種日の前日までには注射をしなければならないことを事前に伝えておき、心の準備ができる時間を与えてください。
また、注射をする目的を、「悪いバイ菌をやっつけるためだよ」など分かりやすい言葉でちゃんとお子さんに教えてあげてください。
接種時に泣いて暴れてしまうのは仕方のないことだと思いますが、暴れて針が深く刺さってしまったり、違うところに刺さってしまうなどといった危険な事故を防ぐために、保護者の方がしっかり抱きしめて腕や体が動かないようにしてください。
医療者・保護者・子ども本人の協力で初めて接種ができます。
また、泣いて暴れても叱らずに励ましてあげてください。
終わった後は、頑張って注射を受けられたことをたくさん褒めてあげて下さい。
病院や家来るドクター(往診)でできるインフルエンザの治療
前述の通り、ワクチンの副反応は通常自然に消失し、軽微なものが多いためご家庭で十分対応可能です。
しかしながら、接種後のアナフィラキシー症状は病院での治療が必要となりますので、救急対応が可能な病院へ迷わず受診してください。
一般的な副反応において少しでもご不明・ご不安な点がございましたら、お気軽に家来るドクターまでご相談ください。
家来るドクターの往診(保険適用でご自宅で診察が受けられます)では、インフルエンザの検査とお薬の処方がご自宅で可能です。
発熱などインフルエンザを疑う症状がございましたらお気軽にご相談ください。
また、家来るドクターの連携医療機関「西春内科・在宅クリニック」では、インフルエンザの予防接種が可能です。
詳しくは下記をご覧ください。
>>2022-2023年シーズン インフルエンザワクチンのご案内<<
まとめ
今回はインフルエンザの予防接種(ワクチン)についてご紹介しました。
引き続き、手洗い・うがい・アルコール消毒を徹底しつつ、ワクチンも接種してインフルエンザの流行に備えましょう!
参考文献
・厚生労働省 インフルエンザワクチンの添付文書
・厚生労働省 インフルエンザQ&A
・厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A
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西春内科・在宅クリニック
院長 福井 康大 (ふくい やすひろ)
《経歴》
●三重大学医学部医学科 卒業●三重県立総合医療センター
●N2 clinic