虫刺されは実は危険?症状や対処法について解説
投稿日: 2024年07月09日 | 更新日: 2024年08月07日
屋外での活動やレジャーが楽しめる季節、気持ちが弾む一方で、気になるのが虫刺されではないでしょうか。
虫刺されは、屋外に限らず家の中でも、そして誰にでも起こる身近なものです。
ですが中にはひどいかゆみや痛みが全身に現れるケースや、感染症を媒介して命の危険を伴うケースもあります。
本記事ではそんな、実は怖い虫刺されの症状や対処方法をご紹介します。
目次
虫刺されの症状
痛み
虫刺されによる痛みは、虫に刺されたり咬まれたりという物理的な刺激によって生じます。
かゆみや腫れ
かゆみや腫れは、咬まれたり刺されたりした際に、注入された唾液や毒に対して起こるアレルギー反応です。
このアレルギー反応には、虫刺され直後にみられる「即時型反応」と、数日後に現れる「遅発型反応」とがあります。
アレルギー症状
虫刺されによるアレルギー症状では、気分が悪くなる、お腹が痛くなるなどの全身症状が現れることがあります。
さらに重症の場合、意識障害やショック症状といったアナフィラキシーショックが起こることもあります。
二次感染
虫に刺された患部を掻いたり、触ったりすることによって、とびびなどの二次感染を起こすこともあります。
二次感染を防ぐためには、掻き壊す前に充分な強さのステロイド外用剤を使って、しっかり炎症を抑えるのが効果的です。
関連記事:虫刺されの腫れがひどい・大きいときの対処法|どんな虫に注意すべき?
虫刺されを引き起こす代表例
蚊
蚊に刺されると直後から急激なかゆみを感じ、赤く盛り上がりのある発疹が出ます。
ほとんどの場合は、数時間程度で自然に治り痕も残りません。
しかし個人差があり、水ぶくれができる場合もあります。
ブヨ
ブヨは蚊に似た虫です。
蚊との違いは皮膚を咬んで血液を吸うため、赤い出血点や内出血ができることが特徴です。
蚊に比べてかゆみや腫れの症状が強く、しこりが残ることもあります。
ノミ
ペットに寄生しているノミが、吸血のために人を刺すことで強いかゆみや赤い発疹といった症状が現れます。
ノミに刺されたことがない人ほど、かゆみ症状が激しく、水ぶくれができることもあります。
水ぶくれができてしまった時は、二次感染による悪化や痕残りを防ぐために、適切な治療が必要です。
ダニ
室内で刺されるダニのほとんどはイエダニで、赤く、かゆみの強い小さなしこりがたくさんできるのが特徴です。
腹部や太ももの内側、脇の下、二の腕など、衣服で隠れている部分が刺されやすく、1週間以上続くこともあります。
関連記事:トコジラミに刺されたときの症状とは|ダニとの違いも解説
ハチ
ハチに刺されると、ハチ毒の刺激作用によって、直後から激しい痛みと赤い腫れが出ます。
初めて刺された時は、それほどひどい症状には至りません。
何度か刺されてハチの毒にアレルギー反応ができてしまうと、稀にアナフィラキシーショックを起こしたりすることもあります。
ハチに刺された後、気分が悪くなった時はただちに受診が必要です。
毛虫
毒毛を持つ蛾の幼虫に触れることで、激しい痛みとかゆみを伴う小さな赤いブツブツがたくさんできます。
患部を掻くと、肌に刺さった毒針毛が周辺の皮膚にこすりつけられるため、蕁麻疹のような症状がでます。
ムカデ
ムカデに刺されると、毒液の成分によって刺された直後から激痛が生じます。
症状としては患部が痺れ、赤く腫れてきます。
ハチ同様、アナフィラキシーショックを起こすことがあるため、体調に異変を感じたら医療機関をすぐに受診する必要があります。
虫刺されから派生する蜂窩織炎とは?
虫刺されの二次感染として代表的な病気に、蜂窩織炎という病気があります。
蜂窩織炎とは、皮膚とその下の組織に連鎖球菌やブドウ球菌といった細菌が感染し、炎症が起こる病気です。
患部の皮膚に赤い発疹や痛み、腫れが出現し、人によっては発熱や悪寒といった症状が出ることもあります。
蜂窩織炎は細菌性の感染のため、治療は抗生剤の服用や点滴で行い、膿瘍があれば排膿も行います。
個人差はありますが、5日前後で治ります。
自分でできる虫刺されの対処法
冷却
刺された患部を冷やすことで炎症を抑え、症状を軽減することが出来ます。
保冷剤や氷はタオルで包んで当てると、冷やしすぎず適度に冷却できます。
刺激を避ける
患部への刺激は、とびひなどの二次感染を引き起こす可能性もあるため、かきむしることはもちろん、なるべく患部への刺激は避けましょう。
清潔を保つ
傷口の清潔を保つ事も二次感染の予防するためにも大切です。
患部の冷却も兼ねて冷水で綺麗に洗い流し、可能であれば消毒もしておきましょう。
塗り薬の使用
患部を清潔にした後はかゆみ止めの薬も塗っておくと、かきむしる心配もなく早く綺麗に治りやすくなります。
かゆみだけの場合は、抗ヒスタミン成分の配合されたもの、かゆみとともに腫れなどがある場合は、ステロイド成分が配合された薬を使用します。
経口剤の服用
蜂窩織炎などの細菌感染が疑われる場合は、抗生剤などの経口投与が必要なこともあります。
この場合は、医師の処方が必要になるので早めにお近くの医療機関を受診してください。
家来るドクターでできる対応
家来るドクターでは、夜間休日の往診を行っております。
診察後、必要であればその場で軟膏や抗生剤などの処方も可能です。
受診した方がいいのか分からないといったことも含めて、何かご不明な点があればお気軽にお電話ください。
まとめ
虫刺されは、誰もが経験する身近なものです。
特にこれからの季節、屋外での活動時間が増え虫刺されの頻度も多くなるでしょう。
まずは刺されないように、虫よけスプレーなどで対策し、刺された際は適切な処置をしましょう。
もし、症状が悪化したり、いつもと様子が違うなと感じたりしたらお近くの医療機関をご受診ください。
参考文献
- ヒフノコトサイト「『虫刺され』の症状・治療法【症例画像】」
- くすりと健康の情報局「虫さされの原因」
- 病院スコープ「虫刺され」
- MSDマニュアル家庭版「蜂窩織炎」
- 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター「蜂窩織炎」
執筆者
経歴
- 名古屋市立大学 卒業
- 豊橋市民病院 初期研修医勤務
- 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
- 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
- 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
- 西春内科・在宅クリニック 副院長
- 横浜内科・在宅クリニック 院長
- >>詳しいプロフィールはこちらを参照してください。