目の下を中心に左右対称のシミが現れる「肝斑」。

30～40代の女性に多く見られ、一般的なシミとは特徴や改善方法が異なります。

本記事では肝斑とシミの違いや見分け方を始め、セルフケアの方法から医療機関での治療方法までを詳しくご紹介します。

肝斑の特徴

肝斑は、主に30～40代女性の頬周りに現れる色素沈着の一種であり、以下のような特徴があります。

• 両頬やおでこ、口の周りなど、左右対称に現れる
• 大きさは数センチから顔の広い範囲までさまざま
• 薄いベージュ色から濃い茶色まで個人差がある
• 季節によって色の濃さが変化する（夏は濃く、冬は薄くなる傾向）
• 痛みやかゆみなどの症状はない

肝斑の原因

女性ホルモンの乱れ

女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、メラノサイトを刺激し、メラニン色素の生成を手助けするはたらきがあります。

エストロゲンが多く分泌される妊娠中などは、メラノサイトのはたらきによって肝斑が濃くなりやすく、別名「妊娠シミ」と呼ばれることもあります。

ストレス

ストレスを感じるとコルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌されますが、このホルモンにもメラニン色素の生成を手助けするはたらきがあります。

特に仕事や人間関係などの慢性的なストレスは、自律神経の乱れを通じてホルモンバランスを崩し、長期的に肝斑が現れる可能性も高まります。

摩擦

顔を強くこすると、皮膚のバリア機能が低下し、炎症の原因となります。

炎症から肌を守るためにメラニン色素が生成されることで、肝斑の発生につながります。

紫外線

紫外線にはUVAとUVBがありますが、なかでもUVAは真皮まで到達してコラーゲンやエラスチンを破壊します。

ダメージを受けた肌はメラニン色素を次々に生み出し、既存の肝斑がさらに濃くなったり、範囲が広がったりする原因になります。

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肝斑とシミの違いと見分け方

肝斑とシミは非常に似ていますが、よく見るといくつかの違いがあります。

下記に挙げた3つのチェックポイントに注目し、当てはまるものが多い場合は肝斑の可能性が高いといえます。

1. 両頬やおでこなど、顔の中心に左右対称に現れている
2. 境界がぼんやりとしている
3. 夏に濃くなり冬に薄くなるような季節変化がある

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肝斑を予防するための方法

洗顔はやさしく行う

肝斑は肌への刺激によって悪化するため、ぬるま湯を使ってやさしく洗います。

しっかりと泡立てた洗顔料を肌に乗せ、円を描くようにしてやさしくマッサージするのがコツです。

シャワーを直接顔に当てない

シャワーの水圧による刺激は、肌の炎症を引き起こし、肝斑の悪化につながります。

手に水を溜めて洗うことが理想ですが、すすぎ残しのリスクが上がるため、普段よりも念入りに洗うことが大切です。

紫外線対策を行う

紫外線は肝斑の大敵です。

夏場はもちろん、冬や雨の日であっても欠かさずに日焼け止めを使用しましょう。

ホルモンバランスを整える

規則正しい生活習慣を心掛け、十分な睡眠をとって身体を休めることが大切です。

過度な飲酒や喫煙、栄養バランスの偏った食事など、自律神経の乱れにつながる行動も避けましょう。

ビタミンCを積極的に摂取

ビタミンCはメラニン色素の生成を抑制し、肝斑の予防につながります。

同時に紫外線から肌を守る「抗酸化作用」も高いため、肝斑対策には欠かせません。

肝斑はセルフケアだけで消える？

できてしまった肝斑は、セルフケアだけで完全に消すことはできません。

特に長期化したものや色の濃い肝斑は、医療機関での治療を検討する必要があります。

同時に先ほど触れたポイントを見直し、セルフケアを続けることも大切です。

肝斑を消す方法

美容治療

フォトフェイシャル（IPL光治療）

光を高出力で照射することで、メラニン色素を分解し、肝斑の改善を目指します。

レーザー治療に比べて痛みやダウンタイムが少ないといったメリットもあります。

エレクトロポレーション

電流を流すことで細胞膜の透過性を高め、美容成分を肌の深部まで届ける施術です。

肝斑の場合はトラネキサム酸など美白効果の高い成分が使用されます。

美容内服

トラネキサム酸

肝斑の原因であるメラニン色素の生成を抑制するとともに、炎症を抑え、物理的な刺激による症状の悪化も予防できます。

関連記事：トラネキサム酸の代表的な副作用は？飲み続けても大丈夫？

シナール（ビタミンC配合錠）

紫外線による肌へのダメージを防ぎ、メラニン色素の生成を抑制します。

ユベラ（ビタミンE）

血行を促進することでターンオーバーを整え、メラニン色素の排出を速めます。

抗酸化作用が高く、紫外線による症状の悪化も防ぎます。

ハンドレッドドクターでできること

ハンドレッドドクターと提携している医療機関では、フォトフェイシャルとエレクトロポレーションの美容医療を行っています。

また、オンライン診療ではトラネキサム酸やユベラ・シナールの処方が可能です。

ネット環境があれば気軽に診療を受けていただけるほか、ご自宅など指定の場所で薬を受け取れるため、忙しい方でも安心して利用できます。

まとめ

肝斑を治すには、正しいセルフケアの継続に加え、医療機関での適切な治療が必要です。

早期発見と治療が鍵となるため、気になる症状がある方は専門医へ相談しましょう。

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参考文献

肝斑（かんぱん）の症状・原因・治し方・シミとの違い
肝斑とシミの違い
肝斑は自然に消える？最も効果的な対処法とは | はなふさ皮膚科・美容皮膚科