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ご家庭でやけどしてしまった場合の対処方法、応急処置について、医師が解説します。

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やけどとは?

 

やけどとは、高温や低温の物質、化学物質などが皮膚に接触することで生じる皮膚・粘膜の障害のことです。

 

皮膚は温熱、寒冷、光線といった物理的刺激から体を守ってくれています。しかし、一定以上の刺激が加わると、皮膚は障害を受け、赤みや水ぶくれがあらわれます。重症度は接触する温度と接触時間で決まります。

やけどがおこる原因、家庭内でよくみられる原因について

 

やけどの種類・原因を以下の表でまとめました。カップ麺のお湯、コーヒー、天ぷら油など、高温のものが原因として多いですが、湯たんぽや使い捨てカイロなどによる低温熱傷もよくみられます。

 

特殊なやけどとして、電流による電撃傷や、酸やアルカリによる化学熱傷、放射線による皮膚障害である放射線皮膚炎などもあります。灯油も長時間ふれるとかぶれを起こし、灯油皮膚炎というやけどと類似した症状を引き起こします。

 

熱傷

熱湯や天ぷら油など高温なものによる

低温熱傷

湯たんぽや使い捨てカイロなど低温なものによる

電撃傷

電流による

化学熱傷

酸やアルカリなどの薬剤による

放射線皮膚炎

放射線による

 

家庭内でよくみられるやけどとして、湯たんぽによる低温熱傷は頻度が多いです。見落としがちですが、軽傷にみえても深くまで熱傷がおき、治療に時間がかかることがあります。

 

また、小さなお子さんでは、テーブルの上のカップ麺や熱い飲み物に手をかけてこぼしてしまうことが原因として多いです。炊飯器やポットの蒸気に手をかざしてしまい、手に水ぶくれがおきることもあります、2歳くらいまでのお子様では、手の動きに後遺症が残りやすいので、ご家庭でのやけど対策には特に注意してください。

 

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やけどでおこる症状

 

Ⅰ度

発赤のみ。痛みを感じることができる

浅達性Ⅱ度

水ぶくれになる。水ぶくれをはがすと、底が赤色。痛みも感じられる

深達性Ⅱ度

水ぶくれになる。水ぶくれはがすと、底が白色、痛みが感じにくくなる。

Ⅲ度

皮膚が黒色や白色に。痛みを感じない。

 

やけどの重症度は、障害された皮膚の深さで上記のようにⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度と分類されます。

 

Ⅰ度熱傷、浅達性Ⅱ度熱傷は比較的軽傷なやけどと考えられ、2週間程度で治癒し、傷跡を残さないことが多いです。 

 

深達性Ⅱ度熱傷、Ⅲ度熱傷は重症なやけどで、傷跡がのこり、動かしづらさが残る場合もあります。

 

受傷直後は、やけどの本当の深さはみためでは分からないことが多いです。明確になるまで1週間ほどかかるので注意が必要です。

 

受傷直後は発赤だけだと思ったのに、次の日に水疱がでてきたという例、受傷直後は水疱だったが、水ぶくれの底の色が赤色だから、傷跡が残りづらい浅達性Ⅱ度熱傷と考えていたら、実は数日したら深達性Ⅱ度やⅢ度だったという例は非常によく起こります。

 

以上のことから、発赤以外に、水疱や白色・黒色の皮膚ができているやけどは、深くなる可能性があるので注意してください。

対処法や治療について 

 

熱傷直後の応急処置として、すぐに患部を流水で冷やすことが大切です。その後、初期治療として熱傷の深さⅠ度~Ⅲ度に応じて適切な外用薬での治療を開始します。

 

熱傷が広範囲である場合や、特殊な部位(顔面、手足、陰部)に熱傷がおきた場合は、点滴・酸素などの全身状態の管理や、デブリドマン・植皮などの外科的処置が必要になり、入院となることもあります。 

家庭でできる対処方法 

 

やけどを受傷した直後に、水道水で30分ほど冷やしてください、やけどの拡大を防ぎ、痛みも和らぎます。 

 

衣服の上からやけどした場合は、無理やり服をぬぐことで障害された皮膚が剥離してしまうのを防ぐため、衣服をぬがずに、服の上からシャワーを浴びるようにするといいです。

 

アイスノンなどの氷枕を直接あてると、凍傷でかえって悪化することがあるので、使用する場合はタオルでくるんで皮膚に直接当たらないようにしてください。水疱ができていてもご自身ではつぶさず、医師の判断にまかせるのがいいです。

 

やけどの傷をご自身で処置していく場合、1日1回はガーゼを外して、傷口をシャワーであらうようにしてください。傷にばい菌が繁殖すると、治るのが遅くなったり、後遺症がのこりやすくなったりします。

 

消毒をした方がいいかは意見が分かれますが、傷を消毒すると痛みがあり、かえって傷の治りが悪くなるという考え方があります。インターネットなどの誤った情報で、傷が悪化してから病院にいらっしゃる方もいます。(例えばアロエが良いと聞いてアロエの葉を貼付するだけで、傷の洗浄をせず、感染をおこして傷が悪化)。

 

 熱傷は初期治療が重要なので、不安な場合はひどくなる前に医師の診察を受け正しい処置を行うことをおすすめします。

病院や家来るドクターでできる治療

 

家来るドクターでは、熱傷の進行を防ぎ、感染を起こさないようにするため、熱傷の深さや状態に応じた外用薬をぬったガーゼで傷を保護する治療を行います。

 

具体的には、ワセリンなどの軟膏や、炎症を抑えるステロイド外用薬、水を吸う作用のある外用薬などです。痛み止めも必要であれば、処方することができます。

 

以下の場合は、総合病院受診をおすすめすることがあります。

 

  • 顔面のやけどや、口の中のスス、鼻毛先端の焦げがある場合。気道熱傷といって、のどが腫れてきて気管内挿管が必要となることがあります。
  • 広範囲熱傷。Ⅱ度熱傷で15%以上のものやⅢ度熱傷で2%以上のもの。小児では熱傷面積10%以上のもの。
  • 手足の深いやけど。拘縮により動かしづらさがのこることがあります。特に小さなお子さん。
  • 顔のように傷跡がのこると見た目が気になる場合や、会陰部などの特殊な部位の熱傷。
  • 薬品などによる一部の化学熱傷。特にフッ化水素酸は重症化しやすく、グルコン酸カルシウムの注射が必要になる場合があります。 

 

やけどの跡の治し方、ケアの方法

 

拘縮による動かしづらさを予防するため、傷の治療中からよく動かすようにするといいです。

 

日焼けをするとシミがのこりやすいので、やけど部分の日焼けは3か月ほど避けるようにしましょう。

 

深いやけど(Ⅲ度熱傷や深達性Ⅱ度熱傷)の場合、傷が治っても数週間から数か月後に、傷が盛り上がってきて肥厚性瘢痕やケロイドになることがあります。そのような変化がある場合には、早めに病院で治療をしてもらうようにしましょう。

 

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やけどの予防方法

 

湯タンポは低温熱傷としての報告が多いので、寝る前に布団から出してしまうなど工夫するといいでしょう。

 

小さなお子さんがいる家庭では、熱い液体の入った容器を机の上に置かないようしましょう。テーブルクロスを引っ張り、やけどすることもあります。炊飯器、ポットはお子さんの手の届かないところに設置するようにし、事前に危険を避けるようにしましょう。 

まとめ 

 

やけどはご家庭のなかでも、よく起こる救急の怪我の1つです。やけど直後は、とにかく流水の水道水で冷やしてください。
発赤以外に、水ぶくれや、白色・黒色などの変化がある場合は、深い部分まで到達するやけどの場合がありますので、家来るドクターを呼ぶと安心です。 

 

顔面などの特殊な部位の熱傷や、広範囲熱傷は救急病院受診をおすすめします。 

 

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(参考文献)

一般社団法人日本創傷外科学:https://www.jsswc.or.jp/general/yakedo.html

吉野雄一郎, 天野正宏     , 尾本陽一ほか:日本皮膚科学会ガイドライン 創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―6:熱傷診療ガイドライン,日皮会誌,2017; 127: 2261―2292

 

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