偏頭痛(片頭痛)で救急に行くべきタイミングは?夜間の対処法と危険なサインの見分け方
偏頭痛で「救急に行くべきか」迷ったら、まず危険なサインを確認してください。
片頭痛は日本人の約8%以上がもちといわれる身近な疾患ですが、「いつも起こる頭痛だから」と放置してしまいがちです。しかし症状によっては脳の病気が隠れている可能性があります。夜間の救急判断基準と対処法、片頭痛の原因・治療について医師が詳しく解説します。
この記事は次のような方に向けて書いています
- 夜間に激しい頭痛が起きて救急に行くか迷っている
- いつもの偏頭痛と違う気がする
- 自宅でできる対処法を知りたい
目次
救急に行くべき危険なサイン
以下があるときは、すぐに受診してください
- 今まで経験したことのない激しい痛み
- 手足の麻痺・痺れを伴う
- 発熱を伴う
- 数週間で徐々に悪化している
手足の麻痺や意識障害をともなう場合は119番へ。
以下のいずれかに当てはまる場合は、片頭痛ではなく脳の病気の可能性があります。夜間・休日でも迷わず救急を受診してください。
今まで経験したことのない激しい痛み
突然痛み出した、今までに経験したことのないような激しい痛みは、くも膜下出血などの脳血管障害のサインである可能性があります。症状が比較的軽くても除外できません。
手足の麻痺・痺れを伴う
手足の麻痺や痺れが頭痛と同時に起きている場合は、脳神経内科や脳神経外科を受診してください。正確な検査・診断が必要です。
発熱を伴う
頭痛と同時に熱が出る場合は、髄膜炎など感染症が原因の可能性があります。片頭痛では通常、発熱は伴いません。
数週間で徐々に悪化している
頭痛が数週間のうちに徐々に悪化していく場合には、脳腫瘍や慢性硬膜下血腫などの可能性があります。早めに受診してください。
上記に当てはまらない場合は、以下の自宅対処法を参考にしてください。
夜間、病院に行くまでの自宅対処法
暗い静かな部屋で安静にする
片頭痛発作時は、光や音・ニオイに敏感になります。遮光カーテンを閉め、できるだけ静かな環境で横になってください。頭を動かすと痛みが増すため、安静を保つことが優先です。
カフェインを摂る
カフェインは血管収縮作用があるため、血管が広がるのを遅くして頭痛を出にくくさせる効果があります。週末や仕事後など緊張が緩んだときに頭痛を発症しやすい人は、発症前にコーヒーや苦いお茶を飲んでみるのも良いでしょう。
頭痛日記をつける
頭痛日記をつけることはとても効果的です。ご自身の行動パターンや状況を把握し、頭痛になるタイミング、誘発条件を見つけやすくします。鎮痛薬等の服薬時間を記載することで、適切なタイミングでの服薬も可能になります。
関連記事:休日や夜間に頭が痛くなってしまった場合の対処法と病院を受診するべき基準について
片頭痛とは?
頭痛にはさまざまな種類がありますが、大きく2つに分けることができます。それは一次性頭痛と二次性頭痛です。
一次性頭痛は機能性頭痛とも呼ばれ、片頭痛、緊張型頭痛、群発性頭痛などがあげられます。
二次性頭痛とは器質性頭痛とも呼ばれ、頭部外傷による急性頭痛や、くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎などの病気が原因で症状のひとつとして頭痛があらわれるものです。一次性頭痛に比べ割合は少ないものの、生命や後遺症に関わることもあるため、注意が必要です。
片頭痛は10代〜20代という若い時期に発症することが多く、日常生活に支障をきたすこともある疾患です。片頭痛を治療する上で、個人に合った治療法・予防法を見つけることが大切です。
関連記事;頭痛で吐き気やめまいがする原因と対処法や、こわい頭痛の見分け方!
片頭痛の原因
偏頭痛の原因には、ストレス、睡眠(過多・不足)、疲れ、天候の変化などさまざまな要因が考えられます。また、暑さや、発熱、飲酒(アルコール)などにより頭部の血管が拡張し、頭痛が誘発されます。
週末や仕事後などのタイミングでホッとした時、リラックスしている時など、緊張から解放されたときに起こることもあります。緊張しているときは交感神経が作用して血管が収縮していますが、緊張から解放されたときには交感神経の作用が弱まり、結果的に血管が拡張することが原因です。
女性では、月経周期と関連して頭痛発作が起きる場合もあります。月経時は血管が拡張気味のため頭痛を起こしやすくなります。ほかにも、チョコレートや柑橘類、発酵食品、揚げ物などで頭痛が起きる方もいます。このような頭痛の症状を「食事性偏頭痛」と呼びます。
関連記事:頭痛の原因|種類によって痛む場所は違う?対処法や外来での治し方
片頭痛の診断基準
頭痛は拍動性、片側性が多い
片頭痛の痛みはズキンズキンというような拍動感のある痛みになります。拍動に合わせて動脈が押し広げられ、そのたびに痛みを伴います。このズキンズキンとした頭痛は、出始めてからピークにむかうときに強く感じますが、ピークを過ぎるとだんだんと弱くなっていくのも特徴です。
片頭痛は必ずしも片側だけに痛みが出るとは限りません。痛みに左右差がある頭痛と認識しておいた方がいいでしょう。
動作により頭痛が増強し、日常生活に支障をきたす場合が多い
ズキンズキンとした痛みが、歩行や階段昇降といった日常的な動作により強まったように感じます。あまりの痛みに動くことができず、仕事や勉強が手につかなくなり、寝込んでしまうこともあります。
悪心、嘔吐を伴う場合がある
片頭痛発作時に悪心(吐き気)や嘔吐を伴うことがあります。これら悪心や嘔吐の原因は、片頭痛発作時に胃腸の蠕動運動に乱れが出て、逆蠕動が起こりやすくなるためと言われています。
発作時は光過敏、音過敏、嗅覚過敏などの過敏症が現れることがある
片頭痛発作時に、周囲の音や光、ニオイなどに敏感になります。普段は気にならないような音、光、ニオイに対して不快と感じられ、これらの刺激があると頭痛が強まったように感じます。
頭痛発作の前に前兆を伴うことがある
片頭痛には「前兆がある片頭痛」と「前兆がない片頭痛」の2タイプがあります。最も多い前兆症状として、目がチカチカしギザギザした光のようなものがあらわれ目の前が見えづらくなるという閃輝暗点があります。これらの前兆が5分〜60分前にあらわれ、前兆が続いた後に頭痛が始まります。
発作性の頭痛である
片頭痛は痛みが継続してだらだらと続くものではありません。4〜72時間持続する発作が周期的に起こります。発作のタイミングや頻度には個人差があり、痛みが出る日とそうではない日がはっきりと分かれています。
関連記事;頭痛で吐き気やめまいがする原因と対処法や、こわい頭痛の見分け方!
片頭痛の特徴
若い時期に発症する
10代後半〜20代前後と若いうちに発症、遅くとも30歳までに発症します。50歳前後から加齢とともに、痛みが軽減または消失する傾向にあります。
遺伝的傾向が強い
遺伝的傾向が強く認められる頭痛です。母親に片頭痛がある場合、その子どもの40〜50%程度に片頭痛があらわれます。隔世遺伝で片頭痛があらわれる場合もあります。
妊娠中は症状が軽くなる
片頭痛は女性に多いのも特徴です。妊娠中においては、約80%の方が頭痛が軽くなります。ただし出産後は約半数の女性で再び頭痛があらわれ、授乳期間が終わると再び頭痛があらわれることが多いです。
片頭痛の治療薬・予防について
片頭痛であっても痛みが軽い場合は、市販の鎮痛剤で十分に効果を感じられます。普通に生活できている場合には、医療機関を受診する必要はありません。しかし、服用しているが効果を感じられない、毎日服用しているといった場合は受診をおすすめします。
医療機関へ行った際、片頭痛の治療薬としてトリプタンを処方されることが多いでしょう。また、片頭痛の予防療法に使用される薬として、β遮断薬、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬などがあります。いずれにしても医師の診断を受けた上で服用するようにしてください。
関連記事:腹痛と頭痛が同時に起こる病気は?自律神経失調症の恐れあり
まとめ|夜間頭痛の対応フロー
夜間に偏頭痛が起きた場合の対応を3つに整理します。
- 救急サインを確認する
今まで経験したことのない激しい痛み/手足の麻痺・痺れ/発熱を伴う/数週間で悪化 → 迷わず救急へ - 救急でなければ自宅で対処する
暗い静かな部屋で安静/カフェイン摂取/頭痛日記をつける - 迷ったら我慢せず早めに受診する
いつもと様子が異なる頭痛は片頭痛以外の病気が隠れている可能性があります。夜間・休日はPIT DOCTOR(木・金・土 19:00〜24:00 / 日・祝 10:00〜17:00)へお気軽にご連絡ください。
片頭痛にはさまざまな要因が隠れており、痛みや症状なども個人によって大きく差があります。今まで経験したことのないような痛みや、いつもと様子が異なる頭痛だと感じた場合は、ご自身で判断せずに医療機関を受診してください。
FAQ
偏頭痛についてよくある質問
偏頭痛で救急に行くべきなのはどんなときですか?
偏頭痛の発作が起きたらどう対処すればいいですか?
偏頭痛は市販薬で対処してもいいですか?
PIT DOCTORでできる対応
夜間・休日の急な頭痛もお気軽にご連絡ください。
木・金・土:19:00〜24:00 / 日・祝:10:00〜17:00
当院で対応できる場合
片頭痛の診断とともに、痛みの程度に応じて鎮痛剤などを処方することができます。中長期的なコントロールが重要な頭痛がほとんどですので、外来診察を推奨します。
専門病院への受診が必要な場合
痛みの頻度や程度が増してくる頭痛や、経験したことのないような痛みの場合は、二次性頭痛(何らかの病気により発生している頭痛)である可能性があります。少しの診断や治療の遅れが命取りになる病気の可能性もあるため、救急車を呼ぶことを検討してください。「救急に行くべきか判断できない」という場合もお気軽にご相談ください。