あせもの原因とは?治し方や予防法について徹底解説
投稿日: 2024年06月18日 | 更新日: 2024年10月21日
『あせも』のかゆみで不快感を覚え、よく眠れなかった…なんて経験ありませんか?
暑い季節や運動後などの体温が上昇しやすい状況では、皮膚の表面に汗が溜まりやすくなり、あせもの原因となります。
今回は、あせもの原因や治し方などについてご紹介いたします。
目次
あせもとは?
あせもは、主に皮膚の摩擦や湿気によって引き起こされる皮膚トラブルの一つです。
暑い環境で多量に汗をかいたり、衣服などの摩擦が起こることで、毛穴が詰まりやすくなります。
その結果、発赤や小さな水ぶくれ、かゆみなどの症状が現れます。
乳幼児から高齢者だれにでも起こり、汗をかきやすい人や皮膚が敏感な人には良くみられる皮膚疾患です。
関連記事:子どもが汗疹(あせも)になったときはどうすればいい?治し方や湿疹との違い・対策法について
あせもの原因
過剰な発汗
過剰な発汗はあせもの主な原因の一つです。
暑い環境や運動などの身体活動により、体温を下げるために汗腺が刺激され、大量の汗が分泌されることがあります。
この過剰な発汗で、皮膚表面に過剰な水分を残し、毛穴が詰まることで炎症を引き起こしあせもが発生するのです。
特に湿度の高い環境や通気性の悪い衣服を着用している場合に、この問題が起こりやすくなります。
湿度の高さ
湿度が高い環境では、汗が蒸発しにくくなるため皮膚表面に汗が滞留しやすくなります。
この湿った状態が続くと毛穴が詰まりやすくなり、あせもの発生を促進します。
特に夏の湿度が高い地域や季節や部屋でエアコンが効いている部屋などの密閉された環境で発生しやすいでしょう。
エアコンや扇風機を上手に活用して湿度を下げ、涼しい環境を保つことがあせもの予防に効果的です。
皮膚の清潔が保たれていない
皮膚の清潔が保たれていないと、あせものリスクが高まります。
汗や皮脂、さらには細菌が皮膚表面に蓄積すると、毛穴が詰まりやすくなります。
特に、暑い環境下で汗をかいた後や運動後、皮膚が湿ったままで清潔に保たれない場合に、あせもが発生しやすいです。
摩擦
皮膚が密着した状態で摩擦が生じる場合、服の摩擦や皮膚同士のこすれ合ことで摩擦によって皮膚の表面が傷つきます。
そこに汗や皮脂がたまりやすくなった結果、あせもが発生します。
特に運動や活動中など、摩擦を引き起こす状況である場合に、この問題が顕著になるので注意が必要です。
衣類はタイトなものは避け、柔らかい通気性の良い素材でゆとりのある衣類を選ぶようにすると良いでしょう。
汗腺の詰まり
過剰な汗が分泌されると、汗腺から出た汗が毛穴や細い管を通って皮膚表面に排出されます。
しかし、この過剰な汗により毛穴が詰まることがあります。
その結果、汗が皮膚内部に留まり、炎症を引き起こしてあせもが発生するのです。
特に摩擦の多い部位や通気性の悪い服を着用している場合、この問題がより顕著になります。
大人もあせもになる?
あせもは特に暑い季節や湿度の高い環境でよく見られますが、年齢や性別に関係なく誰にでも発生する可能性があります。
大人でも運動や活動によって過剰な汗をかくことや、皮膚の摩擦、湿度の高い環境に長時間さらされることなどが原因となって、あせもが発生することがあります。
関連記事:手足口病の症状は?潜伏期間やうつる確率についても解説
あせもの治し方は?
皮膚を清潔にする
あせもを治すためには、皮膚を清潔に保つことが重要です。
汗をかいた後は、早めにシャワーを浴びて汗や汚れをしっかりと流すことで、毛穴の詰まりを防ぎ、あせもの悪化を防ぐことができます。
シャワーを浴びる際はぬるま湯を使ってやさしく洗うようにしましょう。
洗浄力の強すぎる石けんは避け、肌に優しい成分のものを使用すると皮膚の乾燥を防ぐことができ、治りを早める効果を期待することができます。
摩擦を避ける
あせもの部位には摩擦を与えないようにしましょう。
ゆったりとした服を着用し、特にあせものある部位を優しく扱います。
また、通気性の良く、肌触りの良い綿素材の服を選ぶのがおすすめです。
衣類だけでなく、ベッドリネンやタオルも柔らかい素材のものを選ぶことで、さらに肌への刺激を減らすことができます。
また、患部を布で覆うなどして直接の摩擦を避けることも効果的です。
患部を冷やす
あせもの出来た部分を冷やすことで炎症やかゆみを和らげることができます。
冷たいタオルやアイスパックを軽く当てると、患部の熱を取って炎症を抑えます。
ただし、直接氷などを肌に当てると刺激が強すぎるため、冷やす際は必ずタオルなどに包んで使用しましょう。
冷やすことでかゆみを抑えることができますが、過度に患部を冷却してしまうと逆効果になることがあるため、適度な時間で行うことが大切です。
市販薬の使用
市販薬を使用することも、あせもを治す方法のひとつです。
抗炎症成分や殺菌成分が配合されたクリームや軟膏はあせものかゆみや炎症を和らげる効果があります。
かゆみが強い場合はステロイド外用薬も有効です。
しかし、ステロイド外用薬を使用する際は医師または、薬剤師に相談してからの使用が望ましいでしょう。
また、市販薬をしようしても症状が改善されない場合や、悪化する場合は、早めの専門医への受診が必要になります。
あせもの予防法
適切な衣服を選ぶ
あせもの予防には、通気性が良く、吸湿速乾性のある衣類を選ぶことが重要です。
通気性が良く、吸湿性に高い綿やリネン素材の衣服を着ると、汗を速やかに吸収し快適な状態を保つことができます。
タイトな服や化学繊維の衣服は、汗が蒸発しにくく、あせもを引き起こしやすいため避けたほうが良いでしょう。
特に暑い時期には、ゆったりとしたデザインの衣服を選ぶことで、皮膚の通気を確保することができるためおすすめです。
適度な保湿
適度な保湿を行うこともあせもの予防には効果的です。
乾燥した肌は汗腺が詰まりやすくなり、あせもができやすくなります。
保湿クリームやローションを使用して肌のうるおいを保つことが大切です。
特に保湿効果のある成分を含むローションやクリームを選ぶと良いでしょう。
しかし、保湿のしぎは禁物です。
保湿剤を使用しすぎて肌がべたついた状態だと、逆に汗がこもりやすくなるため注意が必要です。
適量を使用し、肌がさらっとした状態を維持できるように保湿を行いましょう。
温度と湿度の管理
室温や湿度を適切に管理することで、あせもの発生を防ぐことができます。
エアコンや扇風機を使用して湿度を下げることで汗をかきにくい環境を作ることが可能です。
湿度が高いと汗を蒸発しにくくさせるため、除湿器やエアコンのドライモードを使用して湿度を50~60%程度に保つと効果的です。
夏場や梅雨時期には特に意識して管理することがあせもを予防するための重要なポイントとなります。
通気性の良い寝具を使用する
通気性の良い寝具を使用することで、汗の蒸発を促進し、あせもの発生を防ぐことができます。
人間は寝ている間にたくさんの汗をかきます。
寝具が通気性に優れていると汗が溜まりにくくなるため、通気性のよい寝具の使用もおすすめです。
綿や麻など、吸湿性に優れた素材のシーツやまくらカバーを使用し、定期的に選択を行うことで皮膚トラブルの予防することが可能です。
直射日光を避ける
直射日光を避けることも、あせもを予防するためには大切です。
強い日差しの下で長時間過ごすと体温が上昇し、大量に汗をかく原因となります。
特に夏場の日中は日陰を選んで歩くか、帽子や日傘を利用して直射日光から肌を守りましょう。
服装とともに日差しを避けることが重要です。
また、外出後は早めにシャワーで汗を流しましょう。
すぐにシャワーできない場合は、肌に優しい素材のタオルなどでやさしくふき取るようにしましょう。
運動時はこまめに休憩をとる
運動中は汗をかきやすいため、こまめに休憩をとり、水分補給を行うことが重要です。
汗をかき続けると汗腺が詰まりやすくなります。
適度に休憩をとることで体を冷まし、汗の分泌をコントロールします。
運動中は水分補給を行い、適度に汗を拭きとる習慣をつけると良いでしょう。
また、運動後はすぐにシャワーを浴び汗を洗い流すことであせもの発生を大幅に減らすことができます。
関連記事:流行中?麻疹(はしか)ってどんな病気?治療や予防方法は?
あせものご相談なら家来るドクターまで
家来るドクターでは、往診・オンライン診療による医師へのあせものご相談が可能です。
往診では、医師の診察後にあせもに対する薬をご自宅で処方することも可能です。
オンライン診療でも、診察後に処方箋もしくはご自宅への配送という形でお薬の処方を行っております。
お子様やご自身にあせもの疑いがある症状が現れた際は、まずはお気軽に家来るドクターへご相談ください。
【まとめ】あせもは予防が肝心
あせもは暑い季節や湿度の高い環境で起こりやすく、予防が重要です。
清潔を保ち、適切なケアをすることで、あせもの発生を防ぐことができます。
参考文献
日比谷ヒフ科クリニック「大人も発生するあせも。自分で出来る予防法も解説」
肌育研究所「敏感肌の方は要注意!あせもの原因や見分け方、予防法を紹介」
ヒロオカクリニック「あせも(汗疹)の治し方とは?原因・予防法など解説」
ヒフノコトサイト「『あせも(汗疹)』の原因・症状・治療法【症例画像】」
執筆者
経歴
- 名古屋市立大学 卒業
- 豊橋市民病院 初期研修医勤務
- 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
- 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
- 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
- 西春内科・在宅クリニック 副院長
- 横浜内科・在宅クリニック 院長
- >>詳しいプロフィールはこちらを参照してください。