頭痛の原因|種類によって痛む場所は違う?対処法や外来での治し方
投稿日: 2023年08月31日 | 更新日: 2024年08月06日
頭痛が辛い時には動くことも億劫になりますし、脳卒中などの重症な病気ではないかと不安に思うことと思います。
一般的に頭痛はその原因によって痛む場所や特徴が異なります。
この記事では頭痛の主な種類を原因や痛みの特徴、場所などにわけて詳しく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
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目次
頭痛は種類によって痛む場所が違う?
頭痛は原因となる病気の種類によって、痛む場所に特徴があります。
一般的には右や左の側頭部、おでこ、目の奥、前頭部に起こることが多いです。
また肩こりなど頭とは関係ないと考えられる部位にも症状が出ることもあります。
さらに痛みの場所だけでなく、痛み自体も原因によって特徴が異なります。
頭痛は大きく2種類に分けられています。
1つ目が一次性頭痛であり、頭痛以外の他の病気がない頭痛で特に大きな心配はありません。
2つ目が二次性頭痛で他の病気が原因で発生した頭痛のことを指します。
例えば、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎などの重症な病気が含まれます。
これらの頭痛は症状の出方、痛みの部位・特徴から原因となる病気を推測し、治療に役立てることができます。
そのため、頭痛が出たときには自分の症状についてしっかり把握しておくことが大切です。
関連記事:こめかみの頭痛が1週間続くときの原因は?|治し方を解説
一次性頭痛について
ここから脳卒中などの他の病気が原因ではない一次性頭痛について解説していきます。
一次性頭痛には次のような病気があります。
片頭痛
片頭痛は、頭の片側が激しく痛むことが特徴です。
痛む場所は片側だけで、しばしば目の周りやこめかみ、耳の後ろ側が痛みます。
また、光や臭い、音に敏感になること、吐き気や耳鳴り、倦怠感やめまい、眠気、寒気などの症状がでることもあります。
痛みはズキンズキンと拍動するような痛みであることが多いです。
また寝過ぎたときや天気が悪いときに症状が悪化したり、腹痛など別の部位の痛みが出ることもあります。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、おでこの両側で締め付けられるように鈍い痛みを感じることが多いです。
頭全体に広がるような痛みで、特定の場所に限定されることは少ないです。
ストレスや睡眠不足、肩こりなどが原因となることが多い病気です。
群発頭痛
群発頭痛は、非常に強い片側の頭痛が発作的に繰り返されることが特徴です。
1ヶ月程度の期間、毎日のように、片方の目の奥が激しく痛みます。
特に20〜30歳台の若い男性に多くみられます。
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二次性頭痛
二次性頭痛は、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎などの病気で起こる頭痛のことを言います。
二次性頭痛の原因となる病気はたくさんあります。
今回は上に挙げた病気について原因や痛みの場所、特徴などについて解説していきます。
くも膜下出血
脳の血管が破裂することによって脳の表面にあるくも膜の下に血液がたまる病気です。
主な原因として、脳動脈瘤の破裂があります。
動脈瘤とは脳の中の動脈の一部が膨らんで”こぶ”のようになってしまう状態です。
この膨らんだ部分は薄く破れやすくなっているため、破裂し、くも膜下出血を引き起こすことがあります。
症状の特徴は突然発症する急激な頭痛です。
血管が破れることによって発症するので、突然”バットで殴られたような”急激な頭痛を起こします。
頭痛が起こる部位に特に傾向はありませんが、頭痛の他に吐き気や嘔吐、意識障害といった症状が現れることが特徴です。
くも膜下出血は非常に重症で緊急性の高い病気です。
病気になって後遺症なく治る方は1/3程度と言われています。
1/3の方は後遺症を残し、もう1/3の方は寝たきりや死亡に至ってしまうと言われています。
そのため、頭痛が突然起こり、具合が悪い時には緊急で病院を受診するようにしましょう。
脳出血
脳出血も脳の血管が破れることによって起こる重症な病気です。
高血圧などの生活習慣病で動脈硬化が進行することによって脳の血管が硬くなり、破裂してしまうことが主な原因です。
脳のあらゆる部位に起こり、頭痛の他に麻痺や、しゃべり辛さなどの多くの症状を出します。
また、脳幹という部分で出血してしまった場合には生命を維持する重要な機能が障害されてしまうので昏睡状態など意識状態が悪くなってしまう場合もあります。
くも膜下出血と同じように非常に緊急性の高い病気です。
急な頭痛で麻痺などの脳神経の症状がある時にはすぐに病院を受診するようにしましょう。
脳腫瘍
脳の中に腫瘍ができることによって頭痛を起こします。
脳腫瘍による頭痛の原因として腫瘍によって脳自体が圧迫されることや脳の中の圧力(脳脊髄圧)が上昇すること、脳に浮腫が及ぶことなどが挙げられます。
頭痛の部位に特徴はないのですが、長期間に及ぶ慢性的な頭痛、朝に悪化することなどがあります。
これは腫瘍が徐々に大きくなることや、脳の圧力が朝に高くなりやすいためです。
また、頭痛以外にも脳が圧迫されることにより吐き気や嘔吐、けいれん発作、手足のしびれ、麻痺などの症状を起こすことがあります。
これらの症状がある場合には早めに精密検査を受けて診断をつけることが肝心です。
髄膜炎
髄膜と呼ばれる脳や脊髄を覆っている膜が細菌やウイルスの感染によって炎症を起こす病気です。
頭痛の部位に特徴はありませんが、首を曲げるなどの髄膜が刺激される姿勢は痛みのためできなくなることが特徴です。
また頭痛以外にも高熱や意識状態の悪化、嘔気、嘔吐、けいれんなどの症状を伴うことが多いです。
頭痛の際には上記症状にも注意するようにしてください。
髄膜炎も非常に緊急性の高い病気です。
診断のためにはCTやMRIなどの画像検査だけではなく、腰から針を刺して脊髄の液体を採取する検査が必要です。
治療は細菌やウイルスなどの原因に応じて薬剤を投与します。
関連記事:【激しい頭痛】くも膜下出血の原因や危険な前兆とは?対処法について
頭痛の対処法
頭痛があるときには原因の特定がまず必要です。
特に緊急性の高い病気が原因である二次性頭痛の場合には早く診断して治療することが大事です。
そのため頭痛以外の症状を確認しましょう。
二次性頭痛の場合には発熱、意識障害、けいれん、手足の麻痺、しゃべりづらさなどの症状がでることが多いです。
そのため、これらの症状があるときには、安静にして緊急で病院を受診するようにしましょう。
頭痛以外の症状がない場合や、いつもと同じ頭痛の場合には、ご自分で対処しても大丈夫です。
まずは横になり安静をするようにします。
我慢できないほどの痛みの場合には市販薬、もしくはあらかじめ処方されているお薬を内服しましょう。
ほとんどの頭痛はこれでよくなりますが、日常生活に支障がある場合や吐き気などで食事・水分も取れない方は病院を受診することがおすすめです。
また頭痛に対処するだけでなく、起こさないように普段からストレスを溜めないようにしたり、肩こり対策としてストレッチやヨガを取り入れ、十分に睡眠をとるようにすることが大切です。
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頭痛に漢方は効果があるのか
頭痛に漢方薬が効果があるかはご本人の体質、痛みの原因など多くの要因が関係するので意見が分かれているところです。
漢方薬は中国の医学が由来で、複数の天然成分からなるお薬です。
一般的な鎮痛薬と比べて副作用が少ないと考えられています。
しかし、薬の効果や頭痛がよくなるメカニズムについてはまだ明らかになっていないのが現状です。
葛根湯や五苓散、呉茱萸湯など頭痛に効能がある漢方薬はあるので頭痛でお悩みの方は試してみる価値はあるでしょう。
使用の際には内服の注意点、副作用などもあるので、できるだけ医師の診察を受け処方してもらうことがおすすめです。
関連記事:片頭痛の原因や治し方を解説|おすすめの市販薬も紹介
病院での治療について
何科に行けばいいのか
多くは神経内科や脳神経外科などの神経系に特化した診療科を受診します。
頭痛外来や頭痛専門の診療科がある病院もあります。
また、一部の病院では内科や整形外科でも頭痛に対応する場合があります。
どんな検査・治療をするのか
まず医師による問診と身体診察が行われます。
一次性の頭痛が考えられ、緊急性が高くない場合にはそれ以上の検査はなくお薬が処方される場合もあります。
検査が必要と判断された時には血液検査、CTやMRIなどによる画像検査が行われます。
一次性の頭痛の場合には鎮痛薬が処方されます。
二次性の頭痛の場合には原因に応じて治療が行われます。
頭痛外来の特徴
頭痛外来は、頭痛に特化した診療部門です。
頭痛の中では診断が難しいものや、症状がなかなかよくならない難治性のものがあります。
頭痛外来ではこのような頭痛に悩む患者さんに対して適切な診断と治療を行うことができます。
頭痛に特化して専門的な治療ができるので、慢性的な頭痛で悩んでいる方は一度ご相談してみることをお勧めします。
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家来るドクター(往診)での対応方法
軽い頭痛であれば市販薬を内服して休養することで改善することが多いです。
しかし頭痛の中には重症な二次性頭痛が隠れていることもあるので医療機関への受診が必要な場合もあります。
家来るドクターでは、夜間休日の急な体調不良の際にお電話での医療相談・往診を行っています。
- 急な頭痛で日常生活にも支障が出ている。
- バットで殴られたような痛みが出た。
- 頭痛以外に吐き気や、手足のしびれなどの症状がある。
などの場合はお気軽に家来るドクターへご相談ください。
医師の判断のもと最適な医療をご提供いたします。
往診ではまず診断をするために問診と身体診察を行います。
一次性の頭痛と考えられる時には内服や必要によって点滴で治療を行います。
しかし、症状がひどい場合や、二次性の頭痛が考えられる時には近隣の専門医への紹介を行っています。
症状が早く改善するように、治療に当たりますので、心配な症状がある時にはぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ
今回は、頭痛の主な種類を原因や痛みの特徴、場所などにわけて解説しました。
頭痛はさまざまな原因によって引き起こされ、痛みが辛い時には動くことも億劫になってしまいます。
緊張型頭痛や片頭痛などの緊急性の低い一次性の頭痛ではお薬を使って様子をみても大丈夫です。
しかし、頭痛以外の発熱、手足の麻痺、意識障害などの症状があるときには緊急性の高い病気が原因である二次性頭痛を考える必要があります。
頭痛がひどくでかけることができない、症状がひどく心配であるといった場合には往診の利用がお勧めです。
家来るドクターでは病院にいくことが難しい場合でも、往診を行うことが可能です。
お困りのことがございましたらいつでもご相談ください。
参考文献
‣日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会|頭痛の診療ガイドライン2021
執筆者
専門領域
股・膝関節
資格・業績
日本整形外科学会整形外科専門医
医学博士
2017年 第66回東日本整形災害外科学会 学術奨励賞受賞
2019年 第68回東日本整形災害外科学会 学術奨励賞受賞
経歴
- 名古屋市立大学 卒業
- 豊橋市民病院 初期研修医勤務
- 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
- 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
- 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
- 西春内科・在宅クリニック 副院長
- 横浜内科・在宅クリニック 院長
- >>詳しいプロフィールはこちらを参照してください。