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めまいの原因や病気と重症度の見分け方、対処方法について解説

投稿日: 2021年07月31日 | 更新日: 2024年08月02日

めまいについて

 

「めまい」は救急外来や家来るドクターを利用される患者さんが訴える症状の中でもとても多い症状です。

 

めまいの原因は多岐にわたり、軽いものから重いものまで様々なものがあります。

 

今回は、その原因や対処方法、注意すべきめまいなどについて医師が解説します。

 

 

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そもそもめまいとはどんな症状か?

 

 

一般的に、「めまい」は以下の2つに二つに大きく分けられます。

 

 回転性めまい:自分や周囲の景色がぐるぐる回るようなめまい。

 浮遊性めまい:地に足がついていないようなふらふらとする動揺感のあるめまい。

 

その他に、以下などの症状がめまいと表現されることもあります。

 

  • 目の前が暗くなる感じ(眼前暗黒感)
  • 船に乗っているようにゆれるなどの平衡感覚の異常感
  • 頭がファーっとする感じ
  • 脳血流の減少による症状
  • まっすぐ歩けない・ふらふらする

 

めまいに合併する症状としては、吐き気が多いですが、以下のような症状がみられる場合もあります。

 

めまいの随伴症状(何らかの症状に伴って起こる症状)

  • 吐き気
  • 耳鳴り・難聴
  • 麻痺
  • しびれ
  • 動悸
  • 強い不安

 

関連記事:めまいはストレスが原因?何科に行けばいい?合併しやすい症状について解説

 

めまいの原因として考えられる病気

 

 

一口に「めまい」と言っても、その原因は多岐にわたります。

 

臨床医は診断する際、これらの原因を考えながら、症状を観察し、診察を行っていきます。

 

  • 良性発作性頭位めまい症
  • メニエール病
  • 前庭神経炎
  • 突発性難聴
  • 中耳炎などの炎症性疾患

 

脳・神経

  • 脳出血(小脳/脳幹)
  • 椎骨脳底動脈循環不全
  • 片頭痛
  • 脱髄疾患
  • 脳腫瘍
  • 神経変性疾患
  • 脊髄疾患
  • 末梢神経障害

 

心臓

  • 高血圧
  • 不整脈
  • 起立性低血圧
  • 心拍出量の低下

 

こころ

  • 過換気症候群
  • 不安神経症

 

その他

  • 貧血
  • 低血糖
  • 薬の副作用など

 

めまいを診察する主な診療科は耳鼻咽喉科、脳神経内科、内科などです。

 

めまい全体としては、耳の病気である頻度が高く、回転性めまいでは特に耳が原因であることが多いです。

 

約50%が良性発作性頭位めまい症(BPPV)という病気であると言われています。

 

この良性発作性頭位めまい症のめまいでは頭や体を動かした時にめまいがひどくなり、横になり安静にしていると改善するという特徴があります。

 

 

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めまいの重症度の見分け方について

 

 

安静にしていてもめまいが改善しない場合や以下のような症状がみられる場合は、脳・神経の病気や心臓の病気などの緊急性の高い病気の可能性があるため、病院への受診を考慮します。

 

  1. 1.麻痺やしびれ、感覚障害などがある場合
  2. 2.失調(距離感がつかめない、物をうまく取ることができない)、構音障害(うまくしゃべれない)、歩行障害がある場合
  3. 3.激しい頭痛がある場合
  4. 4.胸痛や脈の乱れがある場合
  5. 5.便に血が混じる、血を吐いたなど出血がある場合

 

1.2.3. は脳梗塞や脳出血など脳・神経の病気が疑われます。

 

4. は心臓の病気、5. では出血による貧血などが考えられます。

 

このような場合は緊急性があり、すぐに診察が必要なため、救急病院の受診を考えてください。

 

まずは身体診察、随伴症状、神経診察などから原因を推察し、必要に応じて画像検査(CTやMRI)、血液検査、心電図検査などが行われます。

 

最も頻度が高い良性発作性頭位めまい症の場合は、決まった順番に頭や体の向きを変えるめまい体操(Epley法、Semont法)が有効な場合があります。

 

また急に頭を動かしたり、起き上がる、ふりむくなど、頭の向きが変わる動作をさけることで症状が軽減します。

 

 

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めまいの原因と対処方法|まとめ

めまいは、健康な人でも日常生活のなかでよく経験する症状です。

 

ベッドに横になり安静にすること、生活リズムを整えることで改善・消失する場合がほとんどです。

 

一方で脳梗塞・脳出血や心筋梗塞など、緊急で治療が必要な疾患の一症状となっている場合もあります。

 

思い当たるような原因がなく、安静にしても症状が続く場合やめまい以外の症状を伴う場合(麻痺・しびれ・失調・一過性意識消失・胸痛など)には病院への受診を検討してください。

 

参考文献

▶森若 文雄 田代 邦雄. めまいと失神: 診 断と治療の進歩. 日本内科学会雑誌84(4),505-511,1995-04-10 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika1913/84/4/84_4_505/_pdf/-char/ja

▶城倉 健:脳卒中とめまい.日本医師会雑誌 134 : 1485―1490, 2005.

執筆者

横浜内科・在宅クリニック 院長 朝岡 龍博

経歴

  • 名古屋市立大学 卒業
  • 豊橋市民病院 初期研修医勤務
  • 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
  • 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
  • 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
  • 西春内科・在宅クリニック 副院長
  • 横浜内科・在宅クリニック 院長
  • >>詳しいプロフィールはこちらを参照してください。
放射線診断専門医 不破 英登

経歴

  • 医師,放射線診断専門医
  • 2009年 愛知医科大学卒業
  • 2009年 津島市民病院
  • 2011年 名古屋第二赤十字病院  放射線科
  • 2016年 名古屋市立大学病院  放射線科
  • 2018年 豊田若竹病院  放射線科
  • 2018年 家来るドクターJAPAN株式会社 顧問医師
  • 2021年 YKR medical consult代表就任 

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