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アセトアミノフェンの重大な副作用とは?効果と併せて解説

アセトアミノフェン

 

まず質問です!

 

あなたが急に熱が出たとき、どんな解熱薬を使いますか?

 

また頭が痛くなったりした時はどんな鎮痛薬を使いますか?

 

多くの人は『ロキソニン』と答えるのではないでしょうか。

 

もちろん正解です!! 

 

人間が病気になるということはだいたい熱がでるか、どこかしらが痛くなるかです。

 

この点ロキソニンは万能薬といっていいと思いますし、成人の方は一度は飲んだこともある方は多いと思います。

 

実は解熱薬と鎮痛薬は同じなんですよね。

 

ただこの万能薬にも欠点があり、小児には使えないことであったり、ロキソニンの使用が推奨されない人がいることがありました。

 

なので小児に対しては解熱鎮痛薬として『アセトアミノフェン』=『カロナール(商品名)』が使用されています。

 

成人に対してもロキソニンよりもアセトアミノフェンを安全を考慮され使用されることも多く認めるようになりました。

 

しかし、比較的安全と考えられていたアセトアミノフェンですが、2023年1月に添付文書上に重大な副作用(薬剤性過敏症症候群)が追加されました。

 

今回はアセトアミノフェンの効果について改めて解説し、この薬剤性過敏症症候群についても、できるだけ分かりやすく解説できたらと思います。

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アセトアミノフェンとは

 

アセトアミノフェンはアニリン系解熱鎮痛薬(非ピリン系)に分類される解熱鎮痛薬です。

 

主に小児に対して用い、他の解熱鎮痛薬と比べ副作用が少ない薬になります。

 

アセトアミノフェンの効果

 

熱を下げる解熱作用痛みを抑える鎮痛作用があります。

 

内服してから15分程度で血中濃度が上昇し、30分程度で最高潮に達します。

 

4~6時間程度で効果が薄れていくため、必要であればこのタイミングでの追加内服がいります。

 

解熱剤

 

 

アセトアミノフェンの種類

 

形状としては以下など小児でも対応できるように色々あります。

 

  • ドライシロップ
  • 細粒
  • 錠剤
  • 座薬

 

カロナール、コカール、アンヒバ、アルピニーと商品名は色々あります。

 

またそれぞれが〇〇mgなのかを知っておくことは非常に重要です。

 

インフルやコロナでも効果はある?

 

もちろんインフルエンザウィルスやコロナウィルスに罹患した発熱に対しても効果はあります。

 

抗生剤と言われる抗菌薬でも抗ウィルス薬でもないので、根本的な治療にはなりません。

 

ですが、発熱や解熱を和らげる効果があるので重宝されます。

 

インフルエンザに関しては、ロキソニンの使用は『インフルエンザ脳症』のリスクを上げてしまいます。

 

そのため、解熱鎮痛薬としてはアセトアミノフェンが強く推奨されています。

 

アセトアミノフェンの副作用

 

アセトアミノフェン

 

アセトアミノフェンには副作用として、頻度はごく少数ですが以下などがあります。

 

  • 悪心・嘔吐
  • 食欲不振
  • チアノーゼ
  • 血小板減少

 

また重大な副作用としては以下があります。

 

  • アナフィラキシーショック(呼吸困難、蕁麻疹など)
  • 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis :TEN)
  • 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
  • 急性汎発性発疹性膿疱症
  • 喘息発作の誘発
  • 劇症肝炎
  • 肝機能障害
  • 顆粒球減少症
  • 間質性肺炎
  • 急性腎障害

 

難しい名前ばかりではありますが、頻度は限りなく少なく、基本的にはアレルギー症状であったり、内服後に生じる症状が多いので体の異変に気付かないことは少ないかと思われます。

 

ロキソニンなどのNSAIDsとの大きな違いとすれば、アセトアミノフェンの方が肝機能障害を起こす可能性が高く、何らかの肝機能障害がもともとある方には避ける方が望ましいとされています。

 

追加された重大な副作用、『薬剤性過敏症症候群』とは?

 

アセトアミノフェン

 

 

実は2023年1月に重大な副作用として『薬剤性過敏症症候群(Drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)』が追加されました。

 

これは高熱と多臓器障害を伴う重症薬疹(*1)のことで、命を脅かす危険な病気になります。

 

症状としては、以下のようなものが認められます。

 

 

多臓器障害

 

 

体にある色々な臓器の障害のことで腎障害、糖尿病、脳炎、肺炎、甲状腺炎、心筋炎など

 

 

皮膚症状

 

 

口周りの紅色丘疹、膿疱、小水疱、鱗屑は特徴的であり、顔面の浮腫を認めたり、粘膜症状としては発赤、点状紫斑、軽度のびらん

 

 

その他症状

 

 

リンパ節腫脹、発熱、異形リンパ球の出現、好酸球増多

 

 

今までは限られた医薬品(抗てんかん薬、ジアフェニルスルホン、サラゾスルファピリジン、アロプリノール、ミノサイクリン、メキシレチンなど)においての報告でした。

 

発症までの内服期間は2~6週間程度の継続内服で生じることが多くあります。

 

近年になりDIHS(*2)発症後、2~4週後にヒトヘルペスウィルス6(human herpesvirus 6:HHV-6)の再活性化がみられることがわかってきました。

 

今までは疑わなければ診断することは難しい病気ではありました。

 

現在では病気の認知度も高まったこともあり、診断されるケースも増えてきました。

 

 

重症薬疹(*1)=薬疹とは、薬によって生じる発疹のこと。原因になった薬の服用などを中止しても反応が止まらず悪化していくものを重症薬疹という。

 

DIHS(*2)=抗けいれん薬などの比較的限られた薬剤により引き起こされ、 発熱や多臓器障害を伴う重症型薬疹の1つ

 

 

 

アセトアミノフェンとその他市販薬の違いは?

 

アセトアミノフェン

 

アセトアミノフェン含め、他の解熱鎮痛薬は薬局などで手軽に手に入る時代です。

 

いくら万能薬といえども、適切な使用方法を知らなければ重大な副作用をきたす可能性があります。

 

今から認知度の高い薬について詳しく解説していきますね。

 

カロナールとの違い

 

解熱剤

 

カロナールとはアセトアミノフェンの商品名になります。

 

医療現場ではほぼ同義で使用されることが多いです。

 

小児に対して主に使用され、1回あたり10~15mg/kgで使用し、投与間隔は4~6時間以上開けて使用します。

 

粉薬であれば、細かく容量を調節できます。

 

錠剤だとカロナール200mg、300mg、500mgなどの種類があり、体重に合わせて容量を選びます。

 

また乳幼児だと内服が難しいこともあり、アルピニー座薬やアンヒバ座薬といった座薬もあります。

 

座薬を嫌がる子もたくさんいますが、発熱時に疲弊しているときに子供に粉薬でも飲ませるのはすごく大変ですので、そのような子には良い適応と考えます。

 

決して難しいことではないので、不安な方はYoutubeなどで一度検索してみてください。

 

◆【医師監修】解熱剤が効かない?解熱剤の種類と使うタイミング、効果や副作用について

 

ロキソニンとの違い

 

ロキソニン

 

ロキソニンは解熱鎮痛薬に加え消炎作用があることが特徴です。

 

ロキソニンはNSAIDs(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)と呼ばれる薬で、ステロイドではない抗炎症作用を持つ薬になります。

 

つまり、アセトアミノフェンと違い炎症を解熱鎮痛作用とは別で抑えてくれるということです。

 

この作用もあってか、カロナールは効かないがロキソニンはよく効くと実感される方も多いです。

 

以下のような追加作用にも欠点があります。

 

  1. 小児や妊婦には影響を及ぼす可能性がある
  2. 胃潰瘍などを生み出す原因になる
  3. 腎機能を悪くする
  4. 喘息を引き起こしてしまう
  5. インフルエンザ脳症を助長してしまうことがある

 

決して悪い薬ではありませんが、乱用や無知により副作用などをきたすことがあるので、十分注意が必要な薬になります。

 

豆知識ではありますが、この消炎作用を利用しているのが、実は湿布薬になります。

 

経皮的に作用することで、炎症が治まったり、痛みが局所的に引いてくれるので痛いときには湿布薬は非常に有用と考えられます。

 

イブプロフェンとの違い

 

 

ロキソニンと同じNSAIDsと呼ばれる薬になります。

 

5歳~から使用でき、小児に対しても使用可能な薬になります。

 

注意事項はロキソニンと同様で胃潰瘍などの消化性潰瘍がある方や、腎機能障害がある方、喘息既往のある方は禁忌になります。

 

必ず適応を見るようにお願いします。

 

バファリンとの違い

 

アセトアミノフェン

 

アスピリンと呼ばれる、NSAIDsの一つになります。

 

アスピリン喘息と呼ばれる喘息を誘発する可能性があり、特殊な場合以外は成人にのみ限定され使用されます。

 

他のと副作用は同様で、注意が必要な薬になります。

 

その他

 

他にもたくさん市販薬があり、上記のような解熱鎮痛薬に加え、風邪薬(咳を抑える薬、痰を抑える薬など)が加わった薬がたくさん販売されています。

 

入っている成分表をみると、アセトアミノフェン〇〇mgと書いてあります。

 

もちろん適正年齢もそれに応じて書いてありますので、必ず確認するようにお願いします。

 

特に小児、妊婦の方は必ずアセトアミノフェンを使用するようにしましょう。

 

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妊婦や小児はアセトアミノフェンを飲んでも大丈夫?

 

 

アセトアミノフェン

 

妊婦、小児ともにアセトアミノフェンは飲んでも大丈夫と基本的には考えられています。

 

他に安全に使用できる薬がないこともあります。

 

まずはアセトアミノフェンと考えてもらって大丈夫です。

 

また小児の発熱時に一番気になるのは『熱性けいれん』ではないでしょうか。

 

熱性けいれんとは発熱を契機に全身のけいれんが起きる状態のことです。

 

以前より原因となる熱が抑えられれば熱性けいれんは予防できるのではないかという考え方と、解熱薬を投与すると効果が切れたときに熱が急に上がり、その際に熱性けいれんが誘発されるのではないかという考え方が議論の対象になっていました。

 

現在では複数の研究結果からガイドライン上はどちらも否定されています。

 

熱性けいれんの誘発を心配して解熱薬の使用を控える必要はないと結論づいています。

 

そのため、お子様の発熱時には特に気にすることなく使用してもらえたらと思います。

 

◆子供がインフルエンザになった時の親の対応|風邪や似ている病気との違いについても解説

 

アセトアミノフェンを飲む時の注意点

 

アセトアミノフェン

 

どの医薬品にも添付文書が存在し、用法・用量の記載があります。

 

少し見にくいですが、アセトアミノフェンの用法・用量について一度一緒に見てみましょう。

 

【成人】

 

<頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛、分娩後痛、がんによる疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛、変形性関節症>

 

通常、成人にはアセトアミノフェンとして、1回3001000mgを経口投与し、投与間隔は46時間以上とする。

 

なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として4000mgを限度とする。

 

また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい

 

<急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)>

 

通常、成人にはアセトアミノフェンとして、1回300500mgを頓用する。

 

なお、年齢、症状により適宜増減する。

 

ただし、原則として1日2回までとし、1日最大1500mgを限度とする。

 

また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい

 

【小児】

 

<小児科領域における解熱・鎮痛>

 

通常、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり11015mgを経口投与し、投与間隔は46時間以上とする。

 

なお、年齢、症状により適宜増減する。

 

1日総量として60mg/kgを限度とする。

 

ただし、成人の用量を超えない

 

また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。

 

成人では症状に合わせて内服量が違いますね。

 

実は鎮痛作用を期待するときは普段の量よりも倍量程度投与することが可能なのが特徴です。

 

用量を増やすことで鎮痛薬としてはロキソニンよりもアセトアミノフェンの方が効果が得られる方もいます。

 

小児においても例えば10㎏の子であった場合、1回100~150㎎内服し、1日600㎎までが限度です。

 

100㎎の薬を使用していた場合は4時間ごとに1日で6回使用可能(100×6=600㎎)です。

 

しかし、150mgの薬を使用していた場合は6時間ごとに1日4回(150×4=600mg)までしか使用していはいけないのです。

 

なので、アセトアミノフェンの成分が何mgであるかを知っておくのは非常に重要なのです。

 

アセトアミノフェンを飲んでも効かないときは

 

アセトアミノフェン

 

鎮痛目的で使用している場合に効かない場合は適正量であれば、その分だけ追加で内服は可能です。 

 

また解熱薬として使用して下がらない場合は4~6時間後に再使用するしかないです。

 

ロキソニンなどの他の解熱薬の同時服用は勧められません。

 

作用機序がかぶっている箇所もあり、有害事象を引き起こす可能性があるからです。

 

しかし、同時に作用機序が違う箇所もあるため、他の解熱鎮痛薬が著効する(薬がよく効くこと)こともあります。

 

効果があまり得られなかった場合は再投与のタイミングでの切り替えも効果的であることも比較的多いです。

 

 

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家来るドクター(往診)での対応方法

 

家来るドクターでは病院でしか受けることが出来なかった夜間救急の医療をご自宅で受けて頂けます。

 

発熱していたり、痛みがあったりする方に対しては、まずはその原因を問診、身体診察、検査にて診断します。

 

診断結果をもとに患者様の状態に合わせてアセトアミノフェンやロキソニンといった解熱鎮痛薬を医師が責任をもって処方します。

 

もちろん必要に応じて抗生剤等も追加で処方を行います。

 

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まとめ

 

今回アセトアミノフェンについて、またその他解熱鎮痛薬についても、かなり詳細に書かせて頂きました。

 

薬剤性過敏症症候群の追加事項はあったものの、今でもかなり安全に使用できる薬になります。

 

それぞれの薬も適正に使用することで、困っている症状をより楽にすることもできます。

 

なかなか知ることができなかった薬の知識が今回の記事で少しでも理解のお役に立てたのであればうれしいです。

 

 参考文献

 

・熱性けいれん診療ガイドライン2015

 

・日本小児科学会「インフルエンザ脳炎・脳症における解熱剤の影響について」

 

・基本薬の選び方と使い方のコツ 日常診療でのスタンダードを使いこなす

 

NIID 国立感染症研究所 HHV-6と薬剤性過敏症症候群

 

この記事の監修医師
朝岡 龍博

横浜内科・在宅クリニック 耳鼻科 朝岡 龍博院長

プロフィールはこちらを参照してください。

この記事の執筆者


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