腹痛が起こる・続く原因のまとめ|緊急性の高い痛みの特徴も解説
投稿日: 2023年09月05日 | 更新日: 2024年08月06日
突然の腹痛で困ってしまい、この記事を読まれていらっしゃるのではないでしょうか。
腹痛は日常でもよくみられる症状の一つです。
しかし、突然お腹が痛くなると、手術が必要な病気ではないかといった不安や、病院にいった方がよいのか心配になってしまうと思います。
腹痛の原因はたくさんありますが、軽症から重症まで実に様々です。
症状の出方や痛みの部位、症状の経過などである程度の推測をすることができます。
この記事では、腹痛が起こる原因から考えられる病気、対処法などなどについて解説します。
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目次
腹痛の原因
腹痛の原因は実に様々です。
お腹の中の臓器は胃、腸、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓などがあり、これらの臓器に病気が生じると腹痛を起こします。
さらに女性では子宮、卵巣もお腹にありますし、さらにお腹の臓器だけではなく、胸の病気や血管の病気、糖尿病といった代謝性の病気でも腹痛を起こすことがあります。
これらの臓器に細菌やウイルスが感染して炎症を起こすことや、血管や管が破ける・詰まることで腹痛を起こしてしまいます。
また徐々に痛くなる場合には腫瘍が原因のこともあります。
関連記事:【急な腹痛】虫垂炎が起こる原因や症状について|自然治癒するの?
腹痛で考えられる病気や疾患
腹痛で考えられる病気について臓器別では次のように多くの病気があります。
肝臓、胆嚢、膵臓関連の病気 |
胆嚢炎
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胃、腸の病気 |
胃・十二指腸潰瘍
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腎臓、尿管の病気 |
尿管結石
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産婦人科系の病気 |
異所性妊娠
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血管系の病気 |
腹部大動脈瘤破裂
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代謝系の病気 |
糖尿病性ケトアシドーシス
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また部位で考えた場合は次のような臓器の病気が考えられます。
みぞおちから上腹部の痛み |
食道や胃・十二指腸疾患や肝臓
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下腹部の痛み |
腸疾患
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腹痛で考えられる病気はたくさんあり正確に診断するには病院を受診することが必要です。
病院を受診する目安としては、これから紹介する緊急性を要する症状についての記載をご確認ください。
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腹痛で鈍痛が続いたり波がある理由
腹痛が起こるメカニズムは大きく3つあります。
内臓痛と言われる痛みの場合には波のある鈍痛が続きます。
内臓痛は腸炎や便秘、腸閉塞など臓器が変形するような力が加わった時に痛みが起こります。
消化管などの内臓の臓器は自律神経の働きによって蠕動運動というゆっくりとした運動を繰り返しています。
そのため、消化管が動くことによって痛みにも波が出ます。
その他の痛みのメカニズムとして体性痛と関連痛があります。
体性痛は突き刺すような鋭い痛みで、場所が比較的はっきりわかります。
虫垂炎や胆嚢炎などで炎症が腹膜まで及ぶとこのような鋭い痛みとなります。
もう一つの関連痛は、原因がある部分と神経でつながっている離れた別の部分に痛みが起こります。
例えば尿管結石などでは背中の痛みや足の付け根の痛みを生じることがあります。
これらのうち、体性痛は腹膜炎などの重症な腹痛と考えられるので早めの病院受診がお勧めです。
一方で、内臓痛では軽症や自然によくなることも多いので注意して経過をみるということも可能です。
関連記事:腸重積症とは?症状やロタウイルスワクチンとの関連性を解説
腹痛の対処法
ここからご自分で腹痛に対処する時の方法について解説します。
まず【緊急性の高い腹痛の特徴】で説明する、緊急性の高い腹痛の特徴がないことを確認しましょう。
緊急性の高い症状がなければこれから解説する内容を試してみてよくならない場合には病院の受診を考えることがおすすめです。
腹痛を和らげる姿勢
腹痛の時には前屈みの姿勢になると症状が楽になります。
きつい衣服でお腹が圧迫されていることも痛みが悪化する原因なので、衣服やベルトを緩めます。
次に、ベッドに横になって、前屈みの姿勢になることで内臓の緊張がとれて痛みが和らぎます。
即効性のあるツボ
へそから真下へ指四本分のところにある関元(かんげん)のツボは下腹部が痛い時に効果のあるツボとされています。
また下痢や胃下垂、頻尿、排尿困難、月経痛などにも効果的とされています。
痛みに困っている時には試してみるのもおすすめです。
市販薬
考えられる原因別におすすめの市販薬の一例を紹介します。
便秘が原因と考えられる腹痛 |
酸化マグネシウムが便を柔らかくして便秘の改善に効果があるためお勧めです。
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生理痛 |
ロキソニンやアセトアミノフェンが成分として含まれるお薬が有効です。
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胃炎による腹痛 |
胃酸の分泌を抑えるガスター、胃の粘膜を保護する薬剤が効果があります。
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胃腸炎による腹痛 |
ビオフェルミン、ビオスリーなどの腸内細菌のバランスを整えるお薬がお勧めです。
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緊急性の高い腹痛の特徴
腹痛は自然によくなる胃腸炎が最も多いのですが、中には手術が必要となる虫垂炎や胆嚢炎、腸閉塞などの緊急性が高い病気の場合もあります。
ここから緊急性が高い腹痛の特徴について解説していきます。
刺すような痛み
【腹痛で鈍痛が続いたり波がある理由】で解説したように痛みに波がある場合は内臓痛で軽症の場合が多いです。
しかし、刺すような痛みである体性痛は炎症が腹膜という組織に及んで痛みを出している可能性があります。
虫垂炎や胆嚢炎などの細菌の感染でおこる病気が多いので、刺すような強い痛みがある場合は緊急性が高いです。
吐き気
吐き気も注意するべき症状の1つです。
吐き気とともに下痢もある時には胃腸炎の可能性が高いので、脱水症にならないように水分補給や安静にすることでほとんどの人は自然に症状がよくなります。
しかし、吐き気や嘔吐があるのに下痢がない場合には腸閉塞などで腸を食事が通過しないことによって腸が拡張して吐き気を出している可能性があります。
冷や汗、顔面蒼白
冷や汗や顔面蒼白は様々な原因で現れます。
腹痛では痛みが非常に強い場合に起こりやすく、そのような場合には緊急性を要する病気の可能性が高くなってしまいます。
これらの症状があるときには早めに病院を受診して診断、治療をすることが大切です。
すぐに病院を受診できない場合でも往診であれば医師が対応することが可能です。
関連記事:子供がお腹を痛がるときはどうすればいい?考えられる腹痛の原因や危険なサインとは?
家来るドクター(往診)での対応方法
軽い腹痛であればご自宅で安静、休養をしてしっかりと栄養補給をすることが1番の治療です。
しかし、症状が強いときにはできるだけ早く病院を受診することが必要です。
しかし、病院を受診することができないほど症状が強いときには往診の利用がお勧めです。
家来るドクターではまず診断をするために問診と身体診察を行います。
症状から原因を推測し、お薬の処方や点滴で治療を行います。
症状がひどい場合や、緊急に対応が必要な病気が考えられる場合には近隣の病院へ紹介をすることが可能です。
症状が早く改善するように、治療に当たりますので、心配な症状がある時にはぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ
今回は、腹痛が起こる原因から考えられる病気、対処法などなどについて解説してきました。
腹痛は色々な原因で起こりますが、中には緊急性が高い病気が原因である場合もあります。
刺すような痛み、吐き気、冷や汗や顔面蒼白などの症状が危険な腹痛の可能性あるので、早めの病院受診が必要です。
しかし、具合が悪く病院を受診できない方もいらっしゃると思います。
そのような場合には、医師がご自宅で診察をする往診の利用がお勧めです。
お困りの症状がありましたらいつでもご相談ください。
参考文献
‣公益財団法人 日本医療機能評価機構|急性腹症ガイドライン2015
‣日経メディカル|急性腹症
‣社会福祉法人 恩賜財団 済生会|腹痛
‣公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会|簡単にできるツボ療法 第15回「腹痛」part1
執筆者
専門領域
股・膝関節
資格・業績
日本整形外科学会整形外科専門医
医学博士
2017年 第66回東日本整形災害外科学会 学術奨励賞受賞
2019年 第68回東日本整形災害外科学会 学術奨励賞受賞
経歴
- 三重大学医学部医学科 卒業
- 四日市羽津医療センター
- 西春内科・在宅クリニック
- 千葉内科・在宅クリニック 院長