こどもが風邪の時におすすめの食べ物は?ご飯を食べないときの対応を解説!
投稿日: 2024年12月29日 | 更新日: 2024年12月30日
風邪で食欲が落ちているこどもの食事、どう対応したらいいか悩みませんか?
特に乳幼児は自分から症状を詳しく説明できないため、保護者の方々は対応に戸惑うこともあるでしょう。
この記事では、症状別のおすすめの食事から、避けた方がいい食べ物まで、詳しくご説明します。
ご家庭での看病にお役立てください。
目次
こどもが風邪の時にごはんを食べさせた方がいい?
こどもが風邪で食欲不振になった時、多くの保護者の方が「食べないと体力が落ちてしまうのでは?」と心配されます。
しかし、結論から申し上げると、無理に食事をさせる必要はありません。
体調が悪い時は消化器系の働きも弱まっているため、むしろ胃腸に負担をかけない方が回復を早める場合があります。
風邪の初期は、体が自然と食欲を抑制することで消化器系の負担を減らし、免疫機能に体力を集中させているのです。
ただし、水分補給はしっかりと行いましょう。
発熱や下痢による脱水症状を引き起こすことがあります。
関連記事:発熱時の入浴はダメ?!入浴の注意点と避けるべきケースを解説
こどもの風邪におすすめの食べ物、避ける食べ物【症状別】
風邪の引き初め
風邪の引き始めは、消化機能が一時的に低下します。
そのため、食物繊維の多い野菜や脂っこい料理、カレーなどの刺激物は控えめにしましょう。
代わりに、煮物や蒸し料理など消化に優しい調理法を選び、薄味で温かい食事を心がけることで、体の回復を助けることができます。
おすすめの食べ物 | 避けるべき食べ物 | |
主食 |
おかゆ |
チャーハン 辛いカレーライス 固いパン |
主菜 | 白身魚の煮つけ 湯豆腐 |
肉料理 |
汁物 | 具少なめの味噌汁 薄味のコンソメスープ |
ラーメン |
のどの痛み
のどの痛みがある時は、柔らかく刺激の少ない食べ物を中心に選びましょう。
温かい食事は体を温め、冷たい食事は炎症を抑える効果があるため、体調と好みに合わせて選んでください。
おすすめはおかゆや茶碗蒸し、スープ類です。
また、はちみつには抗菌作用があり、のどの痛みを和らげます。
※はちみつは1歳未満の乳児には与えないでください。
ボツリヌス菌による食中毒の危険性があります。
おすすめの食べ物 | 避けるべき食べ物 | |
主菜 |
茶碗蒸し |
唐揚げ 固い肉料理 |
副菜 |
蒸し野菜 |
生野菜サラダ 固い根菜類 |
飲み物 |
はちみつレモン |
炭酸飲料 熱すぎるor冷たい飲み物 |
発熱
発熱時は体の水分が失われやすくなっています。
まずは水分とミネラルの補給を優先し、体力が回復してきたら少しずつ食事量を増やしていきましょう。
また、発熱で体温が上がると、消化器系の働きも低下します。
そのため、消化の良い食事を少量ずつ取ることが大切です。
おすすめの食べ物 | 避けるべき食べ物 | |
デザート |
プリン |
アイスクリーム バナナ |
飲み物 |
スポーツドリンク |
カフェイン飲料(コーヒー・紅茶) アルコール類 |
嘔吐や下痢症状があるとき
嘔吐や下痢がある場合、脱水症状に注意が必要です。
水分補給を十分に行いながら、胃腸への負担が少なく消化吸収の良い食事を心がけましょう。
腸の働きが弱っているため、香辛料を使った料理や油っこい食事、乳製品は避け、おかゆや煮込み料理など胃腸に優しい食材を選ぶことが大切です。
また、食事は一度に多く取るのではなく、少量ずつ回数を分けて取ることをおすすめします。
おすすめの食べ物 | 避けるべき食べ物 | |
水分補給 |
経口補水液 |
乳製品 柑橘系のジュース |
食事 |
おかゆ |
生もの 脂っこい料理 香辛料の強いもの |
鼻水・鼻詰まり
鼻づまりがあると、においを感じにくくなることで食欲も低下しやすいです。
温かい食事や蒸気の立ち上る料理は、鼻づまりを和らげる効果があります。
また、ビタミンAやCを含む緑黄色野菜を取り入れることで、粘膜を保護し、ウイルスへの抵抗力を高めることができます。
おすすめの食べ物 | 避けるべき食べ物 | |
主食 |
温かいそば |
冷たい麺類 |
汁物 |
生姜やにんにくのはいった温かいスープ |
冷たい汁物 濃すぎるスープ |
飲み物 |
生姜湯 |
冷たい飲み物 |
こどもが風邪の時に避けたい食べ物
上記でも簡単に解説しましたが、なぜ脂っこい食べ物や食物繊維の多い食べ物をなぜ避けるべき必要があるのでしょうか。
これらの理由について解説していきます。
脂っこいもの
風邪を引いている時は、消化機能が低下しているため、脂っこい食べ物は控えめにしましょう。
からあげやとんかつ、天ぷらなどの揚げ物は胃腸に負担がかかります。
また、ラーメンなどの脂の多い麺類や、脂身の多い肉料理も避けた方が良いでしょう。
食物繊維の多い根菜類
消化機能が弱っている時は、食物繊維を多く含む根菜類の摂取にも注意が必要です。
特にごぼうや里芋などの固い根菜類は、柔らかく煮込むなどの工夫をしない限り、胃腸に負担がかかってしまいます。
砂糖が多く使用されているお菓子
甘いお菓子は一時的に気分を良くしてくれますが、砂糖の摂り過ぎは免疫力の低下を招く可能性があります。
また、のどの粘膜を刺激する原因にもなるため、風邪の症状を悪化させてしまうことがあります。
カフェインを含むもの
お茶やコーラなどのカフェインを含む飲み物は利尿作用があり、必要な水分が体外に排出されやすくなってしまいます。
特に発熱時は脱水症状に注意が必要なため、カフェイン飲料は控えめにしましょう。
刺激の強いもの
カレーや唐辛子など刺激の強い食べ物は、胃腸の粘膜を刺激する可能性があります。
また、のどの痛みがある時は特に避けた方が良いでしょう。
関連記事:インフルエンザの予防は必要?日常でできる予防方法とおすすめの食品を解説
こどもが風邪の時の食事が出来なくても水分補給をしっかりと!
風邪で食欲が落ちている時は、食事よりも水分補給を優先することが大切です。
特に発熱や下痢の症状がある場合は、体から水分が失われやすい状態になっています。
水分補給の際は、常温か少しぬるめの温度がおすすめです。
一度に大量に飲むのではなく、少しずつ、こまめに補給することを心がけましょう。
こどもの年齢や好みに合わせて、以下のような飲み物を選択してください。
乳幼児
- 母乳
- ミルク
幼児以上のこども
- 白湯
- お茶
- スポーツドリンクを薄めたもの
- スープ
- 具の少ないみそ汁
こどもが風邪で食事ができなくても薬は飲ませていい?
お子さんが食事できなくても、医師から処方された風邪薬は基本的に飲ませて大丈夫です。
こども用の薬の多くは、空腹時でも副作用が出にくいように作られています。
ただし、薬を飲ませる時は、少量の水やぬるま湯を一緒に与えてあげましょう。
熱や痛みが強い時は、食事ができなくても解熱鎮痛薬を使うことで症状が楽になることがあります。
心配な点があれば、必ず医師や薬剤師に相談してください。
特に「食後に飲む」と指示された薬がある場合や、お子さんが薬を上手に飲めない時は、専門家に相談するのが賢明です。
関連記事:薬を飲み忘れたらどうする?健康への影響や防止のアイデアを紹介
家来るドクターでできること
家来るドクターでは、往診やオンライン診療を行っています。
どちらも、薬の処方から診察、お食事の相談まで可能です。
他にも発熱している際の過ごし方など、気になる事も相談できます。
ご予約の方法がわからない方は、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
お子さんが風邪を引いた時は、無理にご飯を食べさせる必要はありません。
むしろ大切なのは、水分補給と十分な休息です。
食事は無理をせず、体調に合わせて少しずつ食べられるものを与えてあげてください。
日頃からバランスの良い食事と規則正しい生活で、風邪に強い体を作ることが一番の予防です。
心配な時は、遠慮なく医師に相談してください。
参考文献
風邪のときの食べ物はこれがおすすめ! OKな食べ物とNGな食べ物とは
風邪を引いたときにおすすめの食事は?コンビニで買えるメニューもご紹介|知りたい!風邪のこと
子どもが病気や体調不良で食べないときはどうする?食べなくても大丈夫? | キッズドクターマガジン
執筆者
経歴
- 名古屋市立大学 医学部 医学科 卒業
- 三重県立志摩病院
- 総合病院水戸協同病院 総合診療科
- 公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科
- 西春内科・在宅クリニック 院長(https://nishiharu-clinic.com/doctor/)
資格
- 日本専門医機構認定 内科専門医