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子どもに多い起立性調節障害の症状とは|原因や治し方を解説

子どもに多い起立性調節障害の症状とは|原因や治し方を解説
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起立性調節障害とは、起立性低血圧とも呼ばれます。

 

寝た姿勢から座った姿勢など急激に体位を変えた際に生じる血圧の低下から、ふらつきやめまい感、動悸といった諸症状を引き起こします。

 

また、思春期前後の子どもに多く見られる疾患です。

 

今回は、起立性調節障害になる原因や、症状、大人でも発症することがあるのかなどについて詳しく解説していきます。

 

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起立性調節障害になる原因

 

ヒトが起立するということ

 

起立性調節障害

 

人間は、動物からの進化の過程で4足歩行から2足歩行となることで、様々な身体的な変化が生じました。

 

その中の一つは、起立することで、血液を重力に負けないポンプの強い力で全身へ(特に上半身、脳へ)と送る必要が生じました。

 

脳へ血液を適切に送ることができないと、脳内の意識を保ったり、体位を調整する中枢の機能が低下してしまいます。

 

そのため、意識が遠のいたり、ふらついたりします。

 

起立性調節障害


このポンプの役割を果たすのが心臓で、ホースとなるのが血管です。

 

心臓は自分の意志とは関係なく、勝手に動いてくれているというのはなんとなく知っている方は多いのではないでしょうか。

 

実は血管もポンプとして全身に血液を送っています。

 

 

自律神経について

 

起立性調節障害

 

このように、縁の下の力持ちで頑張ってくれている心臓や血管は、自律神経によって調整されています。

 

自律神経は、歩いたり、手を動かしたりする運動神経と異なり、自分の意志では調整できない神経です。

 

外界の刺激に対して反応して、自動的に反応して、体を快適な状態に調節してくれる神経です。

 

自律神経は心臓や血管だけでなく、腸や肺などの内臓や感覚器など全身の臓器に張り巡らされています。

 

起立性調節障害

 

それでは自律神経とはどういったものでしょうか?

 

ざっくり言うと、自律神経は交感神経と副交感神経に分けられます。

 

そして、交感神経と副交感神経のパワーバランスでそれぞれの臓器は機能が調整されています。

 

それぞれの神経の機能として、交感神経は、車で例えるとアクセル(活動を促す神経)

 

副交感神経はブレーキ(活動を抑える神経)といったイメージです。

 

交感神経と副交感神経の機能については以下の表の通りとなっていて、全身の様々な機能を陰ながら調整してくれています。

 

起立性調節障害

文献1)より引用

 

起立性調節障害

 

交感神経は心臓に作用して、心拍数や心臓から拍出される血液量を調整します。

 

血管に対しては血管の裏打ちをしている筋肉(血管平滑筋)に作用して、血管の収縮に作用します。

 

ちなみに、血圧とは、心拍出量(心臓から出ていく血液量)と抹消血管抵抗(血管の硬さ、収縮の程度)によって規定されています。

 

つまり、自律神経が血圧を調節してくれる因子ということになります。

 

心と体の疲れは、何で悪いの?

 

起立性調節障害

 

心と体の疲れ(ストレス負荷)は、この陰ながら支えてくれていた自律神経機能を乱します。

 

具体的には交感神経と副交感神経の力のアンバランスを誘導してしまい、全身の症状をひき起こすと言われています。

 

 

現代人の起立性調節障害について

 

起立性調節障害


もともと人間は、自分が存在する周囲の環境に適応するために自律神経を発達させてきました。

 

例えば…

 

原始人はジャングルの密林の中で野獣と遭遇した際に、逃走したり、戦ったりといった急激なアクションを起こすために交感神経が発達しました。

 

その高ぶった交感神経の機能を抑制し、リラックスするために副交感神経が発達してきました。

 

現在、私たちが生活している環境で自律神経はどう作用しているでしょうか?

 

毎日満員電車に揺られ出勤し、職場では厳しいノルマを求められ、頑張ったからといって年功序列で昇給が約束されるといった訳でもありません。

 

未来が見えにくく、先行きが不安定な生活を強いられがちです。

 

こういった慢性的な不安は、持続的に交感神経を刺激します。

 

人間の自律神経はこういった慢性的な刺激には慣れていません。

 

原始人は狩で獲物を捕らえることができたら大成功!・獲れなかったら大失敗!

 

といった成功と失敗がはっきりした生活を送ってきており、それが遺伝子に組み込まれ、今の人間の神経機能となっています。

 

それ故に、現代人における慢性的なストレス刺激は交感神経を疲労させ、オーバーヒートを引き起こし自律神経の機能が破綻してしまうのです。

 

起立性調節障害

 

起立性調節障害の主な症状

 

起立性調節障害

 

起立性調節障害は、この自律神経機能の障害の一つの症候と考えられています。

 

起立性調節障害では以下のような症状として表現されることが多いです。

 

  • ふわふわする(ふらつき)
  • しゃがみこみたくなるかんじ
  • 起立時や体動開始時のめまい・ふらつき
  • 失神

 

その他、動悸、全身倦怠感、頭痛、腹痛、食欲不振、集中力低下など非典型的な症状を起こすこともあります。

 

これは上記の自律神経障害によるものと考えると理解しやすいかと思います。

 

>>子供がお腹を痛がるときはどうすればいい?考えられる腹痛の原因や危険なサインとは?

 

起立性調節障害が子供に多い理由

 

子どもの起立性調節障害について


起立性調節障害にかかりやすいのは、10〜16歳

 

患者比率は、小学生の約5%、中学生の約10%とされ、男:女 = 1 : 1.5〜2とやや女児に多い傾向にあります (文献2より)。

 

子どもで起立性調整障害が多い原因に定説はありません。

 

自律神経機能が発達段階の子どもは、交感神経、副交感神経のアンバランスが生じやすいためと想定されています。

 

さらに、心身的なストレスが加わることで、大人と同様の機序が、未熟な自律神経機能では引き起こりやすく発症するとも言われています。

 

起立性調節障害

 

子どもの起立性調節障害の特徴

 

起立性調節障害

3)より引用・改変 
OD : orthostatic dysreguration 起立性調節障害
 

小児の起立性調節障害の特徴は上の表のようにいわれてます。

 

(1)の学校を休むと症状が軽減するというのが特徴的です。

 

特に「遊びには行けるけど、学校にはいけない」と表現されることがあります。

 

これだけ聞くと、「サボり」や「甘え」という印象を受けてしまいますが、そうではないのです。

 

子どもは先述のように、交感神経と副交感神経のバランスが発達段階であり、まだうまくとれません。

 

起床時は交感神経と副交感神経が切り替わる時間帯で、これがうまく切り替わることで元気に起床し、登校できます。

 

しかし、このスイッチがうまくいかないと起立性調節障害の症状として、朝に様々な不調を起こします。

 

それ故に登校できなくなってしまうのです。

 

一方で、遊びに行くのは、たいてい起床後時間が経過してからであり、その時間には自律神経は正常に機能しだしますので、楽しく遊べます。

 

>>【子供の下痢】ロタウィルス感染症の症状や感染経路について解説!予防接種は必要?

 

病院での診断について

 

何科で診断される?

 

起立性調節障害

 

お子さんであれば、子ども特有の兆候があるため小児科です。

 

大人であれば、自律神経症状は全身の様々な不調を訴えることが多いため、様々な診療科で対応されることが多いです。

 

特に、起立性調整障害に関しては、ふらつきという主訴として、以下などで診療する割合が高いです。

 

  • 一般内科
  • 循環器内科
  • 脳神経内科
  • 脳神経外科
  • 耳鼻咽喉科

 

自律神経機能障害を引き起こす脳疾患や、心疾患などの全身疾患に伴う自律神経症状なども背後に隠れている可能性もあります。

 

そのため、除外診断(重篤な疾患を否定して最後に残った疾患)として最終診断となることもあります。

 

>>小児てんかんの発作が出た時の正しい対応|原因や種類、緊急性の高い場合についても解説

 

どのような検査があるの?

 

シェロング試験

寝た姿勢(5〜10分の安静臥床)と立った姿勢(起立直後、3分、5分、10分)の血圧、脈の測定をおこない比較する。

それによってどれだけ血圧と脈の変動を認めるかを確認する検査。

通常は、この検査で血圧、脈ともに変動はそれほどみられないが、起立性調節障害の患者さんでは、変動を強く認める。

 

ヘッドアップティルト試験

リクライニングするベッドを用いて、体を動かさずに寝た姿勢から起立姿勢にする。

心電図、血圧、脈などをモニタリングし、変動を確認する。

検査の原理としては、シェロング試験と同様だが、起立性調節障害の検出率はヘッドアップティルト試験の方が高い。

 

起立性調節障害

文献4)より引用・改変

 

起立性調節障害の治し方・改善方法

 

治すためにはいろいろな視点が必要


起立性調節障害は環境因子など多くの原因が複雑に絡み合っていることが多いです。

 

これを治すためには、一つのアプローチでは不十分で、様々な視点を持つことが大切になります。

 

日常生活の改善、食事療法、運動療法、薬物療法などを包括的に行います。

 

まずは自分の生活を見直してみよう

 

起立性調節障害

 

☑ 生活リズムが乱れている

☑ 適切な時間(6〜 7時間)の睡眠がとれていない

☑ 昼寝をしすぎている

☑ スマホやPCなどを夜遅くまで見ている

☑︎ 働きすぎていることに自覚がない

☑︎ 運動不足

☑︎ バランスの悪い食事 遅い時間の食事

 

などといった事項に思い当たる場合は、交感神経への負担が強い可能性があり、注意が必要です。

 

そのため、改善できることから改善すべきです。

 

運動は適度に行うことで、交感神経と副交感神経のアンバランスをリセットしてくれる効果があります。

 

食事習慣も大切です。

 

菓子パンやお菓子など急激に血糖値を上昇させる食物ばかり食べていると、血糖値を下げるホルモンが急激に分泌されます。

 

こういったホルモン分泌は自律神経が関与しています。

 

急激なホルモンバランスを乱す食事は、自律神経にも強く影響し、自律神経のアンバランスを引きおこします。

 

また、遅い時間の油物などの食事摂取は、胃腸への負担や逆流性食道炎のリスク因子となります。

 

これらの臓器にも自律神経が張り巡らされているために、自律神経障害の因子となります。

 

周囲の環境を見直してみよう


☑ 学校や職場環境において、仕事内容、人間関係で負担を感じている

☑ 家庭環境でも負担を感じる要因がある

☑ 将来への不安がある(育児、進路、金銭、家庭など)

 

などといった事項に思い当たる場合も、自己の生活習慣と同様に潜在的なストレスの原因であり注意が必要です。

 

しかし、すべて自分で解決しようとせず、思い切って友人や児童自立支援施設、精神保健福祉センターなどの専門窓口(臨床心理士が在籍する)に相談するという判断も大切です。

 

また、将来への不安など漠然としたものに関しては、「見えないものを見える化」するという作業が大切です。

 

漠然とした不安が少しでも明確になることで、負担が軽減されます。

 

自己の生活習慣を見直すという観点からは、簡単にできる毎日の日記などもおすすめです。

 

心理療法

 

起立性調節障害

 

カウンセリング

専門の臨床心理士と自己の生活と周囲の環境、考え方などを見つめ直します。

 

認知行動療法・自律訓練法

カウンセリングの流れで行われることがあります。

自己分析を行った後に、自己に降りかかる事象をしっかり認知し、その対象を「嫌なもの」、「辛いもの」であるのかを明確にし、向き合うことで意識にあがらない、もしくは気にならなくしていくことが目的とします。

 

薬物療法

 

起立性調節障害


自律神経失調症に対し グランダキシン®︎(トフィソパム)

起立性調節障害に対し メトリジン®︎(塩酸ミドトリン)、リズミック®︎(メチル硫酸アメニジウム)などを使用することがある。

 

小児では、以下のように薬物が使用されることが多く、段階的に治療がなされます。

 

薬物だけではなく、学校や家庭への指導なども大切になってきますので大人とは少し対応が異なりますので、担当医の指導に従ってください。

 

  7~9歳 10~12歳 13歳〜

ミドトリン塩酸塩(1錠 2mg)

1〜2錠 / day 2錠 / day 2〜3錠 / day

アメジニウムメチル硫酸塩
(1錠 10mg)

0.5錠 / day 0.5〜1錠/ day 1〜2錠 /day

文献5)より引用・改編

 

起立性調節障害

文献3)より引用

 

起立性調節障害は治るの?再発は?

 

起立性調節障害は小中学校くらいから発症し、大人になるにつれて自然に軽快し改善してしまうお子さんも多いです。

 

これは心身ともに成長したことで、自律神経のバランスがうまくとれるようになってきたことと考えていいでしょう。

 

しかし、小児期に起立性調節障害と診断されたお子さんの40%前後が、大人になって起立性調節障害を再発したという調査結果もあります。

 

再発予防のために、自分の素因や考え方のパターンなどを認知し、本コラムで挙げた生活習慣の改善などを実践いただけたら幸いです。

 

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病院や家来るドクター(往診)は夜間・休日の救急往診に対応


家来るドクター(往診)では、夜間・休日に症状が起きた際にも対応いたします。

 

起立性調節障害では、自律神経失調症が背景にあり、ふらつき、めまい以外にも様々な症状を起こします。

 

これらの症状は、ときに起立性調節障害と思いきや、重篤な心臓疾患や脳疾患である可能性があります。

 

医師としても慎重な対応をするべきと考えております。

 

往診ではできる限りの兆候を拾いあげ、必要に応じて救急病院への紹介を検討します。

 

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まとめ

 

起立性調節障害

 

起立性調節障害は、交感神経を慢性的に疲れさせる近代の新しい生活様式が生み出した病気と言ってもよいかと思います。

 

それ故に、私たちはこの病気をいつ発症してもおかしくありません。

 

まずは、このような病気があるということを認知し、生活習慣の改善を行うことで、少しでも快方に向かう可能性があります。

 

また、この病気はお子さんの有病率が高く、遊べるのに学校へ行けないなど、一見「甘え」「サボり」と思われがちです。

 

実際にはそうではありません。

 

発達段階の子供の兆候である可能性もあるということを学校や職場などに理解してもらうといった、社会的な対応も必要と思われます。

 

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【参考文献】


・永井克也 自律神経による生体制御とその利用 化学と生物51. 3. 2013

・日本小児心身医学会ホームページ

・日本小児心身医学会ガイドライン集 小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン

・「イラスト」めまいの検査

・小児の起立性調節障害 ドクターサロン63. 8. 2019

 

【監修医師】

 

耳鼻咽喉科専門医/アレルギー専門医 Dr.永田善之

名古屋・神奈川・千葉・大阪の往診医療機関

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