熱性けいれんが起きたら救急?正しい対応方法・後遺症・入院の目安

公開日:2024.4.18 更新日:2026.9.11

子どもが突然けいれんを起こした。そんなとき、まず落ち着いて以下の対応をしてください。

熱性けいれんは適切に対処すれば後遺症が残ることはほとんどありませんが、症状によっては救急が必要なケースがあります。正しい対応方法・後遺症・入院の目安について医師が詳しく解説します。

この記事は次のような方に向けて書いています

  • 子どもが熱でけいれんを起こした
  • 救急車を呼ぶべきか判断したい
  • 後遺症が残るのか知りたい

けいれんが起きたら、まず救急車を呼ぶ

けいれんが起きたときの対応

  1. 横向きに寝かせる(気道確保)
  2. スマートフォンで動画を撮影する
  3. 口の中に物を入れない

お子さんが熱性けいれんを起こした場合は、迷わず救急車を呼んでください。救急要請した後、以下の順番で対処してください。

横向きに寝かせる(気道確保)

嘔吐する場合もあるため、気道確保のため横向きで寝かせてください。誤嚥を防ぐためにも、必ず横向きにすることが重要です。

スマートフォンで動画を撮影する

救急要請した後、スマートフォンなどで動画を撮影しましょう。撮影した動画を診察時に医師に見せることで診断の役に立ちます。また、けいれん中の時間も計ることができるため、落ち着いて撮影を行いましょう。

口の中に物を入れない

けいれんが起きている際、舌をかまないようにとタオルを噛ませたり手を入れたりしてしまうケースが見受けられます。口の中に何かを入れてしまうことで窒息する危険性や気道を傷つける危険性があるため、口に物を入れないよう注意してください。気道確保の際はお子さんを横に寝かせるようにしてください。

関連記事:【冬から注意】子どもの水疱瘡(みずぼうそう)|症状や潜伏期間、予防接種について

救急 vs 様子見の判断基準

熱性けいれんには「単純型」と「複雑型」があり、対応が異なります。

必ず救急へ(複雑型のサイン)

以下のいずれかに当てはまる場合は複雑型の可能性があり、入院が必要になることも多いです。迷わず救急を受診してください。

以下があるときは必ず救急へ(複雑型のサイン)

  • 全身の震えが15分以上続く(途中で停止時間をはさむ場合も含む)
  • けいれんが体の半分または一部に起こる(局所性)
  • 24時間以内にけいれんが2回以上起こる

早めに受診を(単純型の目安)

以下の条件をすべて満たす場合は単純型の可能性が高いですが、初めてのけいれんの場合は必ず受診してください。

  • 発熱後24時間以内に起こった全身性のけいれん
  • 15分以内に収まった
  • 24時間以内に再発していない

熱性けいれんとは

熱性けいれんとは、発熱を伴う際に引き起こされるけいれん発作の一種です。

特に生後6か月から5歳までの小児に多くみられますが、成長に伴い6歳前後でほとんど起こらなくなります。

熱性けいれんは通常、38℃以上の発熱時で急激に体温が変化するときに起こり、短時間で治まります。また、後遺症が残ることはほとんどありません。

熱性けいれんは約8%の子どもにみられ、そのうち2〜3%はてんかんに移行するといわれています。

関連記事:乳幼児突然死症候群(SIDS)の前兆や原因とは?予防対策も解説

熱性けいれんの症状

熱性けいれんの症状は発作が発生した際に現れます。体が硬直、手足がガクガクする全身型のものから、目が一点を見つめて反応しないというようなわかりにくいものまでさまざまあります。発作は数分間続くことが多いですが、まれにそれ以上続く場合もあります。

単純型熱性けいれん

単純型熱性けいれんは、最も一般的なタイプで、発熱後24時間以内に起こる全身性のけいれんで15分以内に収まります。また、けいれん後24時間以内に再発しない特徴があります。

複雑型熱性けいれん

複雑型熱性けいれんは以下の条件のうち1つでも当てはまるものを言います。

  • 全身の震えが15分以上(途中で停止時間をはさむ場合も含みます)
  • けいれんが体の半分または、体の一部に起こる局所性
  • 24時間以内にけいれんが2回以上起こる

それぞれの割合としては、単純型の熱性けいれん8割、複雑型の熱性けいれん2割程度です。複雑型やけいれん重積症では、けいれんの治療や他の疾患と区別するために入院が必要になることも多くあります。

熱性けいれんの原因

原因として、脳神経細胞が急な体温上昇に対応できず起こります。遺伝的な要因もありご両親に熱性けいれんがあった場合、そうでない子どもと比べてリスクは2〜3倍程高くなります。

発熱の原因としては夏風邪、インフルエンザ、突発性発疹など急に高熱を出す疾患で多いです。高熱をきたす疾患はすべてけいれんのきっかけとなります。

関連記事:子どもに多い起立性調節障害の症状とは|原因や治し方を解説

熱性けいれんの後遺症は?

短時間のけいれんで後遺症が残ることは基本的にありません。ただし、てんかんに移行する注意が必要な因子がいくつかあります。

  • てんかんの家族歴
  • けいれんが長く続く場合
  • 断続的に続く場合

てんかんに移行する可能性は2〜3%と考えられています。

熱性けいれんに気づかなかったらどうなる?

厳密に言うと、熱性けいれんを放置しておいたからてんかんになるというわけではありません。ただし、リスクが0というわけではありません。

子どもが発熱しているときはこまめに様子をチェックしてください。稀に小さなお子さんの場合に、けいれんの動きが小さく見逃してしまうケースがあります。口をぐっと食いしばっては緩む、腕をぎゅっとしては緩めるなどを繰り返している場合はけいれんを引き起こしている可能性があります。小さなお子さんの場合は特に注意が必要です。

関連記事:小児てんかんの発作が出た時の正しい対応|原因や種類、緊急性の高い場合についても解説

熱性けいれんの予防について

熱性けいれんの予防に使うダイアップ坐薬 4mg・6mg・10mgの3種類

熱性けいれんの予防としてダイアップという座薬を使用します。使用方法としては、熱の上がりはじめ(37.5〜38℃位)に座薬を入れ、8時間後にもう1度坐薬を入れます。

予防で使う基準として以下の場合に座薬を使用することを推奨しています。

  • 15分以上続く発作がおきた場合
  • 2回以上発作をおこしている場合で、以下の条件を2つ以上満たす場合
  • 24時間以内にけいれんを繰り返した
  • 焦点性発作
  • 発作以前から存在する発達の遅れなど神経学的異常があった
  • てんかん、熱性けいれんの家族歴
  • 12カ月未満
  • 38℃未満での発作

熱性けいれんの予防としてのダイアップの使用は、副作用やリスクがあることもあるため、必ず医師の指示に従って適切に使用する必要があります。

まとめ|夜間対応フロー

お子さんが熱性けいれんを起こした場合の対応を3つに整理します。

  1. まず救急車を呼ぶ
    横向きに寝かせて気道確保→動画撮影→口に物を入れない
  2. 複雑型のサインを確認する
    15分以上続く/局所性/24時間以内に2回以上 → 必ず救急・入院が必要なケースも
  3. 迷ったら我慢せず早めに受診する
    単純型でも初めてのけいれんは必ず受診を。夜間・休日はPIT DOCTOR(木・金・土 19:00〜24:00 / 日・祝 10:00〜17:00)へお気軽にご連絡ください。

余裕があればけいれんの様子をスマホで撮って動画を医師に見せるとスムーズに対応できます。お困りの際はお気軽に医療機関へご相談ください。

FAQ

熱性けいれんについてよくある質問

子どもが熱性けいれんを起こしたらどうすればいいですか?
迷わず救急車を呼んでください。その後、嘔吐による誤嚥を防ぐため横向きに寝かせて気道を確保し、スマートフォンでけいれんの様子を動画撮影しておくと診断に役立ちます。窒息の危険があるため口の中に物は絶対に入れないでください。
熱性けいれんで入院が必要になるのはどんな場合ですか?
全身の震えが15分以上続く、けいれんが体の半分や一部に起こる、24時間以内に2回以上起こる、のいずれかに当てはまる複雑型の場合は入院が必要になることも多いです。単純型でも初めてのけいれんは必ず受診してください。
熱性けいれんの後遺症は残りますか?
短時間のけいれんで後遺症が残ることは基本的にありません。熱性けいれんは約8%の子どもにみられ、てんかんに移行するのは2〜3%程度と考えられています。けいれんが長く続く場合やてんかんの家族歴がある場合は注意が必要です。

参考文献

徳洲会グループ|熱性けいれん
筑後市立病院|熱性けいれんのお話
CAPS CLINIC|熱性けいれんってなぁに?
医療法人すこやか会|おおたにクリニック
吉村クリニック|熱性けいれんについて

PIT DOCTORでできる対応

夜間・休日のお子さんの急なけいれん・発熱もお気軽にご連絡ください。

木・金・土:19:00〜24:00 / 日・祝:10:00〜17:00

当院で対応できる場合

小児の診察が可能です。お子さんの発熱などの風邪諸症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

専門病院への受診が必要な場合

複雑型のけいれん・けいれんが長時間続くなど、より専門的な処置が必要と判断した場合は、適切な専門医療機関へご案内します。「救急に行くべきか判断できない」という場合もお気軽にご相談ください。

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この記事の監修医師

福井 康大

福井 康大

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