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【子供の下痢】ロタウィルス感染症の症状や感染経路について解説!予防接種は必要?

投稿日: 2022年12月03日 | 更新日: 2024年08月05日

ロタウイルス

 

こんにちは。

 

子どもが突然嘔吐した、下痢が止まらない…。乳幼児の胃腸炎で最も多いのがロタウイルス感染症です。

 

  • ロタウイルスってなに?
  • どんな症状があるの?
  • 大人も感染する?
  • ワクチンがあるって聞いたけど?

 

このような疑問にお答えしながら、今回はロタウイルスについて詳しく解説していきます。

 

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ロタウィルス感染症とはなにか?

 

ロタウィルス感染症の原因

 

その名の通り、ロタウイルスの感染によるものです。

 

ロタウィルス感染症の感染経路

 

ロタウイルス

 

主な感染経路はヒトとヒトとの間で起こる糞口感染です。

 

ロタウイルス胃腸炎の患者の便にはウイルスが大量に含まれています。

 

患者の便を処理したあと、たとえ十分に手洗いをしても手や爪に数億個ものウイルスが残っていることがあります。

 

そのため、ロタウイルスが付いた手指から口へ入ることで感染が広がっていくということです。

 

ロタウイルスは感染力が極めて高く、ウイルス粒子10~100個で感染が成立すると考えられています。

 

また、ロタウイルスは様々な環境でも安定して存在できるため、汚染された水や食物などを触った手からウイルスが口に入って感染が成立する可能性も指摘されています。

 

したがって、たとえどんなに衛生状態が良くてもロタウイルスの感染予防はきわめて難しいと考えられます。

 

ロタウィルス感染症の潜伏期間

 

通常、感染してから2〜4日後に症状が出現します。

 

ロタウィルス感染症の流行時期

 

例年、3月〜5月にかけて乳幼児を中心に胃腸炎の流行が起こりますが、この中にロタウイルスによる胃腸炎が多く含まれています。

 

ノロウイルスとの違い

 

感染性胃腸炎において、5歳未満の乳幼児に多いのはロタウイルスですが、大人に多いのはノロウイルスです。

 

ノロウイルスは、ロタウイルスと同様に嘔吐や下痢などといった症状を引き起こします。

 

感染してから発症するまでの潜伏期間は24~48時間と、ロタウイルスよりも短いのが特徴です。

 

ノロウイルスは吐き気や嘔吐が強く、ロタウイルスは水のような下痢が長く続く傾向があります。

 

また、ノロウイルスでは軽度の発熱で済むことが多いですが、ロタウイルスでは39℃を超える高熱が出ることがしばしばあります。

 

ノロウイルスは、遺伝子型の種類が多く進化のスピードも速いため、一度感染してもまた別の型のウイルスにかかるなど、何度も感染を繰り返し発症してしまうのです。

 

関連記事:【秋から冬にかけて注意】ノロウィルス感染症になる原因や症状、消毒方法を解説

 

ロタウィルス感染症の症状

 

ロタウイルス

 

ロタウイルスは小腸に感染し、腸からの水の吸収を妨げることで下痢を引き起こします。

 

通常は発熱(1/3の子どもに39℃以上の発熱がみられます)と嘔吐から症状が始まり、24~48時間後から水のような便を頻回に認めます。

 

主な症状は以下です。

 

  • 下痢(水っぽい下痢で、時に酸っぱい臭いの白い下痢がみられます。血便や粘血便は通常みられません)
  • 吐き気・嘔吐
  • 発熱
  • 腹痛

 

通常1~2週間で自然に治りますが、脱水がひどくなるとショックや電解質異常、腎不全などを引き起こし、時には命に関わることもあります。

 

脱水は他のウイルス性胃腸炎より重くなることが多く、主に生後4ヶ月〜23ヶ月の子どもに重度の脱水症がみられることがあります。

 

5歳未満の乳幼児では、全国で年間26,500〜78,000人がロタウイルス胃腸炎により、入院しています。

 

まれに脳炎・脳症を合併することもあり注意が必要です。

 

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乳幼児がロタウィルス感染症にかかりやすい理由

 

5歳までにほとんどの子どもがロタウイルスの感染を経験すると言われています。

 

ロタウイルスは感染を繰り返すごとにどんどん症状が軽くなり、大人では多くの場合、無症状です。

 

つまり、感染自体は子どもも大人もありますが、実際症状がみられるのはほとんどが子ども(乳幼児)であるため、子どもの病気として扱われています。

 

保育園などへの登園について

厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、ロタウイルス感染症における出席停止期間は特に定められていません。

 

嘔吐や下痢などの症状がおさまり、普段通りの食事がとれるようになれば登園を再開してもよいと考えられます。

 

なお、ロタウイルスは症状がおさまった後も10日前後は便とともにウイルスが排出されます。

 

周りの子への二次感染を防ぐためにも、登園を再開する際はロタウイルスに感染していたことを保育園に伝え、便の処理やこまめな手洗い、子どもが触れた場所や物(ドア、トイレの便座、本、おもちゃなど)の消毒を注意して行ってもらうようにしましょう

 

関連記事:【喉の痛みや熱】子供が溶連菌感染症になったときはどうする?学校や保育園は休むべき?

 

ロタウィルス感染症は大人にも移る?

 

ロタウイルス

 

 

ロタウイルスに感染している子どもと接触した成人のうち30~50%が感染すると言われています。

 

前述の通り多くの場合は、子どもの頃に感染した影響で無症状に終わることがほとんどです。

 

ただし成人でも発症する場合があり、ピークは20~30歳代と50~60歳代にみられます。

 

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ロタウィルス感染症の治療

 

ロタウイルス

 

ロタウイルスに対する抗ウイルス薬は現時点で開発されておらず、通常は対症療法が行われます。

 

特に乳幼児は脱水症状を起こしやすいので、こまめな水分補給が大切です。

 

脱水症状が重い場合は、入院し点滴などの治療が必要になることもあります。

 

下痢止め(止痢剤)は、ウイルスの排出を抑えて回復を遅らせる場合があるため、使用しないようにしましょう。

 

関連記事:子供がお腹を痛がるときはどうすればいい?考えられる腹痛の原因や危険なサインとは?

 

ロタウィルス感染症の予防接種について

 

ロタウイルス

 

ロタウイルス感染症は、前述の通り初回感染時の症状が最も重く、2回目以降の感染は症状が軽くなっていきます。

 

ロタウイルスワクチンはこの性質を応用し、重症化を予防することを目的として開発されたワクチンです。

 

我が国では2020年10月1日より定期接種となりました。

 

そのため、接種にかかる費用は無料です。

 

現在、我が国において承認されているロタウイルスワクチンは以下の2つがあります。

 

  • ロタウイルス胃腸炎患者から分離したヒトのロタウイルスを弱毒化して作られた1価経口弱毒生ワクチン(ロタリックス®
  • ヒトのロタウイルスおよびウシのロタウイルスの遺伝子を組換えて作られた5価経口弱毒生ワクチン(ロタテック®

 

それぞれのワクチンの接種のポイントについて以下の表にまとめました。

 

 

ロタリックス®

ロタテック®

接種回数

2回

3回

1回接種量

1.5ml

2ml

接種可能期間

生後6〜24週

生後6〜32週

最短接種間隔

前回接種から27日以上(4週間後)

 

いずれも初回の接種を生後6週から生後14週6日までに行います。

 

初回の接種を生後15週以降に受けることは推奨されていません。

 

2回目以降の接種は初回の接種から、27日以上の間隔をあけて行います。

 

なお、2回目以降は14週6日の前後いずれでも接種できます。

 

ワクチンの添付文書では、接種禁忌あるいは要注意となる人について以下のように記載されています。

 

下記に当てはまる、あるいは当てはまるかどうか不明な場合は、接種前に医師にご相談ください。

 

ロタウイルスワクチン接種禁忌者

・明らかな発熱を呈している者

・重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者

・本剤成分によって過敏症を呈した、あるいは過敏症が疑われる症状を発現した者

・腸重積症の既往のある者

・腸重積症の発症を高める可能性のある未治療の先天性消化管障害を有する者

・重症複合型免疫不全(SCID)を有する者

・その他予防接種を行うことが不適当な状態にある者

 
 
ロタウイルスワクチン接種要注意者

・心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者

・過去に痙攣の既往のある者

・免疫機能に異常がある疾患を有する者及びそのおそれがある者、免疫抑制をきたす治 療を受けている者、近親者に先天性免疫不全症の者がいる者

・胃腸障害(活動性胃腸疾患、慢性下痢)のある者

 

ワクチン接種後1週間程度はワクチンウイルスが便中に排泄されます。

 

これによって周囲の人が胃腸炎を発症する可能性は低いものの、便を取り扱う際には注意が必要です。

 

副反応としては易刺激性、下痢などが報告されていますが、いずれも一時的なもので通常は数日以内に回復し、重篤化することはまれです。

 

また、非常にまれではありますが、ワクチン接種後に腸重積症を発症したという報告があります。

 

腸重積症は、腸の一部が隣接する腸管にはまり込む病気で、腸の血流が悪くなって腸の組織に障害を起こすことがあるため、診断されたら速やかな治療が必要です。

 

ワクチン接種から1〜2週間程度は、腸重積症のリスクが通常より高まると言われています。

 

腸重積症の症状として、以下のものが挙げられます。

 

  • 突然はげしく泣く
  • 機嫌が良くなる/悪くなるを繰り返す
  • 嘔吐
  • 血便(イチゴゼリー状の粘血便)
  • ぐったりして顔色が悪い

 

接種後にこれらの症状が1つでもみられた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

 

なお、腸重積症はロタウイルスワクチンの接種にかかわらず乳幼児にみられる疾患であり、まれな病気ではありません。

 

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病院や家来るドクター(往診)でできる治療

 

前述の通り、ロタウイルス感染症は対症療法が基本となります。

 

家来るドクターでは、整腸剤などの処方がご自宅で受けられます(保険適用あり)。

 

脱水症状がひどい場合は、医療機関に入院し点滴などの治療を行う場合もあります。

 

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まとめ

 

いかがでしょうか。

 

今回はロタウイルスについて解説しました。

 

引き続き手洗い・うがいをこまめに行い、感染予防に努めましょう。

 

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執筆者

福井 康大

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