手が震える理由とは?ストレスが原因?考えられる病気や疾患を解説
投稿日: 2023年09月25日 | 更新日: 2024年08月06日
気が付いたら手が震えるという経験はありませんか?
医学用語では震えのことを、手の「振戦(しんせん)」と呼びますが、実は振戦には多くの原因があります。
中には大きな病気が隠れていることもあるので、手の震えが続くようであれば、一度最寄りの病院へ相談するようにしましょう。
今回はそんな手の震えの原因や、手の震えが出やすい人の特徴、病院へ行くべき理由などについて詳しく解説していきます。
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目次
手が震える原因とは
手が震える原因は、実は多岐に渡ります。
生理的振戦
生理的とは、生命活動をしていれば誰にでも一定程度みられる現象を指し、病的な意味合いはありません。
指の運動は神経によって緻密にコントロールされており、かすかな震えが生じることがあります。
本態性振戦
本態性とは、原因がはっきりしないと言う意味の医学用語になります。
つまり、本態性振戦とは、問題となるようなはっきりとした原因がなく、ふるえが出現する病気という事です。
別の言い方をすれば、震えること以外は問題がない、病気はないという事になります。
身体の病気の症状の一つ
色々な疾患で、手が震えると言う症状がみられます。
全てを列挙することが難しいので、代表的な疾患を列挙します。
最も多いのが、パーキンソン病と言う神経疾患です。
その他、甲状腺機能亢進症や、低血糖発作などといった内分泌代謝系の疾患や、脳出血や脳梗塞といった脳血管障害の後遺症などで見られます。
薬やお酒の離脱症状
お薬の中には手の震えを副作用とするものがあります。
薬剤性パーキンソニズムと言って、薬の副作用によってパーキンソン病と似た状態になってしまうことによって生じます。
また、お薬の中には、その薬を急に中断することによって手の震えが出現する物もあります。
ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状が代表例です。
また、お酒も、習慣的に長期に続けている場合、お酒が切れてくると手が震えると言う離脱症状が出現することがあります。
ストレスや緊張などの心的な要因
ストレスや不安、緊張は、神経系に影響を与えて手の震えを引き起こすことがあります。
緊張する状況下ではより顕著になります。
関連記事:立ちくらみの原因は病気?吐き気と肩こりとの関係性について
手が震えるときに考えられる病気
ここからは、手が震える際に考えられる病気などについて詳しく解説してきます。
本態性振戦
先述しましたが、本態性とは、原因がはっきりしないと言う意味の医学用語になります。
つまり、本態性振戦とは、問題となるようなはっきりとした原因がなく、ふるえが出現する病気という事です。
別の言い方をすれば、震えること以外は問題がない、病気はないという事になります。
症状が軽い場合は、特段の治療を必要としない場合もありますが、物をつかむことが難しい、文字を書くことが出来なくなったなど、日常生活に支障を来すようになれば、薬物療法などの適応になります。
甲状腺機能亢進症に伴うもの
喉の前面に甲状腺と言う小さな臓器があります。
主に代謝に関係しているホルモンを作っているのですが、何らかの原因により甲状腺からホルモンが過剰に出てしまう病気を甲状腺機能亢進症と呼びます。
甲状腺機能が亢進してしまうと、安静にしていても、激しい運動をしているのと同様な状態になります。
体重が減る、動機がする、大量に汗をかく、といった症状のほかに、手の震えも、この疾患では良く見られます。
パーキンソン病に伴うもの
パーキンソン病は、手の震え、動作緩慢、筋固縮、姿勢保持障害を特徴とする、神経疾患です。
ふるえは、静止時(力を入れていない時)におこり、手を動かすとふるえが小さくなります。
関連記事:パーキンソン病になりやすい人の特徴や症状とは?|原因から治療、社会サービスの解説
アルコール離脱に伴うもの
アルコールを習慣的かつ長期間続けていると、アルコールを急にやめた時や、アルコールが切れた時に離脱症状が出現することがあります。
離脱症状の一つに、手のふるえがあります。
アルコールを再度摂取すると症状がなくなるため、依存性が強くなる危険性があります。
脳血管障害の後遺症
脳血管障害は、脳出血や脳梗塞などの総称です。
手先の筋肉をコントロールしている神経領域が、脳出血や脳梗塞によって障害を受けると、後遺症として手が震えることがあります。
低血糖によるもの
著しい低血糖によって手の震えが生じることがあります。
特に糖尿病患者さんに多く見られます。
関連記事:糖尿病の症状|低血糖・高血糖別の違いは?三大合併症についても-横浜内科・在宅クリニック
薬剤性
お薬の中には手の震えを副作用とするものがあります。
薬剤性パーキンソニズムと言って、薬の副作用によってパーキンソン病と似た状態になってしまうことによって生じます。
また、お薬の中には、その薬を急に中断することによって手の震えが出現する物もあります。
ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状が代表例です。
心因性
ストレスや不安、緊張は、神経系に影響を与えて手の震えを引き起こすことがあります。
緊張する状況下ではより顕著になります。
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手の震えが出やすい人の特徴
ここでは、生理的な震えや、体の病気に伴う震えではない、本態性振戦について詳しく説明します。
本態性振戦は震えのみが症状の病気です。
言い換えると、震え以外の症状はみられないのが特徴です。
40歳以上では4%程度
65歳以上では5~14%程度
が本態性振戦の患者であるとの報告があります。
ご家族の中に本態性振戦を持っている方が多い場合は、若い方でも本態性振戦になる方もいらっしゃいます。
しかし、一般的には年齢を重ねるとともに増加傾向にあります。
裏を返せば、50歳未満で、本態性振戦の家系でないのに手が震える場合は、何らかの体の病気を発症している可能性もあります。
早めに病院を受診するようにしましょう。
本態性振戦では、一般的に運動時(手を動かしている時)に震えの症状が現れます。
本態性振戦と良く比較されるパーキンソン病の震えは、安静時(手を動かしていない時)に震えると言う特徴があります。
本態性振戦の震えは、症状が軽いうちは問題になりませんが、以下など、日常生活に不自由をきたすようになると治療が必要になります。
- 字が書きにくくなる
- お箸やスプーンなどが使いにくくなる
- 手に持ったコップの水がこぼれる
本態性振戦の原因は、まだよく分かっていませんが、精神的に緊張すると症状が悪くなることなどから、興奮したときに働く交感神経の関係が疑われています。
また、遺伝の関与も指摘されており、家族や親類にも同じように本態性振戦の人がいる場合は注意が必要です。
関連記事:子どもに多い起立性調節障害の症状とは|原因や治し方を解説
手の震えを治す治療方法は?
では、手の震えを治す際の治療方法はどんなものがあるのでしょうか?
以下では治療方法について詳しく解説していきます。
薬物療法
振戦の症状を軽減するために、薬物療法が行われることがあります。
主に使用されるのは、β遮断薬や、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗てんかん薬などによって、神経の過剰な活動を抑制します。
理学療法
理学療法は身体機能の改善と安全性に焦点を当てています。
筋力、バランス、柔軟性の改善を目指したエクササイズやストレッチング、リラクゼーションなどを通して、筋肉のコントロールを向上させることを目指します。
深部脳刺激(しんぶのうしげき(DBS))
特に重たいパーキンソン病の患者や、薬物療法に十分に反応しない患者に対しては、深部脳刺激(DBS)が選択肢となることがあります。
これは、特定の脳の領域に電気信号を送る装置を外科的に埋め込む手法で、振戦や他の運動症状を軽減します。
専門施設でのみ行われる治療であり、専門医との十分な検討が必要です。
生活習慣の改善
ストレスにより緊張状態が継続すると、交感神経が昂り、手のふるえにつながることがあります。
十分な睡眠、休養が必要です。
また、定期的な運動、バランスの取れた食事、良好な睡眠衛生、ストレス管理などの生活習慣の改善は、様々な病気の予防にとって非常に重要です。
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手の震えを感じたら病院へ行くべき理由
手の震えの原因で解説したように、甲状腺や低血糖といった内分泌・代謝性の疾患や、脳血管障害やパーキンソン病といった神経疾患、その他にもアルコールや現在の内服薬、そしてストレスなどの精神的な問題まで、原因は多岐に渡ります。
特に高齢者は、「年だから」と軽く考える方も散見されます。
しかし、どういった原因で手の震えが起こっているのかは病院で診察や検査などを行わないとわかりません。
一度医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。
関連記事:突発性難聴になったら放置せずにすぐに病院へ行くべき理由を解説
家来るドクター(往診)での対応方法
家来るドクターは、夜間休日の急な体調不良や、ケガなどの際にお電話での医療相談・往診受付を行っています。
手の震えに対しては、家来るドクターとして往診へお伺いし診察まで出来ることは少ないですが、問診を行い、場合によっては専門医へのご紹介を行います。
まずはお気軽にご相談いただければと思います。
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まとめ
今回は、手の震えの原因や、手の震えが出やすい人の特徴、病院へ行くべき理由などについて詳しく解説してきました。
いかがでしたでしょうか?
手が震えることを、手指の振戦と呼びます。
振戦には生理的振戦と言って治療を必要としない場合もありますが、中には体の病気や、お酒や薬の影響、ストレスなどが原因であることもあるため、一度検査をしてみましょう。
執筆者
経歴
- 名古屋市立大学 卒業
- 豊橋市民病院 初期研修医勤務
- 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
- 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
- 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
- 西春内科・在宅クリニック 副院長
- 横浜内科・在宅クリニック 院長
- >>詳しいプロフィールはこちらを参照してください。