急なめまい・立ちくらみが起きたら?夜間の対処法や原因と病院受診の目安について
急なめまいや立ちくらみは、突然起きると誰でも不安になるものです。
多くの場合は一時的なものですが、症状によっては救急を受診すべきケースがあります。夜間の判断基準と対処法、原因と受診の目安について医師が詳しく解説します。
この記事は次のような方に向けて書いています
- 急にめまいや立ちくらみが起きた
- 夜間に救急を受診すべきか判断したい
- 立ちくらみとめまいの違いを知りたい
目次
夜間・すぐに救急へ行くべきサイン
以下があるときは、夜間でもすぐに受診してください
- 失神・意識消失がある
- 胸の痛み・息切れ・動悸を伴う
- 手足の麻痺・言葉が出ない
- 症状が数十秒以上続く
手足の麻痺や言葉が出ない場合は119番へ。
以下のいずれかに当てはまる場合は、夜間・休日でも迷わず救急を受診してください。
失神・意識消失がある
立ちくらみに続いて失神したり、意識を失う場合は心臓や神経系の異常が隠れている可能性があります。至急救急を受診してください。
胸の痛み・息切れ・動悸を伴う
めまいや立ちくらみに加えて胸の痛みや息苦しさ、動悸がある場合は、不整脈・心筋症・大動脈弁狭窄症などの心臓の病気のサインである可能性があります。
手足の麻痺・言葉が出ない
めまいとともに手足の麻痺や言葉が出なくなる症状がある場合は、脳卒中の可能性があります。すぐに救急を受診してください。
症状が数十秒以上続く
立ちくらみは通常数秒〜長くても十秒程度ですが、数十秒以上持続する場合は注意が必要です。話せているか、手足は動かせるか、呼吸は正常かを確認し、重症度によっては救急車を呼ぶことも検討してください。
上記に当てはまらない場合は、以下の自宅対処法を参考にしてください。
夜間、病院に行くまでの自宅対処法
すぐにしゃがむ・横になる
めまいや立ちくらみを感じたら、すぐにしゃがむことで転倒などの二次災害を防ぎます。症状が落ち着いたらゆっくりと立ち上がるようにしましょう。目を閉じたり、部屋を暗くしたりするのも良いでしょう。
安静にして睡眠をとる
まずは安静にすることが大切です。吐き気などがなければ睡眠をとりましょう。場合によっては回復体位(横向きで安静に保てる姿勢)をとるようにしましょう。
水分・塩分を補給する
軽症の場合、多くは起立性低血圧や神経調節性失神が原因です。喉の渇きを感じなくてもこまめな水分摂取とともに塩分も少し補給することが重要です。症状が落ち着かない場合はできるだけ早めに医療機関を受診してください。
立ちくらみとめまいの違いは?
立ちくらみとめまいは、どちらも頭がふらっとする感覚を引き起こしますが、その原因や感じ方には大きな違いがあります。
立ちくらみは「血圧変動」による一時的なふらつきで、めまいは「平衡感覚の乱れ」による回転感や浮遊感です。
立ちくらみとめまいの比較表
| 立ちくらみ | めまい | |
| 起こりやすい状況 |
|
|
| 原因 |
|
|
| 感じ方 |
|
|
| 対処法 |
|
|
| 症状の持続時間 |
|
|
立ちくらみのメカニズムと低血圧の種類
立ちくらみは、めまいを感じたり、ふらふらしたりする症状です。体の血圧が低下することにより、一時的に脳への血液量が低下したり、酸素不足になることで起きる脳循環不全の症状です。
低血圧には以下の3つが挙げられます。
本態性低血圧
本態性低血圧とは、特定の原因がなく、遺伝的または体質的な要因によって生じる慢性的な低血圧のことです。朝起きるのがつらい、疲れやすい、頭痛やめまいを感じやすいなどの症状がみられます。若い女性に多く、治療の必要がないことが多いですが、症状がひどい場合は医師の指導のもとで対処することが求められます。
起立性低血圧
起立性低血圧とは、座っている状態や寝ている状態から急に立ち上がった際に血圧が急激に低下し、めまいやふらつき、失神などを引き起こす状態を指します。血管の調節機能の低下、長時間の臥床、脱水、ストレス、栄養不足などが原因として挙げられます。高齢者や一部の病気を持つ人に多くみられます。
二次性低血圧
二次性低血圧とは、他の病気や薬の副作用によって引き起こされる低血圧のことです。心臓病や糖尿病、甲状腺機能低下症、アジソン病などの疾患が原因となることが多く、原因となる病気の治療が優先されます。
関連記事:突然のめまい・吐き気・冷や汗は病気?原因や対処法を紹介
立ちくらみの原因となる病気
立ちくらみの主な原因には、脱水や急に立ち上がることにより血液が急に低下する「起立性低血圧」が挙げられます。その他の原因として、心臓の病気や脳・神経の病気、風邪などの体調不良、薬の副作用などがあります。
糖尿病神経障害
糖尿病による神経障害がみられると自律神経にも影響を及ぼします。血圧のコントロールが正常に機能できず低血圧状態となり、立ちくらみを起こすことがあります。
薬の副作用
薬の副作用から立ちくらみを起こすケースもあります。特に血圧を下げる薬や狭心症などの薬では注意が必要です。抗うつ薬や安定剤も起立性低血圧の症状を起こす可能性があります。
起立性低血圧を起こす可能性がある薬の種類は以下の通りです。
- α遮断薬(カルデナリン、エブランチル、ミニプレス、デタントールなど)
- 利尿薬(ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、K保持性利尿薬など)
- 中枢性α2受容体刺激薬(アルドメット、カタプレス、ワイテンスなど)
- ACE阻害薬(カプトプリル、エナラプリル、アラセプリルなど)
- 硝酸薬(アイトロール、ニトロールRカプセル、シグマートなど)
- β遮断薬(カルベジロール、ビソプロロールなど)
- Ca拮抗薬(アムロジン、アテレック、ペルジピンなど)
- 抗うつ薬(三環系抗うつ薬、セロトニン阻害薬など)
- 筋遮断薬(ミオナール、テルネリン、リンラキサーなど)
- 精神神経作用薬(ハロペリドール、レボメプラマジン、クロルプロマジンなど)
不整脈
不整脈とは脈が不規則の状態のことで、脈が1分間に50以下の場合を徐脈、100以上の場合を頻脈と言います。不整脈の症状が重症化することで、立ちくらみを起こすようになることもあります。最悪の場合、突然死に至るケースもあります。
肥大型心筋症
肥大型心筋症とは、心肥大を起こす原因となる高血圧や弁膜症などの病気がないのに心筋の肥大が起こる病気です。左室心筋の異常な肥大に伴って生じる左室の拡張機能の障害を主な特徴とします。症状がひどいと階段の上り下りだけで息切れを呈し、立ちくらみを起こします。
大動脈弁狭窄症
大動脈弁狭窄症とは、心臓の左心室と大動脈を隔てている弁の動きが悪くなり、全身に血液を送り出しにくくなる状態のことです。末梢血管が拡張して血圧が下がり脳の血流も低下するため、めまいや立ちくらみを起こします。
脳卒中
脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳の一部の働きが悪くなる病気です。脳卒中が原因となりめまいを引き起こす可能性があります。手足の麻痺や言葉が出ない症状を伴う場合は至急救急を受診してください。
脳腫瘍
脳腫瘍による症状には、頭痛や嘔吐、傾眠など頭蓋内圧亢進による症状、脳腫瘍によって直接圧迫された脳の機能が障害される巣症状・局所症状、けいれん発作の3つがあります。脳梗塞や脳出血の場合に立ちくらみを起こすことがあります。
神経変性疾患
神経変性疾患とは、神経細胞が徐々に障害を受け機能が低下していく病気の総称です。パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多系統萎縮症などがあります。自律神経の調節機能が低下することで血圧の維持が難しくなり、立ちくらみを引き起こすことがあります。
心因性めまい
心因性めまいとはうつや不安、ストレスなどが原因で起こるめまいです。回転しているような感覚や動揺感、目の前が暗くなる症状が数秒間持続します。他にも耳鳴りや頭痛、肩こりなどの自律神経の症状が起こることがあります。
貧血
貧血とは、ヘモグロビンという色素の濃度が低下した状態のことです。全身をめぐる酸素の量が少なくなって脳が酸素不足に陥り、めまいや立ちくらみを起こします。男性や高齢者の鉄欠乏性貧血は消化管出血の可能性があるため、黒い便や赤い便が出た場合には消化器内科を受診しましょう。
立ちくらみと吐き気が同時に起こる場合
立ちくらみと吐き気が同時に起こる場合の主な原因は以下の通りです。
起立性低血圧
最も多い原因です。急に立ち上がったときに血圧が急激に下がり、脳への血流が不足することで立ちくらみや吐き気を感じます。特に朝や長時間同じ姿勢を保った後に発生しやすく、症状は通常数秒から数分でおさまります。
低血糖症
血糖値が急激に低下すると、立ちくらみとともに吐き気、冷や汗、手足の震えなどが起こります。食事を抜いたときや激しい運動をした後に起こりやすく、糖分を補給すると改善することが多いです。
自律神経失調症
ストレスや生活習慣の乱れが自律神経のバランスを崩し、血圧や心拍の調整がうまくいかなくなります。立ちくらみや吐き気に加え、動悸や息切れ、疲労感を伴うことがあります。
メニエール病
内耳の異常による病気です。立ちくらみや吐き気とともに、回転性のめまいや耳鳴り、耳が詰まったような感覚が生じるのが特徴です。発作のように突然現れ、症状が数時間続くこともあり、症状が強い場合は耳鼻科での診察が必要です。
立ちくらみと肩こりの関係性
肩こりが進行して首の筋肉にも負担がかかり、首コリへ発展することで立ちくらみが起こることがあります。首コリがひどくなると、神経膜が圧迫されたり傷つくことで炎症を起こし、神経伝達がうまくいかず、立ちくらみや片頭痛、めまいといった症状が引き起こされます。
また、肩や首のコリによって首に通る血管が圧迫され、脳への血流が不足することも立ちくらみの原因になります。適度なストレッチやマッサージで肩や首の筋肉をほぐすことが予防になります。
関連記事:頭痛の原因|種類によって痛む場所は違う?対処法や外来での治し方
頻繁に起こる場合は早めに受診を
頻繁または継続的に立ちくらみが起きる場合は何らかの病気である可能性も否定できません。以下に当てはまる場合は早めに医療機関を受診してください。
日常生活に支障をきたしている
立ちくらみが度々起こり、仕事や家事などに支障をきたす場合、転倒のリスクも高まります。特に高齢者や体力が低下している方は転倒による骨折やケガの可能性もあるため注意が必要です。
失神・意識消失を伴う
立ちくらみに続き失神や意識がなくなる場合は、心臓や神経系の異常が隠れている可能性が高いため、至急医師の診察が必要です。
めまい・胸の痛み・息切れを伴う
不整脈や心筋症、大動脈弁狭窄症などが隠れていることもあるため、至急医師の診察を受けましょう。
症状が急激に悪化する
今まで経験がなかったのに突然頻繁に起こるようになったり、症状が急激に悪化する場合は、貧血や血圧・神経系の病気が疑われます。早期に受診して原因の特定と治療が必要です。
関連記事:脳貧血になったら病院へ行くべき?なりやすい人の特徴や症状を解説
まとめ|夜間対応フロー
夜間にめまい・立ちくらみが起きた場合の対応を3つに整理します。
- 救急サインを確認する
失神・意識消失/胸の痛み・息切れ/手足の麻痺・言葉が出ない/数十秒以上続く → 迷わず救急へ - 救急でなければ自宅で対処する
すぐしゃがむ・横になる/水分・塩分を補給する/安静にして休む - 迷ったら我慢せず早めに受診する
症状が落ち着かない・繰り返す場合は早めに受診してください。夜間・休日はPIT DOCTOR(木・金・土 19:00〜24:00 / 日・祝 10:00〜17:00)へお気軽にご連絡ください。
立ちくらみは病気や薬の副作用などさまざまな理由で起こります。少しでも不安に思われる場合は、お気軽に医療機関へご相談ください。
FAQ
立ちくらみ・めまいについてよくある質問
立ちくらみで救急に行くべきなのはどんなときですか?
立ちくらみとめまいはどう違うのですか?
立ちくらみが起きたときはどうすればいいですか?
PIT DOCTORでできる対応
PIT DOCTOR(ピットドクター)は、愛知県北名古屋市の夜間・休日ドライブスルー診療です。完全予約制で、お車に乗ったまま診察・検査からお薬のお受け取りまで完結します。
- 診療時間:木・金・土 19:00〜24:00 / 日祝 10:00〜17:00
- インフルエンザ・新型コロナ・溶連菌の迅速検査に対応
- 診察後、原則その場でお薬をお渡し(対応できないお薬は処方箋を発行)
※点滴・レントゲン・採血には対応していません。激しい胸の痛みや意識障害など緊急性の高い症状は救急車(119)をご利用ください。