頭痛で吐き気やめまいがする原因と対処法や、こわい頭痛の見分け方!
投稿日: 2022年03月01日 | 更新日: 2024年08月03日
頭痛は緊急性の高い頭痛と緊急性の低い頭痛(一次性頭痛)があります。
この記事では緊急性が高いものはもちろん、痛く辛いけれど緊急性の低い頭痛についてもご紹介しています。
頭痛は放置しておくと良くない症状もありますので、ご自身の症状が緊急性が高いものなのか、そうでないのかの参考にしてください。
緊急性の高い頭痛の場合はすぐにでも病院や家来るドクターにご相談ください。
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目次
痛くて辛いけど、緊急性は低い頭痛の原因
緊急性の低い頭痛(一次性頭痛)は大きく分けて緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛の3種類に分けられます。
それぞれの詳細は以下からご覧いただけます。
偏頭痛については
緊張型頭痛については
群発頭痛については
命にかかわる緊急性の高い頭の病気と症状や原因
くも膜下出血
脳実質を包み込んでいる3層の膜の隙間である「くも膜下腔」に出血が生じることにより引き起こされるものです。
吐き気の症状に加え、経験したことのないような突発的な激しい頭痛(雷鳴頭痛などとも言います)を特徴としますが、症状が軽い場合もありこのような特徴がないからと言って完全に除外することはできません。
出血量が多い場合、脳実質の圧迫による意識障害、突然死の原因ともなります。
脳出血
脳血管の破綻により出血が生じ、脳実質を破壊・圧迫を引き起こすものです。
小脳、後頭葉、皮質下といった部位で生じやすいとされています。
ただし、どのような症状が現れるかは出血量(血腫の大きさ)や部位によっても大きく異なり、頭痛や吐き気の症状に加え、最悪の場合、意識障害や呼吸不全に至ることもあります。
関連記事:慢性硬膜下血腫を放置するとどうなる?認知症などの症状や手術について
脳腫瘍
脳腫瘍の種類に関する詳細は本項では割愛いたしますが、脳腫瘍による頭痛の原因は大きく2つあり、一つは頭蓋内圧亢進による症状、もう一つは局所神経刺激によるものです。
前者には早朝の起きがけに最も症状が強くなるという特徴があります。
後者は脳腫瘍の成長などに伴って痛覚につながる神経を刺激することにより引き起こされます。
吐き気の症状に加え、発熱を伴うことも多くあります。
高血圧性脳症
異常な血圧上昇により脳浮腫をきたし、頭痛などの症状を引き起こすものです。
もともと高血圧症、妊娠高血圧症候群、慢性腎不全などの基礎疾患をお持ちの方に生じやすいとされています。
後頭葉が呼応発部位とされており、この場合、後述する視覚障害につながることがあります。
主な症状は激しい頭痛、吐き気、嘔吐、全身けいれん、意識障害などで、視覚障害が生じることもあります。
脳動脈解離
外傷性やその他の何らかの原因で脳動脈壁の内部に出血が生じ、動脈壁が裂けるものです。
一側性(片側)に突然発症する頭痛を特徴としますが、それだけでは診断ができず、「延髄外側症候群」などのような様々な随伴症状を参考に診断することとなります。
また吐き気の症状も出てきます。
これまでに経験したことのない新規頭痛の場合には積極的に疑います。
本疾患によってくも膜下出血を来すことや、脳梗塞などの虚血性脳血管疾患を来すこともあります。
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髄膜炎
脳および脊髄の表面を覆う髄膜に細菌、ウイルス、真菌などが感染することによって炎症を引き起こした状態です。
発症すると発熱、頭痛、吐き気・嘔吐・嘔吐などの症状を引き起こし、重症化すると意識消失やけいれんなどの神経症状を引き起こすこともあります。
巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)
大動脈およびその分岐した動脈に炎症を生じることにより、頭痛、吐き気、倦怠感、発熱、食欲不振など様々な症状を引き起こします。
側頭部にある動脈に炎症が生じることが多いため以前は「側頭動脈炎」という病名でした。
50歳以上の女性に多いとされており、頭痛の性状としては側頭部の拍動性(ずきずきとした)頭痛を特徴とします。
急性緑内障発作
何らかの原因で眼圧が急上昇する緑内障(閉塞偶角緑内障)を発症し、眼痛を伴う頭痛、視力・視野異常、吐き気、嘔気、嘔吐などの症状を引き起こします。
場合によっては速やかに失明してしまう可能性もあります。
頭部外傷後
文字通り、頭部外傷後に生じる頭痛を指します。
国際頭痛分類においては頭部外傷から、もしくは、意識の回復から7日以内に頭痛が発生していることが診断基準となります。吐き気の症状も引き起こします。
その他
これらの他にも下垂体卒中、脳炎、顎関節症、頭痛薬剤乱用性頭痛、高山性頭痛、飛行機頭痛、潜水時頭痛、精神疾患に起因する頭痛などがあります。
関連記事:慢性硬膜下血腫を放置するとどうなる?認知症などの症状や手術について
今すぐ病院に行くべき症状まとめ
全章に挙げました疾患を踏まえ、危険な頭痛の兆候には下記のようなものがあります。
- めまい・吐き気・嘔気・嘔吐を伴う頭痛
- 突然発症した頭痛
- かつて経験したことのない頭痛
- 強くなくとも普段とは特徴や性状、頻度が急に変化した頭痛
- 寒気、発熱、咳嗽、運動負荷により悪化する頭痛
- 眼痛、視力・視野障害を伴う頭痛
- 頭部外傷後の頭痛
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家庭や自分で出来る対処法
- もともと使用している頓用薬があれば服用する
- ストレスを軽減する
- 首や腕を動かす体操をする(激しい頭痛、片頭痛、頸部痛がある、発熱がある場合は禁忌です)
関連記事:休日や夜間に頭が痛くなってしまった場合の対処法と病院を受診するべき基準について
病院や家来るドクターでできる対応や治療について
緊急度の低い頭痛の時
診察のうえ一時的な症状の軽減を目的とした処方を行うことができますが、緊急度が高いと考えられる際にはその場で救急病院の受診を推奨させていただきます。
なお、緊急度が低い場合でも、中長期的なコントロールが重要な頭痛がほとんどですので、日中の病院受診を推奨します。
緊急度の高い頭痛の時
病歴・症状をお伺いし、緊急度が高いと考えられました際には救急病院の受診を推奨させていただきます。
上記いずれの場合でも、家来るドクターへのご相談の際には、
いつ頃から、痛みの頻度、強さ、部位、持続時間、頭痛以外の症状の有無、薬の使用の有無
などを詳しくお聞かせくださいますと、より適切な判断が可能となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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まとめ
頭痛の原因は非常に多岐に渡ります。
原因のおおまかな見当がつくこともありますが、最初はなかった症状が後から顕在化してくることも多くあります。
医療機関であっても、初期の段階で正確な診断がつかないことはけっして珍しくありません。
上記の「今すぐ病院に行くべき症状まとめ」に該当せずとも、対応に迷われた場合には、ぜひ、家来るドクター、かかりつけ医、救急病院へご相談ください。
執筆者
専門分野
糖尿病・内分泌
学会専門医・認定医
- 日本内科学会認定内科医
- 日本糖尿病学会専門医
- 日本医師会認定産業医