カロナールとロキソニンの違いとは?使い分け方はある?
投稿日: 2024年08月27日 | 更新日: 2024年09月20日
日常生活で頭痛や歯痛などの痛みに悩んだことはありませんか?
そんな時、手軽に使える痛み止めとしてカロナールとロキソニンがよく使われますが、どちらを選べばよいか迷うこともあるでしょう。
ここでは、カロナールとロキソニンの違いや、使い分け方について詳しく説明します。
目次
カロナールとロキソニンの違い
まずは、カロナールとロキソニンの基本的な違いについて理解しましょう。
それぞれの薬の仕組みや副作用の違いについて説明します。
カロナールとは
カロナールは、アセトアミノフェンを主成分とする解熱・鎮痛剤です。
多くの国で広く使われている薬です。
カロナールは脳内の視床下部に働きかけて体温を調整し、痛みの信号を抑えることで鎮痛・解熱作用を発揮します。
ロキソニンと比べて効果の効きは穏やかですが、副作用が比較的少ないため、小児から妊婦の方にも処方できます。
注意点としては肝臓に負担をかけるため、肝機能に持病のある方や、カロナールにアレルギーのある方は使用は控えましょう。
ロキソニンとは
ロキソニンは、ロキソプロフェンを主成分とする非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。
炎症を引き起こすプロスタグランジンの生成を抑えることで、鎮痛・抗炎症作用を発揮します。
カロナールよりも痛みや発熱に対して速く、強く作用しますが、副作用も多い為注意が必要です。
しかしよく効くぶん注意点が多く、まず15歳未満の方は使用できません。
他にも胃腸や腎臓に負担がかかるため、十二指腸潰瘍や腎臓病などの持病のある方も医師との相談が必要です。
カロナールとロキソニンの比較表
項目 |
カロナール |
ロキソニン |
有効成分 |
アセトアミノフェン |
ロキソプロフェン |
作用メカニズム |
脳に働きかけ、痛みの信号をブロック |
プロスタグランジンの生成を抑制 |
副作用 |
胃腸障害やアレルギー反応が少ない。肝機能障害がある。 |
胃腸障害、腎機能障害、アレルギー反応、心血管系リスク |
鎮痛効果 |
中程度 |
強い |
主な使用形態 |
内服薬、坐剤 |
内服薬、外用薬 |
代謝臓器 |
肝臓 |
腎臓 |
関連記事:片頭痛の原因や治し方を解説|おすすめの市販薬も紹介
カロナールとロキソニンの使い分けは?
ロキソニンは小児と妊婦の方には使用できない為、そういった場合にはカロナールを使います。
また、ロキソニンは胃腸が弱い方には不向きなので、まずはカロナールを使うことが一般的です。
さらに、カロナールとロキソニンは様々な製剤があるため、状況に応じて使い分けることもできます。
カロナールの製剤
内服薬でも細かく分かれ、錠剤、粉薬、甘くコーティングされたドライシロップ、液状のシロップがあります。
小児の方は、他の飲料に混ぜて飲みやすくできる、ドライシロップと液状のシロップがおすすめです。
他にも外用薬としてお尻から吸収される坐薬があります。
坐薬は内服薬が難しい場合や、嘔吐症状がある小児におすすめです。
ロキソニンの製剤
内服薬は錠剤と細粒、液剤しかありませんが、外用薬には様々なレパートリーがあります。
テープ剤やゲル、ローションがあり、関節痛や筋肉痛に直接塗布することで効果を発揮します。
外用薬は内服薬と異なり、胃腸への負担が少なく、痛みがある部分にピンポイントで使用できるのが特徴です。
カロナールとロキソニンはどっちが強い?
解熱・鎮痛効果の強さについては、一般的にロキソニンの方が強いとされています。
カロナールは効果は穏やかだが、副作用が少ないのが特徴です。
一方、ロキソニンは効果が強い反面、副作用が起きやすいとされています。
どちらの薬も、次のような副作用が報告されています。
- 腹痛
- 吐き気
- 下痢
- むくみ
関連記事:アセトアミノフェンの重大な副作用とは?効果と併せて解説
カロナールとロキソニンを併用する場合の間隔は?
まずカロナールとロキソニンの併用は、あまり推奨されていません。
これは、根本的な治療にならず、思わぬ副作用を引き起こす可能性があるためです。
痛みや熱が改善しない場合は、他の原因を探して適切な治療法を行うため、医師に相談してみましょう。
ただ、どうしてもという場合は異なる治療効果を及ぼす仕組みを持つため、併用することは可能です。
ですが併用する場合は服用の間隔を適切に保つことが重要で、4~6時間の間隔を必ず空けてください。
カロナールやロキソニンを飲み過ぎるとどうなる?
薬の過剰摂取はどんな場合でも健康に悪影響を及ぼします。
特にカロナールとロキソニンは、それぞれ異なる臓器に負担をかけるため、注意が必要です。
カロナール
カロナールは肝臓で代謝されるため、多量に摂取すると肝機能障害を起こす可能性があります。
症状としては黄疸(皮膚や白眼が黄色くなる)、尿の濃さが濃くなるなどが現れます。
ロキソニン
ロキソニンは腎臓で代謝されるため、腎機能障害を起こす可能性があります。
腎臓の持病がある方は悪化する可能性があり、むくみ、頻尿、動悸や息切れといった症状が出ます。
また、胃にも負担をかけてしまうため、胃潰瘍や胃炎を起こすリスクもあるので注意が必要です。
過去に服用した際、腹痛や吐き気が出た方には胃薬と一緒に処方します。
関連記事:頭が痛い時の対処法や痛む場所ごとの原因、コロナとの関係性について
医師によるカロナール・ロキソニンに対する意見
成人ではロキソニンが解熱薬・鎮痛薬として最初に選ばれることが多いですが、中には十分な効果が得られない人もいます。
そのような場合は、カロナールを使用するのが望ましいです。
カロナールはロキソニンと異なり、実は1回に摂取する量を増やすことができます。
1錠で効果が得られない場合は1.5錠、2錠と増やしていくことができ、副作用が少ない点も大きな利点となります。
実際の医療では末期がんの方がカロナールを頻繁に使用することが多いです。
末期がんの方の多くは高齢者であり、腎臓の機能が低下している人が多いので、疼痛の緩和ケアにおいては麻薬と同時併用にてカロナールが選択されることが多いです。
また成人女性の場合は必ず妊娠の有無を聞くようにしています。
ロキソニンは子ども、胎児には禁忌であるため、万が一妊婦さんであった場合に取り返しのつかないことがあるかもしれないからです。
家来るドクターでの痛み止めの処方について
家来るドクターでは、夜間休日の往診を行っております。
診察後、必要であればその場でカロナール・ロキソニンを含む、お薬の処方も可能です。
受診した方がいいのか分からないといったことも含めて、何かご不明な点があればお気軽にお電話ください。
また、オンライン診療も行っているので、緊急性の判断が必要な場合などで且つ、外来への受診が難しい場合などは是非ご活用ください。
まとめ
カロナールとロキソニンは、日常の痛みや炎症を和らげるために有効な薬です。
それぞれの特徴と副作用を理解し、適切に使い分けることが大切です。
ただし、どちらも解熱、鎮痛の効果はありますが、病気を根本的に治す薬ではありません。
一時的に症状を和らげるもの、ということを肝に銘じて使用しましょう。
もし症状が長引いたり、改善が見られない場合は、早めに医療機関を受診してくださいね。
参考文献
解熱鎮痛薬「カロナール(アセトアミノフェン)」 – 巣鴨千石皮ふ科
解熱鎮痛薬のロキソニンとカロナール。1分でわかる、作用や効果・副作用の違い – EPARK
ロキソニンとカロナール、どっちが強い?【薬剤師が解説】2つの痛み止めを比較&図解