こめかみの頭痛が1週間続くときの原因は?|治し方を解説
投稿日: 2023年04月24日 | 更新日: 2024年08月06日
仕事中や楽しい休日なのに頭がズキズキと痛い…。
特にこめかみが痛くなる頭痛は、長く続くとなかなか集中できず辛いですよね。
また、飲酒や徹夜をしたわけでもないのにこめかみの頭痛が起こることがあります。
一体何が原因なのでしょうか?
今回は、こめかみの頭痛の原因や対処法などについて詳しく解説していきます。
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目次
こめかみの頭痛が1週間続いたときに考えられる原因
風邪をひいた際の頭痛はよくみられる症状ですが、その場合は一時的なものです。
風邪の症状とともに数日で改善することがほとんどです。
では、こめかみの頭痛が1週間以上続くような場合は、一体何が原因として考えられるのでしょうか?
以下はこめかみの頭痛が起こる原因の疾患です。
偏頭痛(片頭痛)
頭の血管が何らかの原因で拡張し、三叉神経(*1)を圧迫することで起こります。
緊張性頭痛
首から肩にかけての筋肉が固くなることで起こる頭痛です。
原因として、肩こりや姿勢の悪さなどがあります。
群発頭痛
突然発症し1時間程度持続する片側性の頭痛です。
「人生で最も痛い」と言われるほどの強い痛みが特徴です。
人によっては目の奥の痛みを訴えることもあります。
脳卒中と症状が似ていますが頭蓋内には異常がなく、また症状を繰り返すことが特徴です。
副鼻腔炎
副鼻腔(*2)に炎症が起こることで生じます。
発熱や膿混じりの鼻水が出ることが多いです。
中耳炎
中耳と呼ばれる耳の中の部位に炎症が起こることで生じます。
耳の聞こえづらさなどが最初に出ることが多いです。
小児に多い病気ですが成人でも起こることがあります。
その場合は繰り返しやすいです。
顎関節(がくかんせつ)症
顎関節を構成する骨や筋肉などの異常で生じます。
食事中などに違和感を感じることが多いです。
中には顎の筋肉の痛みを頭痛と勘違いされる方もおられます。
側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)
自己免疫により顔の動脈に炎症が起こることで生じます。
頭痛以外にも持続する発熱などの症状がみられます。
腫瘍や出血による頭痛
腫瘍や出血により頭蓋内が圧迫されて起こります。
1週間以上頭痛だけが持続することはあまりありません。
意識障害や麻痺などの症状が出ることがほとんどです。
腫瘍や出血の部位によって症状が変わるため、頭部CT検査などの詳しい検査が必要です。
三叉神経(さんさしんけい)(*1)=顔の感覚を脳に伝える末梢神経のひとつ 副鼻腔(*2)=顔の骨の中にある空洞 |
関連記事:頭痛で吐き気やめまいがする原因と対処法や、こわい頭痛の見分け方!
左や右だけにこめかみの頭痛が起こるのはなぜ?
痛みの原因である神経や血管が片方だけ炎症が起こるからです。
片側に起こる頭痛で頻度が高いのは偏頭痛と群発頭痛です。
ただし、偏頭痛だからといって必ず片側にしか起こらないというわけではなく、両側に起こることもあります。
また、常に同じ部位に出るわけではありません。
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3つの頭痛の見分け方
特に頻度が高い頭痛は偏頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛です。
それぞれの痛みの特徴を以下で解説しています。
痛みは片側に多く、ズキズキとした痛みです。
このズキズキとした痛みを拍動性の痛みと表現されます。
これは血管の拍動に一致するためです。
また、頭痛以外の症状も多彩であり、吐き気や耳の詰まった感じなどがみられることもあります。
頭痛が起こる前に頭の違和感を感じることがあります。
その際に目の前にチカチカと輝く光が見えることがあります(閃輝暗点:せんきあんてん)。
太陽などの光や、体動で痛みが悪化する場合があるので注意が必要です。
痛みは数時間程度で収まりますが、長い時は2日程度続くこともあります。
原因として、睡眠不足や過労などのストレスや、カフェイン・アルコール摂取が挙げられます。
また、生理や天候によって引き起こされることがあります。
夕方以降に起こることが多いです。
これは、パソコン作業などで肩から首にかけての筋肉の血流が悪くなり筋肉が固くなるためです。
運動不足で悪化することも多いです。
睡眠や入浴で血流を良くし、緊張をほぐすことで改善します。
また、運動やストレッチにより頭痛が軽くなることもあります。
悪い姿勢や長時間のデスクワークを避けることで予防・改善が可能です。
突然出現する目の奥の痛みが特徴です。
この痛みは「人生最大の痛み」と形容されることがあり、脳卒中などが疑われることもあります。
痛みに伴って涙が出ることが多いです。
頭痛は数時間程度で収まりますが、発作を繰り返すことが特徴です。
頭痛が頻発すると、日常生活に支障が出ることもあります。
明らかな原因はわかっていません。
関連記事:片頭痛の原因や治し方を解説|おすすめの市販薬も紹介
こめかみの頭痛が起こりやすい状態・病気
頭痛が起こりやすい状態として脱水、熱中症、眼精疲労などがあります。
また、うつ病や膠原病(こうげんびょう)などでも頭痛が引き起こされることがあります。
これらの病気の場合は頭痛以外にも症状が出ることが多いため、頭痛のみで判断することは難しいでしょう。
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危険なサインかもしれないこめかみの頭痛について
これまでに挙げた頭痛は、一次的な(脳や全身に明らかな異常や病気がない)ものです。
緊急を要する頭痛ではありません。
ただし、二次性頭痛といって、脳出血などの重篤な疾患が原因として起こる頭痛も存在します。
特に以下の頭痛は注意が必要です。
- 頭をケガした後に起こった頭痛
- 意識障害、麻痺を伴う頭痛
突然起こる激しい頭痛も危険な兆候であり、これらの頭痛はただちに病院の受診が必要となります。
また、長期間続く、原因が不明な頭痛は、脳腫瘍による二次性頭痛も考えられます。
その場合は頭部CT検査などの詳しい検査が必要となります。
お早めに医師までご相談ください。
こめかみの頭痛を治す方法や対処法について
ご自宅でできる偏頭痛、緊張性頭痛の対処法について以下で解説しています。
偏頭痛
光や音の刺激で痛みが悪化することがあります。
静かな暗い部屋で休息してください。
また、カフェインが症状を悪化させる場合があり、コーヒーやチョコレートなどの摂取はお控えください。
辛いものなどの刺激物も頭痛を悪化させ、吐き気を起こす可能性もあるので注意が必要です。
緊張性頭痛
ストレッチや入浴は痛みを軽減させます。
筋肉のコリが原因なので、ストレッチポール(下記画像)などの器材を用いてストレッチを行うことで頭痛の軽減が期待できます。
また、長時間のデスクワークを行う場合は適度な休憩をとりましょう。
なお、どちらの頭痛も以下などの鎮痛薬が有効です。
- ロキソニン
- イブプロフェン
- タイレノール
薬局で購入される場合は、製品名と薬剤名が異なることがあるため薬剤師さんに確認するようにしてください。
ロキソニンは副作用として胃が荒れてしまうことがあるため、食後に内服するようにしましょう。
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家来るドクター(往診)での対応方法
患者さんやご家族が頭痛に対して適切な判断・対応をすることはなかなか難しい場合があるかと思います。
家来るドクターでは、医師が直接ご自宅に伺って診断を行い、適切な対応を行います。
危険な頭痛を疑う場合は専門病院への迅速な紹介も可能です。
頭痛が長く続く、普段の頭痛と痛みの性質や部位が異なる、他の症状があるなどの場合は、ぜひ家来るドクターまでご相談ください。
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まとめ
今回はこめかみの頭痛の原因や対処法などについて解説しました。
長く続く頭痛の多くは偏頭痛、緊張性頭痛であり大事に至ることはほとんどありません。
この記事が頭痛に悩む方々の助けになれば幸いです。
少しでもご不安・ご不明な点がある場合は、お気軽にご相談ください。
参考文献
・日本神経学会 / 日本頭痛学会 / 日本神経治療学会「頭痛の診療ガイドライン 2021」