クーラー病(冷房病)は自律神経失調症?症状や重症ケースを解説
投稿日: 2023年08月24日 | 更新日: 2024年08月06日
夏になると、ついクーラーをつけすぎてしまいますよね。
暑い夏を乗り切るためにクーラーはなくてはならない存在です。
しかし、使いすぎることによってクーラー病を起こしてしまう可能性があります。
クーラーを使いすぎることによる健康への影響について知っている人でもクーラー病についてご存知ではない方も多いと思います。
この記事ではクーラー病ってどんな病気なのか症状や、治し方などについて詳しく解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
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目次
クーラー病(冷房病)とは
クーラー病とは暑い屋外とクーラーの効いた屋内の気温差によって体調を崩してしまう病気のことを言います。
主に夏などの暑い季節に起こりやすく、気温差によって体温の調節機能が大きく変化することによって自律神経への負担が大きくなり発症すると考えられています。
人の体温は自律神経によって調節されていますが、自律神経は体温だけではなく、様々な体の機能を調節しています。
そのため、自律神経の働きに支障が出てしまうと、様々な症状をきたしてしまう可能性があります。
関連記事:熱中症の治し方や予防対策|熱射病や日射病との違いは?
クーラー病(冷房病)が夏の自律神経失調症といわれる理由
自律神経失調症とは、体の機能を維持する上で必要な自律神経のバランスが乱れてしまい、様々な症状を起こす病気を指します。
クーラー病は、屋内外の気温差によって、体温を調節する自律神経に負担をきたした結果、自律神経のバランスが崩れて体調が悪化してしまいます。
クーラー病は暑い夏に起こることが多いので、夏の自律神経失調症とも言われているのです。
関連記事:夏バテとは?どんな症状があるの?|予防対策や治し方を解説
クーラー病(冷房病)の症状
クーラー病は自律神経失調症とも言われていることから、多くの症状の原因になります。
それぞれの症状について解説していきます。
発熱、微熱などの体温の異常
屋内外の気温差に適応するために、人の体は自律神経を使って体温を調節しています。
自律神経は交感神経と副交感神経から構成されています。
交感神経は興奮やストレスを感じた時に働き、発汗や血管を収縮させたり、立毛筋を収縮させて皮膚の毛穴を引き締めることで体温の上昇に関係します。
逆に副交感神経はリラックスした状態や休息時に主に働き、血管を拡張させることで体温を下げる作用があります。
体温はこのように交感神経と副交感神経によって調整されます。
クーラー病では自律神経のバランスが崩れてしまうので、微熱や発熱などをきたす場合があります。
また、逆に体温を上げる調節が上手く働かず、手足の冷えを感じやすくなる場合もあります。
頭痛
頭痛の原因は肩こりや片頭痛などがありますが、クーラー病も頭痛の原因となることがあります。
寒暖差が激しい環境にいると、自律神経の作用によって、急に血流が変化してしまいます。
その結果、頭痛やめまいなどの症状を起こすことがあります。
吐き気
吐き気はめまいや消化器機能の異常などによって起こることがあります。
クーラー病によって自律神経の調節が上手く行かない時には、立ち上がった時などに急にめまいや低血圧を起こすことがあります。
また、胃腸の働きが低下してしまうこともあり、これらの症状に付随して吐き気が起こってしまうことがあります。
咳
クーラー病によって風邪に似た症状がでることがあります。
クーラーを使いすぎてしまうと、鼻やのどが乾燥してしまいます。
乾燥による刺激や、クーラーからでるホコリなどによるアレルギーの反応で咳がでてしまうこともクーラー病の1つの症状です。
食欲不振、下痢
自律神経は胃腸の消化吸収にも作用します。
特に副交感神経は胃腸への血流を増加させて消化吸収を促します。
しかし、自律神経のバランスが崩れると消化不良から食欲不振や下痢などの症状を起こしてしまう可能性があります。
だるい、疲れがとれない
クーラー病によって自律神経のバランスが乱れると、体は体温調節のためにエネルギーを使わなければいけません。
またクーラーの効いた涼しい環境では、手足の冷えなどの血行不良からだるさ、疲れやすさなどの症状を来たしてしまいます。
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クーラー病(冷房病)の重症化について
クーラー病では多くの症状がみられますが、放置しておくと進行していき重症化していく場合があります。
ここからクーラー病の症状の進行と重症化について解説していきます。
初めの症状は末梢血管が収縮することによって起こります。
冷房によって体が冷え始めると体は体温を保つために、手足の末梢血管が収縮します。
そのため、手足の冷えが自覚症状となります。
この時期では体を温めることで症状が改善します。
次に、体の冷えが体の深部にまで及び内臓が冷えることによる症状が出現します。
腰から下全体に冷えを感じ、内臓に悪影響が出てしまいます。
症状としては胃腸障害が出現しやすくなります。
最後が最も重症で、体全体に冷えを感じ、全身症状としてふらつきやめまい、疲労感などの症状がでる段階です。
この段階では少しの冷えでも頭痛がでるなど、生活に支障を来たしてしまいます。
関連記事:脱水症状の治し方を解説|速攻で効く方法やなりやすい人の特徴を紹介
クーラー病(冷房病)かもしれないチェックリスト
クーラー病は冷房が効きすぎることによって自律神経のバランスが崩れてしまう病気です。
しかし、全ての人に起こるわけではありません。
ここからクーラー病になりやすい人の特徴について解説していきます。
あてはまる人はクーラーを使いすぎないように注意するようにしてください。
✅普段から体温が低い |
もともと冷え性がある方は冷房で体が冷えることによってクーラー病を発症するリスクがあります。
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✅女性、高齢者 |
女性や高齢者は成人男性に比べて筋肉量が少ない傾向にあります。 筋肉は熱を発して体温を調節する作用があるので、女性や高齢者はクーラー病に特に注意することが必要です。
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クーラー病(冷房病)の治療について
クーラー病は予防が最も大切ですが、発症してしまった場合には対策を取らなければいけません。
ここからクーラー病の治療について解説します。
温かい飲み物や温かい食事を摂る
冷房によって体温が低下していることが多いので、温かい飲み物や食事を摂ることが有効です。
暑い季節で温かい飲食物の摂取が難しい場合には香辛料が効いた食事などを摂取すると体が温まる作用があるのでおすすめです。
暖かい場所で休息を取る
クーラーが効いた室内をでて、休息を取るようにしましょう。
急な気温の変化は体調不良の原因になるので、徐々に体を慣らすようにすることが大切です。
適度な運動を行う
軽い運動を行うことで体温の上昇や血行促進に役立ちます。
軽症の時期には特に有効です。
頭痛や倦怠感など症状が強いときにはウォーキングなどの軽い有酸素運動にとどめておくようにしましょう。
適切な服装をする
室内と室外の温度差を考慮して、適切な服装で過ごすことが大切です。
涼しい室内では薄い上着を羽織るなどして体が過度に冷えないように注意しましょう。
長時間の冷房を避ける
長時間の冷房使用を避け、使用する際には室温を下げすぎないようにしましょう。
クーラー病は以上のような対処法で症状が軽減される場合が多いです。
しかし、症状が持続したり重度である場合は、医療機関を受診することも検討してみてください。
家来るドクター(往診)での対応方法
頭痛や吐き気などの症状が強い場合には医療機関の受診が必要です。
家来るドクターでは、夜間休日などの病院の外来時間外にご自宅にお伺いし診察から処方までを行います。
往診の際には診断をするために問診と身体診察を行います。
寒気や頭痛、倦怠感などの症状があり、クーラーが効いていた環境にいたことがわかれば診断は可能です。
治療は基本的には対症療法といって症状を和らげる治療を行います。
頭痛や胃腸障害であれば鎮痛薬や整腸剤などのお薬を処方します。
水分がとれないほど症状が強い場合には点滴での治療や、近隣の病院へ紹介をすることも可能です。
症状が早く改善するように、治療に当たりますので、心配な症状がある時にはぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ
今回は、クーラー病ってどんな病気なのか症状や、治し方などについて解説してきました。
いかがでしたでしょうか?
クーラー病は暑い屋外とクーラーの効いた屋内の気温差によって自律神経のバランスを崩してしまうことで発症します。
様々な症状があり、高齢者や女性など体が冷えやすい方に発症することが多い病気です。
治療は基本的には対症療法です。
往診では症状に合わせて、早く病気がよくなるように適切に対処を行います。
気になる症状がある時にはいつでもご相談ください。
参考文献
‣健達ねっと|冷房病とはどんな病気?冷房病の治し方や対策などについて紹介
‣WELLNEST HOME|夏のクーラー病対策がストレスな方へ!エアコン1台で快適な家づくりのコツを解説
‣ヒロクリニック 心療内科|冷房病とは?原因や症状、治し方について解説【医師監修】
執筆者
専門領域
股・膝関節
資格・業績
日本整形外科学会整形外科専門医
医学博士
2017年 第66回東日本整形災害外科学会 学術奨励賞受賞
2019年 第68回東日本整形災害外科学会 学術奨励賞受賞
経歴
- 名古屋市立大学 卒業
- 豊橋市民病院 初期研修医勤務
- 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
- 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
- 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
- 西春内科・在宅クリニック 副院長
- 横浜内科・在宅クリニック 院長
- >>詳しいプロフィールはこちらを参照してください。