クラミジアは男性も女性もかかる?潜伏期間や感染経路、症状や治るまでの期間について

公開日:2022.6.2 更新日:2026.9.11

今回のテーマは「クラミジア」です。

クラミジアは最も多い性感染症であり、リスクは比較的高いものとなります。

クラミジアについて、正しい知識を持っていただきたいので、男女別にクラミジア症状や治療についてわかりやすく解説します。

この記事は次のような方に向けて書いています

  • クラミジアの症状や潜伏期間を知りたい
  • 男女で症状がどう違うか知りたい
  • 何科でどんな検査をするか知りたい

クラミジアとはなにか

クラミジア感染症は「クラミジア・トラコマティス」という病原菌が感染することによって症状が起こります。

日本で最も多い性感染症であり、感染者数は100万人以上といわれています。

特に10代後半から20代にかけての感染者が多いことが特徴です。

感染者数は10年程前から急増しており、20代前半では性交経験のある女性の10〜20%に感染しているとされています。

健常成人のクラミジアの保有率は男女とも3〜5%といわれているため稀な感染症ではなく、無症状患者も多いと考えられています。

また、クラミジアに感染していると、HIV(エイズウイルス)への感染率リスクを3〜5倍に増加させるといわれています。

関連記事:女性に多いカンジダ症ってどんな病気?男女別の症状や原因、治療について

身に覚えがない?クラミジアの感染経路と潜伏期間

感染経路や原因

クラミジアに感染する原因は性行為です。

性行為にはオーラルセックス、アナルセックスも含まれます。

クラミジアは粘膜から粘膜へと感染するため、感染者との粘膜レベルでの接触や分泌物を介して性器や咽頭に感染します。

クラミジア感染者と性交渉を行うと、30〜50%の程度の確率で感染するため1回の性行為によって感染する可能性が高いです。

性行為での感染は、女性の方が男性に比べて感染のリスクが高いとされています。

また、性行為だけでなく、キスもクラミジアに感染する原因の一つです。

一方で、プールや温泉など、性行為以外の場で感染することはほとんどありません。

潜伏期間について

感染から発症までの潜伏期間は、およそ1〜3週間となります。

この潜伏期間でも、性行為によって感染を起こします。

潜伏期間を超えた場合でも、およそ半数は無症状であるため感染に気付くことなく周囲に感染させてしまう可能性もあります。

男性のクラミジアの症状 

男性がクラミジアに感染した場合、初期は主に尿道を中心とした症状がみられます。

代表的な症状として、尿道のかゆみ、排尿時痛、尿道からの分泌物(透明や膿)があります。

治療を行わず放置していった場合は症状が悪化したり、精巣の脇にある精巣上体に炎症を起こしたりすることがあります。

精巣上体炎の症状としては、陰嚢の腫れや痛み、高熱、悪寒などがあります。

さらに悪化すると、陰部全体の炎症や、前立腺の炎症などを引き起こし、男性不妊や、歩行困難となることもあります。

女性のクラミジアの症状

女性がクラミジアに感染した場合、初期は主に子宮の入り口である子宮頚管を中心とした症状がみられます。

代表的な症状として、おりものの増加、不正出血、下腹部の痛み、排尿痛、性交痛などがあります。

女性は男性と比較すると症状は軽症である場合が多いです。

治療を行わず放置した場合は、卵管、卵巣、骨盤内そして腹腔内へと感染が広がっていくことがあります。

卵管、卵巣に炎症を起こした状態を付属器炎、感染が広がり骨盤内下腹部に及んだ状態を骨盤腹膜炎と呼び、症状としては発熱や強い下腹部痛がみられます。

ここまで炎症が及んでしまった場合、炎症によって卵管の周囲が癒着で硬くなってしまうため、卵管の機能不全を引きおこす可能性が高くなります。

卵管は卵巣から出てきた卵子をキャッチして子宮に運ぶ機能がありますので、機能不全に陥ってしまうと不妊の原因となります。

炎症がひどい場合は手術によって卵巣や卵管を切除しなければならない可能性もあります。

さらに炎症が広がって上腹部まで及んだ場合、肝周囲に炎症を起こしてしまうことがあります。

このように骨盤内の炎症が肝臓まで及んでしまう病態を総じてFitz-Hugh Curtis(フィッツフューカーティス)症候群と呼びます。

症状としては発熱に加え右上腹部痛や季肋部痛といった消化器疾患とよく似た症状を示します。

消化器科を受診しても、なかなか原因までたどり着くことができず、診断や治療が遅れてしまうことがあります。

淋病との違いは?

淋病は、クラミジアと症状がよく似ているため、症状だけでどちらの菌に感染しているかを判断することは非常に難しいです。

どちらの疾患も無症状患者が多いことも特徴的です。

また、20〜30%程度の患者さんでは淋病とクラミジアを合併しているとされています。

しかしながら、症状は似ていますが、治療については全く異なります。

クラミジアは抗生剤の内服で完治することがほとんどですが、淋病に対してクラミジア治療薬は効果がなく抗生剤の点滴や筋肉注射が必要となります。

そのため、ご自身で判断して間違った治療をおこなってしまうと全く効果がないうえに、どんどん悪化していってしまいます。

ですので病院で診断をつけて、正しい治療をおこなう必要があります。

関連記事:急増中『梅毒』はどんな病気?の原因と初期症状について

クラミジアかな?と思った時の対処方法  

「おや?おかしい、クラミジアかな?」と思ったときは病院を受診しましょう。

病院では次のような検査や治療がおこなわれます。

女性が行くべき診療科

女性が症状からクラミジアを疑った場合は、産婦人科あるいは性病科を受診しましょう。

男性が行くべき診療科

男性が症状からクラミジアを疑った場合は、泌尿器科あるいは性病科を受診しましょう。

どんな検査をするのか

女性の場合は膣分泌液を、男性の場合は尿を採取し、クラミジアの菌を確認することで感染を判断します。

方法としては、培養法、抗原検出法(PCR法など)があります。

培養法は採取物を特殊な培地の上に広げて菌を増殖させて観察することで診断します。

診断までは少し時間を要します。

抗原検出法(PCR法)は採取物中に含まれる菌の遺伝子を見つけることで診断します。

1-2日で診断をつけることが可能です。

また、血液検査で抗体価を測定する方法もあります。

血液検査の場合は過去の感染も反映してしまい、治療が終わっている患者さんでも陽性となるため行われない場合も多いです。

どんな治療をするのか

クラミジアは細菌であるため抗生剤が有効となります。

そのため、主な治療としては抗生剤の内服となります。

マクロライド系、ニューキノロン系、テトラサイクリン系の抗生剤が用いられます。

治療期間は長くて1週間程度となります。

ただし、炎症が広がってしまっている場合には、点滴で治療を行う必要があります。

内服期間を終えたのちに再検査を行って細菌がいないことを確認して完治と判断されます。

症状がなくなったためご自身で治療をやめてしまう患者さんもいますが、必ず内服を完遂し、再検査を行ってください。

また、近年、薬剤耐性菌が増えてきており、抗生剤の効果がみられない場合があります。

そのため、再検査を行って完治の確認をすることは非常に重要となります。

市販薬での対応は可能?

抗生剤は市販されていませんので、市販薬で完治することはありません。

症状が落ち着いてしまう場合がありますが、この場合でも菌は感染部位に残っているため、周囲への感染を引き起こしてしまいます。

不妊の原因となりますので、必ず病院に受診してください。

クラミジアの予防方法

前述のとおり、クラミジアは粘膜接触による感染です。

コンドームの使用で予防することができます。

オーラルセックスやアナルセックスのときにも使用することで予防できます。

一度感染した場合でも、正しい内服を行えば治癒できます。

感染予防だけでなく、再発の予防も重要となります。

感染が判明した場合はパートナーにも検査を受けてもらいましょう。

パートナーが無症状感染状態である場合、治療をおこなっても、再度感染を起こしてしまいます。

感染を交互に繰り返すため「ピンポン感染」と呼ばれています。

関連記事:ヘルペスはうつるの?原因や症状、治し方や口唇・性器ヘルペス・帯状疱疹について

まとめ

今回はクラミジア感染症について説明させていただきました。

無症状の患者も多いですが、不妊の原因になるなど放置しておくことが危険な病気であることがわかっていただけたでしょうか。

病院を受診していただければ治癒する可能性が高い病気です。

悪化する前の受診と治療を行いましょう。

性感染症は病院を受診することが恥ずかしいと思われる方も多いと思います。

正しい治療が必要ですので、パートナーと一緒に病院を受診していただくことが大切です。

また、一度かかって治癒した場合も、再発リスクを避けるような生活を送ってください。

FAQ

クラミジアについてよくある質問

クラミジアはどんな症状が出ますか?
男性は尿道のかゆみ・排尿時痛・尿道からの分泌物、女性はおりものの増加・不正出血・下腹部の痛みなどが代表的です。ただし約半数は無症状のため、気付かないうちに感染を広げてしまうことがあります。
クラミジアは放置するとどうなりますか?
男性は精巣上体炎や前立腺の炎症から男性不妊に、女性は卵管や骨盤内へ感染が広がり不妊の原因になることがあります。市販薬では完治しないため、必ず病院で抗生剤による治療を受けてください。
クラミジアの治療はどのくらいかかりますか?
主に抗生剤の内服で、治療期間は長くて1週間程度です。症状がなくなっても自己判断で中断せず内服を完遂し、再検査で完治を確認することが重要です。パートナーと一緒に検査・治療を受けないと「ピンポン感染」を繰り返します。

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