急性腸炎の症状と夜間の対処法|嘔吐・腹痛で病院を受診すべき判断基準
突然の腹痛、嘔吐、下痢が起きた。そんなとき、まず何をすればいいか迷う方は多いです。
急性腸炎は適切に対処すれば多くの場合1〜3日で回復しますが、症状によっては夜間・休日でも救急を受診すべきケースがあります。今回は夜間の判断基準と対処法、急性腸炎の原因・症状・治療について医師が詳しく解説します。
この記事は次のような方に向けて書いています
- 突然の腹痛・嘔吐・下痢が起きた
- 夜間に救急を受診すべきか判断したい
- 自宅でできる対処法を知りたい
目次
夜間・救急に行くべき判断基準
以下があるときは、夜間でもすぐに受診してください
- 血便が出ている
- 嘔吐がひどく水分が全く摂れない
- 脱水症状がひどく意識がもうろうとしている
- 激しい腹痛が続く・高熱が数日続く
- 腸閉塞などの合併症が疑われる
意識がもうろうとしている場合は119番へ。
以下のいずれかに当てはまる場合は、夜間・休日でも迷わず救急を受診してください。
血便が出ている
血液が混じった便は危険なサインです。虚血性大腸炎や重症の感染性腸炎の可能性があります。直ちに医療機関を受診してください。
嘔吐がひどく水分が全く摂れない
口から水分が摂取できない状態が続くと、急速に脱水が進行します。点滴での水分補給が必要なため、早急に受診してください。
脱水症状がひどく意識がもうろうとしている
めまい・倦怠感が強い、意識が朦朧とするなどの症状がある場合は重篤な脱水のサインです。特に幼児・高齢者は脱水が進行しやすいため注意が必要です。
激しい腹痛が続く・高熱が数日続く
38℃以上の高熱が数日続く、または腹痛が引かない場合は、感染が進行しているか合併症の可能性があります。
腸閉塞などの合併症が疑われる
腹部の膨満感が強い、ガスや便が全く出ないなどの症状は腸閉塞の可能性があります。速やかに救急を受診してください。
上記に当てはまらない場合は、以下の自宅対処法を参考にしてください。
夜間、病院に行くまでの自宅対処法
救急受診が必要なほどではないと判断した場合、受診までの間は以下のようにケアしてください。
こまめな水分補給を行う
下痢や嘔吐で失われた水分を補うため、経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつこまめに摂取してください。一度に大量に飲むと嘔吐を誘発することがあるため注意が必要です。
食事は控えて胃腸を休める
症状が強い間は無理に食事をせず、胃腸を休めることが回復への近道です。症状が落ち着いてきたら、おかゆや消化の良いものから始めてください。
下痢止めの安易な使用は避ける
感染性腸炎の場合、下痢は体がウイルスや細菌を排出しようとしている反応です。下痢止めを使うと回復が遅れる可能性があるため、自己判断での使用は避けてください。
安静にする
体力の消耗を防ぐため、できるだけ横になって休んでください。症状が落ち着かない、または悪化する場合はできるだけ早めに医療機関を受診してください。
急性腸炎とは
急性腸炎とは、胃や腸などの消化器官に炎症が急激に発生する病気で、突然の強い腹痛や下痢、嘔吐などの症状を、数日間伴うのが特徴です。
急性腸炎の原因によって、大きく「感染性腸炎」と「非感染性腸炎」に分けられます。
感染性腸炎はウイルスや細菌などの病原体が原因で、非感染性腸炎は食生活やストレス、血流障害などが原因です。
関連記事;腹痛と下痢が続くのはどんな病気?脱水症状に注意しよう
急性腸炎は2種類に大別される
感染性腸炎
感染性腸炎は、ウイルスや細菌、寄生虫などの病原体が原因で発症する腸炎です。
代表的なものに、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性腸炎や、サルモネラ菌やカンピロバクターなどの細菌性腸炎などがあります。
これらの病原体は、汚染された食品、水、または接触感染などで体内に侵入し、腸に炎症を引き起こします。また、感染力が非常に強いため、感染者の嘔吐物や下痢便の処理を適切に行う必要があります。
関連記事:大人のウイルス性・細菌性の胃腸炎の原因や症状、改善方法|嘔吐や下痢の原因?
非感染性腸炎
非感染性腸炎は、ウイルスや細菌などの病原体ではなく、体内のさまざまな要因が腸に影響を与えて生じる腸炎です。
食生活やストレス、血流障害など、さまざまな要因で引き起こされることが多く、原因の特定が難しいこともあります。感染性腸炎と違い、人へとうつる心配はありませんが、思い当たる要因を排除することが大切です。
急性腸炎の原因
感染性腸炎の原因は、ウイルスや細菌、寄生虫などの病原体による感染です。一方、非感染性腸炎は、複数の原因によって発症するため、以下で詳しく解説します。
暴飲暴食
急激な食事の取りすぎや脂っこいもの、刺激の強い食品を大量に摂取することで、消化器官に負担がかかり、腸に炎症が起こることがあります。特に普段から健康的な食生活をしていない場合、急な食べ過ぎが引き金となります。
食物アレルギー
特定の食物に対するアレルギー反応も、急性腸炎の原因の一つです。アレルギーを引き起こす食品を摂取すると、免疫系が過剰に反応して腸内に炎症が起こります。子どもやアレルギー体質の人に多くみられます。
虚血性大腸炎
虚血性大腸炎は、腸への血流が一時的に不足することで起こる腸炎です。加齢や動脈硬化などの血管障害で腸への血液供給が不足し、腸の一部が炎症を起こします。特に高齢者に多くみられる病気です。
ストレス
強い精神的ストレスや身体的疲労によって、急性腸炎を引き起こすことがあります。ストレスがかかると、胃酸の分泌が増え、腸の動きが鈍くなったり過剰になったりして消化器系に負担がかかります。さらに消化器官への血流が減少することで、腸内に炎症が起こりやすいです。
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急性腸炎の症状
急性腸炎の症状は多岐にわたり、生活の質に大きな影響を及ぼすことがあります。
腹痛
急性腸炎で最も一般的な症状が腹痛です。激しい痛みが腹部全体、もしくは特定の部分に現れます。特に食後や下痢の際に痛みが強くなり、波のように繰り返すことがあります。
下痢
水分を多く含む水様性の下痢が頻繁にみられるのが特徴です。1日に何度もトイレに行かなければならないほどの頻回な下痢が続き、日常生活に支障をきたすことがあります。感染性腸炎の場合は、原因となるウイルスや細菌を下痢と共に排出しているので、下痢止めの安易な使用は控えましょう。
関連記事:腹痛と下痢が続く原因|コロナの可能性は?治し方や病院での対処法を解説
吐き気や嘔吐
急性腸炎では、吐き気や嘔吐がよくみられます。特に感染性腸炎では、病原体が消化器系を刺激し、食欲不振と共に吐き気を引き起こします。そのため食事が摂れなくなることも多いです。
発熱
体の免疫反応として発熱を伴うことがあります。特に細菌性腸炎では、38℃以上の高熱が数日間続くこともあります。
血便
虚血性大腸炎や一部の感染性腸炎では、腸の内側が傷ついて出血し、血液が混じった便がみられることがあります。血便は危険なサインのため、直ちに医療機関を受診してください。
食欲不振
腸の炎症により消化機能が低下し、食欲不振が起こります。食べ物を見たり匂いを嗅ぐだけで吐き気を感じたり、気分が悪くなることもあります。
脱水症状
激しい下痢や嘔吐が続くと、体内の水分が失われ、脱水症状が起こります。口の渇き、めまい、倦怠感といった症状が現れます。特に幼児や高齢者では、脱水が進行しやすく重篤な状態になることがあるため注意が必要です。水分がとれない場合は、病院を受診するようにしましょう。
急性腸炎で入院が必要なケースと期間・費用
以下の状態になった場合は入院適応になることがあります。
- 嘔吐がひどく、口から水分が摂取できない
- 下痢が頻繁に起こる
- 脱水症状がひどく、意識障害を起こしている
- 腸閉塞などの合併症を起こしている
入院治療では、絶食をして胃や腸を休め、点滴で水分やミネラル、ビタミンを補給します。入院期間はおよそ2日〜1週間程度です。
入院費用は入院期間や部屋のタイプ、治療内容によって異なりますが、健康保険適用で自己負担3割の場合、4〜6日の入院で約80,000円前後かかることが多いです。合併症の治療が必要な場合はさらに費用がかかるため、事前に医療機関で確認することをおすすめします。
関連記事:水下痢の原因とは?腹痛がないのに止まらないのはなぜ?
急性腸炎は何日で治る?治ったサインは?
原因や症状の重さ、個人の体調によって回復期間は異なりますが、適切に対処すれば1〜3日で症状が軽減することが多いです。
治ったと判断できるサイン
症状の消失
腹痛が完全に消え、下痢が通常の便に戻れば、腸の状態が改善しているサインです。
固形の便が確認できる
水様性の下痢が治まり、正常な固形の便が出るようになれば、腸の機能が回復しているサインです。
食欲が戻る
食欲が戻り、通常の食事を摂取できるようになれば、消化器系が正常に機能し始めているサインです。食事をしても吐き気や腹痛がなければ、回復していると言えます。
体力や気力の回復
疲れや倦怠感がなくなり、日常生活を以前のように過ごせることは回復の良い兆候です。
注意すべき点
症状が1週間以上続く
急性腸炎は数日で改善しますが、1週間以上症状が続く場合は他の病気の可能性も考えられます。
高熱や激しい腹痛が続く
高熱が続いたり腹痛が引かない場合は、感染が進行しているか他の合併症の可能性があります。
血便や脱水症状がみられる
血便や重度の脱水症状は危険なサインです。上記3つのいずれかに該当する場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
まとめ|夜間対応フロー
夜間に急性腸炎の症状が起きた場合の対応を3つに整理します。
- 救急サインを確認する
血便・水分が全く摂れない・意識がもうろうとする・激しい腹痛が続くといった症状があれば迷わず救急へ - 救急でなければ自宅で対処する
経口補水液で水分補給/食事を控えて安静/下痢止めの安易な使用は避ける - 迷ったら我慢せず早めに受診する
症状が落ち着かない・悪化する場合は早めに受診してください。夜間・休日はPIT DOCTOR(木・金・土 19:00〜24:00 / 日・祝 10:00〜17:00)へお気軽にご連絡ください。
急性腸炎は多くの場合1〜3日で回復しますが、症状が長引いたり重症化していると感じたら、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
FAQ
急性腸炎についてよくある質問
急性腸炎で夜間でも救急に行くべきなのはどんなときですか?
下痢止めは使ってもいいですか?
急性腸炎は何日くらいで治りますか?
PIT DOCTORでできる対応
夜間・休日の急な腹痛や嘔吐もお気軽にご連絡ください。
木・金・土:19:00〜24:00 / 日・祝:10:00〜17:00
当院で対応できる場合
吐き気止めや整腸剤、解熱鎮痛剤の処方が可能です。点滴が必要と判断した場合は、処置が可能な医療機関への紹介を行います。
専門病院への受診が必要な場合
血便・意識障害・腸閉塞の疑いなど、より専門的な処置が必要と判断した場合は、適切な救急病院をご案内します。「救急に行くべきか判断できない」という場合もお気軽にご相談ください。

