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立ちくらみの原因は病気?吐き気と肩こりとの関係性について

投稿日: 2024年05月24日 | 更新日: 2024年10月11日

立ちくらみ

 

立ちくらみとは、立ち上がった時にふらつくなど、経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

よくある立ちくらみですが、実は、危険な病気のサイである可能性があります。

 

本記事では、立ちくらみの原因になる可能性の病気や、薬の副作用からなる立ちくらみをご紹介します。

 

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立ちくらみのメカニズム

 

立ちくらみ

 

立ちくらみは、めまいを感じたり、ふらふらしたりする症状です。

 

体の血圧が低下することにより、一時的に脳への血液量が低下したり、酸素不足になることで起きる脳循環不全の症状です。

 

低血圧には、以下の3つが挙げられます。

 

  1. 本態性低血圧
  2. 起立性低血圧
  3. 二次性低血圧

 

低血圧の種類

本態性低血圧

本態性低血圧とは、特定の原因がなく、遺伝的または体質的な要因によって生じる慢性的な低血圧のことです。

一般的に症状は朝起きるのが辛い、疲れやすい、頭痛やめまいを感じやすいなど、日常生活に支障をきたすことがあります。

若い女性に多く見られ、血圧が安定しにくいことが特徴です。

治療の必要がないことが多いものの、症状がひどい場合は生活習慣の改善や医師の指導のもとで対処することが求められます。

 

起立性低血圧

起立性低血圧とは、座っている状態や寝ている状態から急に立ち上がった際に血圧が急激に低下し、めまいやふらつき、失神などを引き起こす状態を指します。

原因としては、血管の調節機能が低下していることや、長時間の臥床、脱水、ストレス、栄養不足などが挙げられます。

高齢者や一部の病気を持つ人に多くみられ、症状が頻繁に起こる場合は医師の診察や生活習慣の見直しが必要です。

 

二次性低血圧

二次性低血圧とは、他の病気や薬の副作用によって引き起こされる低血圧のことです。

心臓病や糖尿病、甲状腺機能低下症、アジソン病などの疾患が原因となることが多く、薬物治療や病気の管理を行うことで改善が期待できます。

症状としてはめまいや疲労感、集中力の低下が挙げられ、基礎疾患が原因であるため、低血圧自体の治療ではなく、原因となる病気の治療が優先されることが一般的です。

 

関連記事:突然のめまい・吐き気・冷や汗は病気?原因や対処法を紹介

 

立ちくらみの原因

 

立ちくらみ

 

立ちくらみの主な原因には、脱水や急に立ち上がることにより血液が急に低下する「起立性低血圧」が挙げられます。

 

起立性低血圧は、ふらつきや、目の前が暗くなる、意識が遠くなるなどの感覚をともないます。

 

その他の原因として、心臓の病気や脳・神経の病気、風邪などの体調不良、薬の副作用などがあります。

 

ここからは、どのような病気が原因になるか詳しく見ていきましょう。

 

糖尿病神経障害

糖尿病による神経障害がみられると自律神経にも影響を及ぼします。

 

汗をかきにくい、尿意を感じない、排泄が困難になる症状以外にも、血圧のコントロールが正常に機能出来ず低血圧状態となり、立ちくらみを起こすことがあります。

 

薬の副作用

 

薬の副作用から立ちくらみを起こすケースもあります。

 

特に、血圧を下げる薬や狭心症などの薬では注意が必要です。

 

その他にも、抗うつ薬や安定剤も起立性低血圧の症状を起こす可能性があります。

 

起立性低血圧を起こす可能性がある薬の種類は以下の通りです。

 

  • α遮断薬(カルデナリン、エブランチル、ミニプレス、デタントールなど)
  • 利尿薬(ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、K保持性利尿薬など)
  • 中枢性α2受容体刺激薬(アルドメット、カタプレス、ワイテンスなど)
  • ACE阻害薬(カプトプリル、エナラプリル、アラセプリルなど)
  • 硝酸薬(アイトロール、ニトロールRカプセル、シグマートなど)
  • β遮断薬(カルベジロール、ビソプロロールなど)
  • Ca拮抗薬(アムロジン、アテレック、ペルジピンなど)
  • 抗うつ薬(三環系抗うつ薬、セロトニン阻害薬など)
  • 筋遮断薬(ミオナール、テルネリン、リンラキサーなど)
  • 精神神経作用薬(ハロペリドール、レボメプラマジン、クロルプロマジンなど)

 

不整脈

不整脈とは脈が不規則の状態のことで、脈が1分間に50以下の場合を徐脈、100以上の場合を頻脈と言います。

 

多くの人が程度の差はあるものの不整脈の症状を呈しています。

 

不整脈の症状が何らかの理由で重症化することで、立ちくらみを起こすようになることもあるようです。

 

最悪の場合、突然死に至るケースもあります。

 

肥大型心筋症

肥大型心筋症とは、心肥大を起こす原因となる高血圧や弁膜症などの病気がないのに心筋の肥大が起こる病気です。

 

具体的には、左室心筋の異常な肥大に伴って生じる左室の拡張機能の障害を主な特徴とします。

 

症状が軽ければときどき胸の違和感を訴える程度ですが、酷い方だと階段などの上り下りだけで息切れなどを呈し、立ちくらみを起こします。

 

大動脈弁狭窄症

大動脈弁狭窄症とは、心臓の左心室と大動脈を隔てている弁の動きが悪くなり、全身に血圧を送り出しにくくなる状態のことです。

 

症状が進行するとポンプ機能が低下して、左室から大動脈に送り出される血圧の量が減ります。

 

その結果、階段を上ったり荷物を持ったりした時に末梢血管が拡張して血圧が下がり脳の血流も低下してしまうため、めまいや立ちくらみを起こします。

 

脳卒中

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳の一部の働きが悪くなり、身体の働きが悪くなる病気です。

 

脳卒中が原因となりめまいを引き起こす可能性があります。

 

脳腫瘍

脳腫瘍には、3つの症状があります。

 

1つは頭痛や嘔吐、傾眠など頭蓋内圧亢進という症状で起きます。

 

これは、脳腫瘍が出来ることで、頭蓋骨で囲まれた内部の圧力が高くなることにより起こる症状です。

 

もう1つは、巣症状や局所症状と呼ばれる症状で、脳腫瘍によって直接圧迫された脳の機能が障害されることで起きます。

 

最後は、脳の一部が興奮することで起きるけいれん発作です。

 

これらは、発症する病気の種類や場所によって異なり、脳梗塞や脳出血の場合に立ちくらみを起こします。

 

神経変性疾患

神経変性疾患とは、神経細胞が徐々に障害を受け、機能が低下していく病気の総称です。

 

代表的なものとして、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多系統萎縮症などがあります。

 

これらの疾患では、自律神経の調節機能が低下することで血圧の維持が難しくなり、立ちくらみを引き起こすことがあります。

 

パーキンソン病の場合、血圧をコントロールする機能が低下することによって、起立性低血圧が生じやすく、立ちくらみや失神を伴うことが多いです。

 

心因性めまい

心因性めまいとはうつや不安、ストレスなどが原因で起こるめまいです。

 

めまいの症状として回転しているような感覚や動揺感、目の前が暗くなる症状が数秒間持続します。

 

他にも耳鳴りや頭痛、肩こりなどの自律神経の症状が起こることがあります。

 

貧血

貧血とは、血液の成分であるヘモグロビンという色素の濃度が低下した状態のことです。

 

全身をめぐる酸素の量が少なくなって脳が酸素不足に陥り、めまいや立ちくらみを起こします。

 

貧血の原因でもっとも多いのは鉄欠乏性貧血で、ヘモグロビンの材料となる鉄が不足すると、赤血球の働きが悪くなり酸素をうまく全身に運べなくなります。

 

男性や高齢者の鉄欠乏性貧血は、消化性潰瘍や癌などの消化管出血の可能性がある為、黒い便や赤い便が出た場合には消化器内科を受診するようにしましょう。

 

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立ちくらみの治し方・対処法

 

立ちくらみ

 

実際に立ちくらみが起きた場合の治し方や対処法についてご紹介していきます。

 

まずは安静にする

一番は安静にすることです。

 

吐き気などが無ければ睡眠をとりましょう。

 

平均7時間程度の睡眠時間を確保するのがベストです。

 

場合によっては回復体位という、横向きで安静に保てる姿勢をとるようにしましょう。

 

可能なら水分を摂取する

軽症である場合、多くのケースは起立性低血圧や神経調節性失神が多いでしょう。

 

病気がない場合、喉の渇きを感じなくてもこまめな水分摂取とともに塩分も少し補給することが重要です。

 

長時間続く場合は救急に連絡する

話せているか、手足は動かせるか、呼吸は正常かの確認をしましょう。

 

立ちくらみは通常は数秒~長くても十秒くらいですが、数十秒持続するのであれば注意が必要です。

 

重症度によっては救急車を呼ぶことも検討してください。

 

すぐにしゃがむ

めまいや立ちくらみが起こると転倒する可能性があります。

 

めまいや立ちくらみを感じた時は、すぐにしゃがむことで、神経調節性失神や起立性低血圧に伴う転倒などの二次災害を防ぎます。

 

症状が落ち着いたらゆっくりと立ち上がるようにしましょう。

 

他にも目を閉じたり、部屋を暗くしたりするのも良いでしょう。

 

関連記事:生あくびは危険?あくびとの見分け方や吐き気が起きた時の対処法

 

立ちくらみとめまいの違いは?

 

立ちくらみ

 

立ちくらみとめまいは、どちらも頭がふらっとする感覚を引き起こしますが、その原因や感じ方には大きな違いがあります。

 

立ちくらみは「血圧変動」による一時的なふらつきで、めまいは「平衡感覚の乱れ」による回転感や浮遊感です、

 

立ちくらみとめまいの比較表

  立ちくらみ めまい
起こりやすい状況

 

  • 急に立ち上がったとき

 

  • 座っているときや寝ているとき
原因

 

  • 血圧の急激な低下

 

  • 平衡感覚の乱れ
  • 内耳や脳の異常
感じ方

 

  • 頭がクラクラする
  • 目の前が暗くなる

 

  • 周囲が回る
  • 足元が浮いている感じ
対処法

 

  • 座る・横になると改善しやすい

 

  • 安静にしても改善しないことが多い
症状の持続時間

 

  • 数秒~数分

 

  • 数分~数時間以上続くことがある

 

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立ちくらみが頻繁に起こるのは危険?

 

立ちくらみ

 

立ちくらみが頻繁または継続的に起きる場合は何らかの病気である可能性も否定できません。

 

以下の病院受診の目安を確認して必要に応じて遠慮せずかかりつけ医に相談しましょう。

 

日常生活に支障をきたしている場合

立ちくらみが度々起こり、仕事や家事などの日常生活に支障をきたす場合、転倒などのリスクも高まるため早めに医療機関を受診しましょう。

また、高齢者や体力が低下している方の場合、転倒による骨折やケガの可能性もあり注意が必要です。

 

立ちくらみとともに失神や意識消失がある場合

立ちくらみに続き失神や、意識がなくなるなどがある場合は別の病気が隠れている可能性が高いです。

 

心臓や神経系の異常である場合もあるため、至急医師の診察が必要になります。

 

めまいや胸の痛み、息切れを伴う場合

立ちくらみに加えてめまいや胸の痛み、息苦しさを感じる場合も心臓や呼吸器系の病気のサインである可能性があります。

 

特に、不整脈や心筋症、大動脈弁狭窄症などが隠れていることもあるため至急医師の診察を受けましょう。

 

立ちくらみが急激に悪化する

今まで立ちくらみを経験したことがない人が突然頻繁に立ちくらみを感じるようになったり、症状が急激に悪化する場合は、貧血や血圧、神経系の病気が疑われます。

 

早期に病院を受診して原因の特定と治療が必要となります。

 

関連記事:脳貧血になったら病院へ行くべき?なりやすい人の特徴や症状を解説

 

立ちくらみと吐き気が同時に起こるのはどんな病気?

 

立ちくらみ

 

立ちくらみと吐き気が同時に起こる場合の主な原因は以下の通りです。

 

起立性低血圧

もっとも多い原因として起立性低血圧が挙げられます。

 

座っていたり、寝ている状態から急に立ち上がったときに、血圧が急激に下がり、脳への血流が不足することで立ちくらみや吐き気を感じることがあります。

 

特に朝や長時間同じ姿勢を保った後に発生しやすく、症状は通常数秒から数分でおさまります。

 

低血糖症

次に多い原因として低血糖症があげられます。

 

血糖値が急激に低下すると、体はエネルギー不足を感じ、立ちくらみとともに吐き気、冷や汗、手足の震えなどが起こります。

 

食事を抜いたときや激しい運動をした後に起こりやすいため、糖分を補給すると改善することが多いです。

 

自律神経失調症

自律神経失調症も立ちくらみと吐き気を同時に引き起こす原因のひとつに挙げられます。

 

ストレスや生活習慣の乱れが自律神経のバランスを崩し、血圧や心拍の調整がうまくいかなくなるのです。

 

立ちくらみや吐き気に加え、動悸や息切れ、疲労感を伴うことがあります。

 

メニエール病

メニエール病は内耳の異常による病気です。

 

立ちくらみや吐き気とともに、回転性のめまいや耳鳴り、耳が詰まったような感覚が生じるのが特徴です。

 

発作のように突然現れ、症状が数時間続くこともあり、症状が強い場合は耳鼻科での診察が必要になります。

 

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立ちくらみと肩こりの関係性について

 

立ちくらみ

 

肩こりと立ちくらみに同時期に悩まされるという経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。

 

この因果関係は、肩こりが進行して首の筋肉にも負担がかかり、首コリへ発展することに起因します。

 

首コリがひどくなると、頚椎を通る神経を包み込んでいる神経膜が圧迫されたり、傷つくことによって炎症を起こすことがあります。

 

この神経膜は、脳に感覚や血流の情報を伝える大切な役割を担っていて、炎症が起こると神経伝達がうまくいかず、立ちくらみや片頭痛、めまいといった症状が引き起こされます。

 

また、肩や首のコリによって、首に通る血管が圧迫され、脳への血流が不足することも立ちくらみの原因になるのです。

 

肩こりを改善することで首のコリや神経への負担を軽減し、立ちくらみやめまいなどの症状を和らげることが期待されます。

 

適度なストレッチやマッサージを取り入れ、肩や首の筋肉をほぐしておくことが立ちくらみやめまいの予防になります。

 

もし、症状が長引く場合は、専門医の診察を受けることを検討するようにしましょう。

 

立ちくらみがひどい時は家来るドクターに相談を

 

「立ちくらみが酷いが、近くに病院がない」

 

そんな時は家来るドクターにご相談ください。

 

事前に電話にて、症状の確認などをさせていただき、必要であればご自宅にお伺いし診察や薬の処方などの対応をいたします。

 

少しでも立ちくらみの症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

 

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立ちくらみについてのまとめ

 

立ちくらみは病気や薬の副作用などのさまざまな理由で起こります。

 

また、立ちくらみと思っていても、実は失神の可能性もあるため注意が必要です。

 

少しでも不安に思われる場合は、病院を受診するようにしましょう。

 

参考文献

 

医療法人玲生会にん内科│立ちくらみとは

 

総合南東北病院│パーキンソン病とはどんな病気?

 

専門ドクター監修!エイジングケア総合情報サイト

 

日本医科大学付属病院│肥大型心筋症専門外来

 

ニューハート・ワタナベ国際病院│大動脈弁狭窄症とは?

 

大阪医科薬科大学│脳腫瘍の症状

 

ふるた内科脳神経内科クリニック│変性疾患とは

 

国立長寿医療研究センター│貧血の原因は?

 

大清水クリニック│めまいの原因はストレスの場合も!何かを受診するべき

 

ひまわり医院│立ちくらみがひどい時の原因と対処法は?

 

MSD マニュアル家庭版│立ちくらみ

執筆者

千葉内科・在宅クリニック 院長 辺土名 盛之

経歴

  • 三重大学医学部医学科 卒業
  • 四日市羽津医療センター
  • 西春内科・在宅クリニック
  • 千葉内科・在宅クリニック 院長

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