梅雨の体調不良はなぜ起こる?症状や対策方法を解説
投稿日: 2024年05月29日 | 更新日: 2024年08月07日
梅雨になると体調が…と憂鬱な思いを抱えていませんか?
梅雨はさまざまな体調不良が起こりやすい季節です。
原因が分からず、毎年同じような症状に悩まされている人も多いのではないでしょうか。
本記事ではそんな梅雨の体調不良の原因や対策などを解説していきます。
目次
梅雨の体調不良はなぜ起こる?
梅雨の到来とともに、多くの人々が体調不良を経験することがあります。
その原因はさまざまですが、以下の要因が考えられます。
自律神経の不調
梅雨の時期の体調不良は、自律神経のバランスが崩れやすいためというのが一つの要因です。
通常、身体を活発にする「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」でバランスを取っています。
しかし、梅雨の時期になると、気圧変動や寒暖差に抵抗するため、交感神経が優位に働きやすくなります。
その結果、緊張状態が持続し、疲労やだるさといった症状が出ます。
繰り返す気圧の変化
梅雨の時期は、気圧が頻繁に変化します。
特に低気圧になると、身体は副交感神経が優位に働くようになります。
副交感神経は、緊張をほぐして体をリラックスさせる神経ですが、同時にだるさや無気力な気持ちになりやすくもなります。
湿度の変化
梅雨の時期は、湿度が高くなります。
急激な湿度の変化が、体の水分調節機能に影響を与えるため、疲労感やだるさを感じやすくなります。
寒暖差
梅雨の時期は、昼夜の気温差が大きいことがあります。
暑い日中と涼しい夜間の寒暖差が大きいと、体の負担が増え、体調を崩しやすくなります。
関連記事:吐き気と頭痛があるのに熱はなし?どんな病気が考えられる?
梅雨の体調不良の症状とは
梅雨の体調不良は人によって個人差がありますが、主に以下のようなものがあります。
- 気圧頭痛
頭痛は、梅雨の体調不良の症状として最も代表的な症状です。
頭痛には、様々な原因がありますが、梅雨の時期によく起こる頭痛は気圧の影響が大きいです。
気圧の変化を感じると脳の血管が拡張し、脳の一番外側にある硬膜に分布している三叉神経が興奮し、痛み物質が放出されます。
放出された痛み物質に反応して、さらに血管が拡張します。
このようにして血管拡張の悪循環が起こり、脈打つような強い痛みが生じると考えられています。
- めまい、吐き気
めまいは、身体の平衡感覚を保つ内耳や目に、何らかの障害が生じて起こります。
内耳は「気圧センサー」とも言われ、気圧の変化に敏感です。
梅雨の時期は気圧が変化しやすいため、内耳の機能が敏感な人は、めまいの症状を強く訴える事があります。
- 疲労感
梅雨のこの時期、大気は低気圧配置になります。
大気が低気圧になると、私たちの身体は副交感神経が優位に働くようになります。
副交感神経は、身体を休ませる神経ですので、身体がお休みモードになって、「だるい」「やる気が出ない」と感じてしまうのです。
- 軟便
雨が降り続く梅雨は、湿度が高くなるため体に残った余分な水分が排出しにくい状態です。
体のさまざまな場所に必要以上に水分がたまると、下痢や軟便などになりやすくなります。
- 関節痛
気圧の低下や変動が起こると、関節周囲の組織にある神経受容体が刺激を受け、関節痛を感じる神経信号が発生します。
この神経反応によって、関節の痛みやこわばりが引き起こされる可能性があると言われています。
また、低気圧になると炎症にかかわるヒスタミンという物質の増加や、湿度や気温の変化による自律神経の乱れが痛みに関与します。
梅雨の体調不良の対策方法とは
生活リズムを整える
先述したように梅雨の時期は、副交感神経が優位に働く傾向にあります。
そこからだるさや倦怠感といった症状が現れます。
そんな自律神経のバランスが崩れやすいからこそ、テレビを見たり、朝食を食べたり、少し運動してみたり、交感神経のスイッチを入れるような生活リズムにすることが大切です。
室内を明るくする
室内を明るくするのも自律神経のバランスを保つうえで大切です。
天気が悪く日中でも暗いとなかなか目が覚めなかったり、だるさを感じたりしがちですよね。
なので、日中でも室内は電気を点けて明るくすることで交感神経を働かせることが出来ます。
目元を温める・マッサージする
朝は交感神経のスイッチを、夜は副交感神経のスイッチに切り替えます。
そこで、就寝前に蒸しタオルやホットアイマスクなどで目元を温めることで、副交感神経が働き、睡眠の質も良くなります。
ぬるま湯に長い時間浸かる
お風呂に入るとリラックス出来ますよね。
しかし注意点として、42℃以上のお湯だと逆に交感神経が働き、興奮状態になってしまいます。
なので38~40℃ほどのお湯に調節する事が大切です。
湿度を一定に保つ
梅雨の湿度の高さにより、手や足の関節が動かしにくくなったりと関節リウマチの症状が現れる可能性があります。
除湿機などで、部屋の湿度を40〜60%に調整することで発症のリスクを下げることが出来ます。
湿度に弱い人の特徴
湿度は体のむくみやだるさ、場合によっては吐き気や軟便などさまざまな症状に関係しています。
そんな湿気に特に弱い人の特徴について解説します。
睡眠の質が低い
湿度に弱い人は、夜中に汗をかいたり、蒸し暑さで眠りが浅くなったりすることがあります。
その結果、熟睡できず、朝起きた時に疲れを感じることが多いかもしれません。
髪や肌の状態が変わりやすい
湿気の多い場所では、皮脂や汗が詰まりやすくなり、ニキビや吹き出物が発生しやすくなる傾向が多いです。
特に湿度に弱い人は、湿度が高い環境で皮膚トラブルが起きやすいという特徴があります。
精神的に不安定
湿度に弱い人は、湿度の高い状況下でイライラや不安を感じることがあります。
湿気のせいで気持ちが重くなり、集中力が低下したり、ストレスが溜まりやすくなったりします。
そのため、湿度に合わせたリラックス法やストレスケアが必要になるかもしれません。
梅雨の体調不良に効くツボとは
梅雨の症状がつらいとき、改善が期待できるツボをご紹介します。
薬を持ち合わせていないときでも、手軽にできるツボ押しで、頭痛なども和らげることが出来るかもしれません。
ツボ刺激は、「ツボを軽く押して、離す」という刺激を5回程度、繰り返します。
1回の刺激につき、3~5秒程度が目安です。
注意点は、押すときに指の腹を用いることです。
また、あまり強く押しすぎたり、ツボ押しの回数が多くなりすぎたりすると、かえって症状が悪化してしまうかもしれません。
気持ちがよい範囲にとどめることも大切です。
「水分」
「水分(すいぶん)」は、へその下にあるツボです。
身体の真ん中をとおる「正中線」上で、へそから親指幅1本分ほど上に位置します。
「水を分ける」の文字どおり、胃腸から水はけを改善し、体のなかの水を処理してくれるツボです。
下痢にも有効とされています。
「陰陵泉」
「陰陵泉(いんりょうせん)」は、膝のあたりにあるツボです。
ふくらはぎの内側から膝のほうへ上がっていくと、膝関節の下あたりにへこんだ部分があるので、探してみてください。
陰陵泉は「脾経(ひけい)」という経絡に属しており、胃腸の機能を高める役割があります。水の巡りを良くするので、むくみのある方にもおすすめのツボです。
「豊隆」
「豊隆(ほうりゅう)」は、すねの少し外側で、膝と足首のちょうど真ん中あたりに位置しています。
体に溜まっている濁った水分を取り除くことができることでもよく知られているツボです。
「内関」
「内関(ないかん)」は、手首の内側にあるツボで、手首のしわの中央から指3本分、ひじに向かったところに位置しています。
頭痛がひどくなって、めまいや吐き気を伴ったときにも、内関のツボを押すと効果的です。
「太陽」
こめかみの部分にあるのが、「太陽(たいよう)」というツボです。
眉毛と目じりの間から、親指幅1本分うしろにいった場所に位置します。
太陽は、水毒が原因の頭痛に限らず、頭痛全般に効果的です。頭が重いときに、指を回すようにアプローチしてみましょう。
眼精疲労にもおすすめのツボです。
ただし、強い片頭痛があるときは、やりすぎないように注意してください。
関連記事:秋バテになる原因とは?症状のチェックリストや解消法を解説!
梅雨の体調不良のご相談なら家来るドクターまで
家来るドクターでは、夜間休日の訪問診療を行っております。
梅雨の時期によくある、頭痛や吐き気、軟便、関節痛などの症状でも対応できます。
その場でお薬の処方も行っておりますので、気になる症状がございましたら一度ご相談ください。
【まとめ】梅雨の体調不良を乗り越えよう
梅雨の季節には、気圧の変化や湿度の上昇などが体調不良を引き起こすことがあります。
しかし、そのような状況に負けずに乗り越える方法は、規則正しい生活やバランスのいい食事をいつも以上に心掛けることです。
梅雨の季節は体調管理が難しい時期かもしれませんが、適切なケアと心の準備をして、この時期を乗り越えましょう。
参考文献
- 梅雨時に関節が痛むあなたへ
- 梅雨の体調不良の原因3つ(寒暖差・湿度・低気圧)と梅雨の漢方3選
- 梅雨の時期の体調不良は「梅雨だる」のせい?原因と解消法を紹介(2023年6月)
- 湿度に弱い人の特徴15選
- 梅雨の頭痛を解消。スキマ時間におすすめのツボ5選
- 耳鼻科の先生が伝えたい【気圧と耳の関係】気圧と上手に向き合う5つの対策
執筆者
経歴
- 名古屋市立大学 卒業
- 豊橋市民病院 初期研修医勤務
- 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
- 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
- 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
- 西春内科・在宅クリニック 副院長
- 横浜内科・在宅クリニック 院長
- >>詳しいプロフィールはこちらを参照してください。