【最新情報】コロナ第7波のステルスオミクロン株(BA.2)の特徴とは?初期症状や感染した時の対処方法について
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4月に入り、オミクロン株の1つで感染力がより強いとされるオミクロン株のBA.2系統の置き換わりが全国各地で進んでおります。
大阪府の吉村知事は、府中のおよそ半数で置き換わりが進んでいるとみられることを明らかにしております。(令和4年4月現在)
このまま海外同様にさらに置き換わりが進めば、重症化などによる医療現場への負担が大きくなり、さらに医療がひっ迫する可能性があります。
今後、本格的に第7波も視野に入れながら、感染対策をとっていく必要がありそうです。
今回は、そんな大注目のステルスオミクロン(BA.2)について詳しく解説していきたいと思います。
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目次
ステルスオミクロンとは
”ステルス”はどういう意味?従来オミクロンと何が違う?
オミクロン株には、現在3つの亜種(BA.1、BA.2、BA.3)が存在し、BA.2(ステルスオミクロン)はその内の一種です。
国内の症例のほとんどがBA.1ですが、GISAIDによるとBA.2も日本を含む57か国で発見されており、デンマークのようにBA.2がBA.1を上回って主流株になった国もあります。
“ステルス(stealth)”には、本来「内密」、「こっそりした行為」などの意味があります。
BA.2は、欧州で多く行われている「SGTF法」のPCR検査では検出されない場合があったため、一部の科学者の間で「ステルスオミクロン」と呼ばれるようになりました。
ただし、国内では検査方法が異なるため、BA.2もBA.1と同様検出は可能ということです。
米ハワード・ヒューズ医学研究所の研究員であるジェシー・ブルーム氏は、「BA.1への感染によって誘導される抗体は、BA.2をかなりよく中和すると予想されます。なぜなら、この2つの系統のオミクロン型は結合領域が比較的似ているからです。」と発表しております。
また、カタールの研究からも、BA.1に感染後のBA.2への感染リスクは94.9%減少したとのことです。
つまり、BA.1の大波に見舞われたばかりの地域では新たにBA.2の大波が押し寄せることは低いと考えられています。(追記:令和4年2月28日)
海外の事例紹介
デンマークを中心に近隣国のドイツ、ノルウェー、スウェーデン、フランスのほか、インド、フィリピンの一部でも流行しているとの報告が相次いでいます。
デンマークでは今年初旬から市中ウイルスがBA.2に置き換わり始め、1月中旬には感染者の約65%を占めるようになり、感染拡大が続いております。
日本の事例紹介
日本国内でも東京、大阪、神奈川、愛知、北海道、山形など複数の地域で市中感染が確認されています。(令和4年3月6日時点)
ステルスオミクロンの症状について
今のところ、ステルスオミクロン(BA.2)の症状は従来のオミクロン株(BA.1)とほぼ一致しており、区別できないとされています。
よくある症状としては以下のものがあげられます。
- 発熱または悪寒
- 息切れまたは呼吸困難
- 咳
- 咽頭痛
- 倦怠感
- 筋肉や体の痛み
- 頭痛
- 味覚嗅覚障害
- 鼻水、鼻づまり
- 吐き気や嘔吐
- 下痢
関連記事:新型コロナのオミクロン株に感染したら、どうしたら良い?初期症状や対処方法
ステルスオミクロンの感染力について
BA.2はBA.1などこれまでのオミクロン株と比べても感染力が強いといわれています。
京都大学の解析では、BA.2はBA.1よりも実効再生産数※が18%高いと報告されております。
英国保健安全保障庁(HSA)もデンマーク同様、「BA.2はBA.1よりも30%感染力が強い」と発表しております。
(追記:令和4年2月28日)
※実効再生産数とは、すでに感染が広がっている状況下で1人の感染者による二次感染者数の平均値のこと
イギリスでは、新規感染者が2000人に到達するまではBA.2の方がBA.1よりも増加スピードが早かったものの、現在はBA.1のスピードを下回っております。
これは、既にBA.1の感染者が国内で多くいたため、再感染に繋がらなったことやそのときの感染対策・流行状況の違いなどが影響していると考えられます。
だからといって、油断はできません。
今後日本国内でBA.2へ置き換わりが進めば、第6波のピークアウトを待たずして、第7波に突入なんていうこともあるかもしれません。
ステルスオミクロンの再感染リスクについて
オミクロン株に感染した方がステルスオミクロン(BA.2)に再感染する可能性はもちろんあります。
しかし、米ジョージ・ワシントン大学ミルケン公衆衛生校のウェン教授によると「BA.1とBA.2の類似性を考えれば、再感染のリスクは極めて低いです。」ということです。
イギリスの調査では、BA.1の配列の49万例とBA.2配列の40万例の解析結果から43人の方が両方の感染を来たしていることがわかりました。
参考:UK Health Security Agency「SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England」
現在分かっていることとしては、オミクロン株に感染した方がステルスオミクロン(BA.2)に再感染するリスクはあるものの極めて低いといえるでしょう。
しかし、日本でもBA.2の置き換わりが進み、感染者の母数が多くなれば、再感染例が起こる可能性は十分にあるでしょう。
ステルスオミクロンの重症化について
当初、デンマークでの研究では、従来のオミクロン(BA.1)とステルスオミクロン(BA.2)の重症化リスクに差異はないと発表しておりました。
しかし、ロイター発行のデンマークの新型コロナの感染者数及び死亡者数は、増加傾向にあります。
東京大学医科学研究所の佐藤准教授によると、最近行ったハムスターの実験からは、ステルスオミクロン(BA.2)の方が病原性が高い可能性があり、従来のオミクロン(BA.1)より重症化しやすい可能性があるとのことです。
今回の研究は、現時点では査読前の正式な論文ではないですが、ステルスオミクロンの特徴については新たな発見でした。(追記:令和4年2月28日)
ステルスオミクロンに対するワクチンの効果について
(出典:UKHSA. COVID-19 vaccine surveillance report Week 8 24 February 2022)
デンマークの研究機関(SSI)は、「ワクチンの追加接種から2週間の経過で、7割が発症を免れたとして、BA.2に関してもワクチンの効果は期待できるとしています。
しかし、BA.2を含むオミクロン株自体、ワクチンによる重症化の予防効果は期待できるが、感染や発症を防ぐ効果は落ちていることが分かっております。
つまり、ワクチンの効果はBA.1とほぼ同等と考えて良さそうです。
イギリスからの報告では、BA.2に対しても3回のワクチン接種によって発症予防効果は約70%まで高まりますが、時間が経つにつれて低下していくとのことです。
これが最後の変異株?
米ジョージ・ワシントン大学のリーナ・ウェン教授によると、「BA.2が最後の変異株になることはほぼ確実にない。」とのことです。
また、ウェン教授は、「新しい変異株は常に出現し、新しい変異株が世界的な懸念を引き起こすかどうかは、感染力の強さや、毒性や、それまでの免疫をどう突破するかによる。」と付け加えました。
ステルスオミクロンにかかってしまった時の対処法
『かかりつけ医』か『家来るドクター』に電話
【かかりつけ医】
まずは、かかりつけ医または受診予定の医療機関のホームページを探し、PCR検査が可能か・オンライン診療を行っているかなどを確認しましょう。または、直接電話で問い合わせてみましょう。
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【家来るドクター】
かかりつけ医がない、病院が見つからない、夜間・休日の相談先がわからないなどでお困りの方は、家来るドクターにお気軽にご相談ください。
家来るドクターは夜間・休日の体調不良時に電話一本で医師が適切な対処法をご案内いたします。
愛知県内をほぼカバーする往診エリア内で救急往診が必要と判断された場合、連携医療機関の医師が最短30分でご自宅へお伺いし診察を行います。
ご自宅で抗原検査・PCR検査も可能です。
国民健康保険適用で、医療証もお使いいただけます。
※登録等は不要でどなたでも365日年中無休で利用できます。
『家来るドクター』の受診・往診
医療相談・往診依頼の方は、お電話・WEB問診票・LINEからご相談いただけます。
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受診や往診の際の目安
どんな症状でも構いません!少しでも体調に異変を感じた際は、一人で悩まずにお気軽にご相談ください。
家来るドクターでは、症状に応じた対処方法を連携医療機関の医師の判断のもとご案内いたします。
緊急度判定プロトコルに基づき、赤(救急)・橙(準救急)・黄(準救急)・緑(低救急)・白(非救急)の5段階にわけて緊急性を判断(トリアージ)し、適切な対処方法をご案内しております。
家来るドクターができる事
家来るドクターは、夜間休日の体調不良時に電話1本で医師が適切な対処方法をご案内いたします。
救急往診の場合、連携医療機関より最短30分で医師が自宅に駆けつけ診察、検査、薬の処方まで行います。
ご自宅で抗原検査・PCR検査も可能です。
電話、WEB問診票、LINE から相談や往診の申し込みが可能です。
登録は一切必要ありません。まずはお気軽にご相談ください。
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まとめ
海外同様に、今後日本国内でもステルスオミクロンことBA.2への置き換わりが進めば、第6波の流行が長引く可能性は否定できず、第7波の到来が懸念されます。
しかし、どのウイルスであっても基本的な感染対策が重要であることには変わりありません。
新年度を迎え、お花見やゴールデンウイークなど外出の機会が増えますよね。今までもそうした機会をきっかけに感染拡大が繰り返されてきました。
引き続き、マスクの着用を徹底し、外出する際は、混雑した場所や感染リスクが高い場所は避けるよう徹底しましょう。
万が一、発熱・咳など新型コロナウイルスの症状が出たり、濃厚接触者になった場合は、お気軽に家来るドクターへご相談ください。
ご自宅でPCR検査・抗原検査が可能です。
必要であれば、お薬の処方や陰性証明書の発行もその場で可能です。
また、新型コロナウイルス陽性で自宅療養している方や濃厚接触者として認定されて自宅療養中の方への往診もしております。
何かお困りのことがあればお気軽にご相談ください。
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この記事の監修医師
西春内科・在宅クリニック 福井 康大院長
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