新型コロナワクチン3回目接種(ブースター接種)の副反応や後遺症について【最新情報あり】
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新年度を迎え、人の流れが活発化しており、全国でオミクロン株(BA・2)への置き換わりが進んでいます。
2回以上ワクチン接種したにも関わらず感染するブレイクスルー感染も目立ってきており、抗体価の減少などが心配されています。これを受けて、日本でも新型コロナワクチンの3回目接種(ブースター接種)が始まりました。3回目接種は、2回目の6ヶ月後に追加接種することが推奨されております。
そんな中、3回目ワクチン接種の効果や副反応、後遺症などを心配される方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな疑問にお応えできるよう新型コロナワクチン3回目接種について詳しく解説していきます。
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目次
新型コロナワクチン3回目接種は何故必要?
新型コロナワクチンは、感染・重症化予防効果が認められている一方、時間の経過と共に、徐々にその量は低下していくことが示唆されております。
横浜市立大学の研究によると、ワクチン接種6ヵ月後には感染症から免れるために体内で作られる抗体価は90%減少し、感染を防ぐ中和抗体も80%減少していることがわかりました。
また、NCBI(アメリカ国立生物工学情報センター)の研究によると、接種から半年経過後には感染予防効果はピーク時の約4分の1まで低下することが確認されています。
新型コロナワクチン3回目の接種間隔は?
厚生労働省は、予防接種法に基づき12歳以上の2回目接種が完了してから6ヶ月経過したすべての方を対象に、順次追加接種の実施を行っています。
ただし、64歳以下の方については原則7か月経過してからとしていますが、予約枠に空きがある場合は6か月で接種できるとのことです。早めの追加接種を希望される場合は、お住まいの自治体にお問い合わせするのがよいでしょう。
新型コロナワクチンの効果は?
新型コロナワクチン3回目接種の効果は、オミクロン株を含む様々な変異株に対しても認められています。
神戸大学大学院医学研究科附属感染症センターの研究によると、3回目の接種を行った72人全員がオミクロン株を含めて全ての変異株に対して中和抗体を獲得していることが判明しました(A)。
出典:神戸大学、2022年
また、オミクロン株に対する中和抗体価は、3回目接種後の方がワクチン2回接種後2ヶ月と7ヶ月の時点の抗体価よりそれぞれ32倍~37倍上昇しました(B)。これは、従来株やデルタ株に対しても同様の傾向が認められております。
出典:神戸大学、2022年
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新型コロナワクチンの副反応や安全性は?
新型コロナワクチン3回目接種の副反応は、接種したワクチンの種類にかかわらず、2回目接種後とおおむね同様の症状といわれております。だいたい2日~1週間程度で治まります。
具体的な2回目接種と3回目接種の副反応の比較は以下の通りです。
ファイザー
発症割合 | 2回目 | 3回目 |
---|---|---|
50% 以上 | 痛み(78 %) 倦怠感(59%) | 痛み(83 %) 倦怠感(63.7%) |
10~50% | 頭痛(54%) 筋肉痛(39.3%) 悪寒(37.8%) 関節痛(23.8%) | 頭痛(48.4%) 筋肉痛(39.1%) 悪寒(29.1%) 関節痛(25.3%) |
10% 以下 | 38度以上の発熱(16.4%) 発赤(5.6%) リンパ節症(0.4%) 腫れ(6.8%) | 38度以上の発熱(8.7%) 発赤(5.9%) リンパ節症(5.2%) 腫れ(8.0%) |
モデルナ
発症割合 | 2回目 | 3回目 |
---|---|---|
50% 以上 | 痛み(88.3%) 倦怠感(65.4%) | 痛み(83.8%) 倦怠感(58.7%) |
10~50% | 頭痛(58.1%) 筋肉痛(42.9%) 悪寒(44.3%) 関節痛(14.2%) | 頭痛(49.1%) 筋肉痛(41.3%) 悪寒(35.3%) 関節痛(20.4%) |
10% 以下 | 38度以上の発熱(15.5%) 発赤(8.7%) 腫れ(12.3%) | 38度以上の発熱(6.6%) 発赤(4.8%) 腫れ(5.4%) |
出典:特例承認に係る報告書より
1・2回目と異なるワクチンを用いて3回目接種(交差接種)してもいい?
1・2回目と異なるワクチンを用いて3回目接種することは可能で、安全性の面でも許容されるとのことです。また、交差接種の場合は副作用の頻度が高くなりますが、効果も高くなると考えられています。まとめると以下の通りです。
【ワクチンの副作用が心配の方】 交差接種を行わず同じ種類のワクチンで3回目接種 【ワクチンの効果が高い方を期待する方】 1・2回目と異なるワクチンを用いて3回目接種(交差接種) |
交差接種をするメリット・デメリットを踏まえた上で、3回目にファイザー社かモデルナ社どちらを打つのかを検討するのがよいでしょう。
新型コロナワクチンの後遺症とは?
ワクチン後遺症とは、新型コロナのワクチン接種後も長期間何かしらの症状が出続けていることをいいます。数日で治まるワクチン副反応とは明確に区別されております。
慢性的なワクチン後遺症を専門的に扱う「ワクチン後遺症外来」を設けているクリニックも全国に多数あるそうです。
埼玉県と医師会の分析によると、ワクチン後遺症の症状で最も多かったのは「嗅覚障害」で25.6%、次いで「どうき・息切れ・呼吸困難」が16.6%、「けん怠感」が15.6%でした。そして、発症から約1年経過しても、全体の6.9%の人が後遺症に悩んでいるそうです。その他に呼吸苦・歩行困難・記憶力低下などの症状を訴える方もいます。
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新型コロナワクチンの接種率は?
出典:産経新聞社「3回目ワクチン、伸び悩み懸念、意義問う声も」
3月下旬の時点で、日本国内での3回目ワクチンの接種率は、全体では40%ほどにとどまっています。
というのも、新型コロナ新規感染者の半数以上は、10代・20代の若い世代が占めている一方で、若い世代の3回目接種率は低い傾向にあるからです(令和4年4月時点)。
東京都が出している接種率の年代別データによると、令和4年3月31日の時点で70代・80代以上の接種率は80%を超えていますが、20代は23.8%、12歳~19歳は5.8%などと若い世代の接種率が伸び悩んでいます。
現在、若い世代の接種率が低いのに対し、若者は飲食の機会が多く、活動範囲が広いので特に感染拡大しやすい状況といえます。このような社会情勢を鑑みて、専門家は、感染再拡大(リバウンド)が起こると懸念しております。
新型コロナワクチン4回目接種は必要?いつから?
政府は、新型コロナウイルスワクチンの4回目の接種に向けた準備をすでに始めているとのことです。
まだ3回目の接種が終わっていない人も多い中、4回目の接種ははたして本当に必要なのでしょうか。
現時点で分かっている4回目接種に関する情報をまとめました。
新型コロナワクチンの副反応や後遺症の相談窓口はどこ?
【かかりつけ医】
まずは、かかりつけ医または自治体のホームページでワクチン副反応相談窓口があるかどうかを確認しましょう。
または、直接電話で問い合わせてみましょう。
★3回目ワクチン接種を行う家来るドクター連携クリニック
【家来るドクター】
- かかりつけ医がない
- 病院が見つからない
- 夜間・休日のワクチン副反応についての相談先がわからない
などでお困りの方は、家来るドクターにお気軽にご相談ください。
家来るドクターは夜間・休日の体調不良時に電話一本で医師が適切な対処法をご案内いたします。
愛知県内をほぼカバーする往診エリア内で救急往診が必要と判断された場合、連携医療機関の医師が最短30分でご自宅へお伺いし診察を行います。国民健康保険適用で、医療証もお使いいただけます。
※登録等は不要でどなたでも365日年中無休で利用できます。
【自治体のワクチン後遺症の相談窓口】
名古屋市では、名古屋市の医師会と連携し、新型コロナワクチン後遺症の相談窓口を全国で初めて設置します。
明確な治療法が確立されておらず、症状に悩む人が多い深刻な状況を鑑みて、河村たかし市長が立ち上がりました。
窓口では、愛知県の看護師が相談を受け付け、治療が必要と判断された場合は、市の協力医療機関などを紹介します。
窓口の営業時間は、平日の午前9時から午後5時です。(令和4年3月25日より開始)
詳しくはこちらの動画をご覧ください。
※現在の往診エリアは、【愛知県】のみです。
詳しくはこちら
まとめ
ワクチン接種には有効性が期待される一方で、アナフィラキシーや急性アレルギー反応などの副反応または接種後から長期間症状が続いているワクチン後遺症などのリスクが伴います。
新型コロナワクチン接種を迷われている方は、感染症・重症化予防効果と副反応などのリスクについて正しい知識を身につけましょう。その上で、接種をするかどうかは主治医やご家族と相談して判断することをおすすめいたします。
家来るドクターへご相談していただくことも一つの手段かと思いますので、新型コロナワクチン接種に関して疑問やお困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせください。
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参考文献
NCBI『Waning Immune Humoral Response to BNT162b2 Covid-19 Vaccine over 6 Months』
新型コロナウイルスmRNAワクチン接種により誘導されるオミクロン株に対する中和抗体(神戸大学)
この記事の監修医師
西春内科・在宅クリニック 福井 康大院長
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